サプスクリプションモデルにより高い柔軟性を実現したSAP S/4HANA Cloud, single tenant edition


「所有」から「利用」へというクラウド化の流れの中から登場したSAP S/4HANA Cloud。サービスは常に進化し、2018年8月からはお客様固有のシングルテナント環境で利用する「SAP S/4HANA Cloud, single tenant edition」(以下、single tenant edition)がラインナップに加わりました。今回は、オンプレミス版のSAP S/4HANAとの違いや、お客様から寄せられた声を紹介します。

プロアクティブな機能強化でお客様のビジネスを成功に導く

ビジネス環境が変わり続ける今、すべてのIT資産を自社で保有/管理し続けるスタイルは限界に達し、必要な時に必要なリソースを利用するクラウドサービスが主流となっています。ソフトウェアについても、人数分のライセンスを購入する買い取り型ではなく、月額や年額でライセンス料金を支払うサブスクリプションモデルが増加。サブスクリプションモデルは、初期費用がかからず、必要がなくなれば解約できるため、導入のハードルはぐっと低くなります。バージョンアップやサポート費用を含め、必要な料金はすべて含まれるため、追加料金も不要。今や、ITサービスばかりでなく、飲食、自動車、ファッション、動画サービスなど多くの分野で採用が進んでいます。

サブスクリプションモデルは、ユーザーだけにメリットがあるものではありません。サービス提供側においても、継続利用の顧客が増えなければ投資回収ができなくなるため、顧客満足度を高めて契約保持率を高く維持しようとする動きが加速されます。結果的に顧客満足度がビジネスの重要なKPIとなり、新たなチャレンジが生まれます。SAP S/4HANAの機能をクラウドサービスとして提供するsingle tenant editionもとその流れにあるもので、SAP自身がお客様のために何ができるかを考え、プロアクティブに機能強化することでお客様のビジネスを成功に導きます。

SAP S/4HANA Cloud, single tenant editionの特長

継続的にサービスを利用していただくための施策として、single tenant editionには以下の2つの特長があります。

(1)年1回のバージョンアップは標準料金内

オンプレミス版のSAP ERPの反省として、ソフトウェアのバージョンアップをお客様任せにしてきたことがあります。その結果、作業の煩雑さやリスクを避け、バージョンアップなしで使い続けるお客様が多く、最新の機能を享受できない状況を招き、結果としてイノベーションの足かせになっていました。single tenant editionではその反省に基づき、SAP自身が事前の検証と確立された方法論により1年に1回のバージョンアップを実施し、進化の価値をお客様に提供。SAPにバージョンアップを任せていただくことで、お客様はコア領域により多くのリソース配分、投資ができるようになります。

年に1回のバージョンアップ作業やサポートパッケージの適用はサブスクリプション料金体系の中に含まれ、お客様は追加コストなしで常に最新の機能を使い続けることができます。single tenant editionはプライベートクラウドのため、環境も運用もお客様固有のプライベートです。したがって、バージョンアップは強制適用でなく、お客様自身で時期を判断いただくことが可能です。クラウドサービスのメリットを享受しながら、自社固有の業務プロセスを実現したいケースでもsingle tenant editionは適用が可能です。とはいえ、大量のアドオンを作り込んだ従来のようなシステムではバージョンアップに支障が出る恐れもあります。single tenant editionではアドオンを極力廃し、あらかじめ用意されている拡張オプションや、SAP Cloud PlatformによるPaaSベースの拡張を推奨しています。

(2)日本人のサービスマネージャーを1社に1名アサイン

システムが常に進化していくクラウドサービスでは、ユーザー自身が最新機能を追いかけ続けることには限界があります。バージョンアップに関しても、本当に必要な機能なのか、支障が出ることはないかなど、ユーザー自身では判断がつかないことも出てきます。そこでsingle tenant editionでは、1社につき1名、日本人のサービスマネージャーをアサインし、バージョンアップの可否や、実施のタイミングをお客様と一緒に検討しながら提案していきます。

具体的には、構築期間中は週に1回、運用期間中は月に1回の定例会を実施。現在のシステムの利用状況を詳細に見ながらシステムの拡張案や、新たな施策を実施するための最新情報を提供します。日本のビジネスを理解した日本人のサービスマネージャーが対応するため、意思疎通の煩わしさもなく、イノベーションの施策と合わせてサービスを進化させていくことが可能です。

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お客様から高く評価される「柔軟性」

single tenant editionが選ばれる理由は、柔軟性の高さにあります。実際のお客様の声を紹介します。

(1)柔軟なライセンス体系の考え方

サブスクリプションモデルで提供されるsingle tenant editionの契約期間は3年、4年、5年から選択可能で、契約期間が長いほど割引率は高くなります。料金はユーザー数×月額単価による課金体系ですが、契約期間満了後は、利用状況に応じてユーザー数の見直しが可能です。ライセンスを一括で買い取る従来のスタイルでは不可能だった、ライセンス数量の見直しができる点でsingle tenant editionは高評価をいただいています。

加えて、ライセンス数量内でユーザータイプの見直しができることも従来と異なります。SAP S/4HANAのライセンスは、FUE(Full Usage Equivalent)という単位で課金され、ユーザーレベルによって「変換率」が設定されています。変換率1のユーザータイプなら、1FUEは1ライセンスとなりますが、変換率5のユーザータイプなら1FUEは5ライセンスとなります。例えば、変換率1のハイエンドなユーザータイプで50人分のライセンスが不要になった場合、変換率5の標準的なユーザーグループに振り替えると、50人×5で250人分のライセンスが増えることになります。買い取り型のライセンス形態では、決められたユーザータイプから変更ができなかったことからすると、大きく柔軟性が向上したことになり、お客様からは「投資を無駄にすることがなくなる」という声が届いています。

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(2)プラットフォームの選択肢が柔軟

single tenant editionでは、クラウド基盤にも柔軟性を設けています。SAPが提供するマネージド型のSAP HANA Enterprise Cloudはもちろんのこと、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)の選択も可能です。例えば、お客様がすでにAWSやAzure上で基幹系以外の業務系システムや情報系システムを稼動させている場合、single tenant editionでもAWSやAzureを採用することで、プラットフォームと統合することが可能で、お客様からも評価する声が届いています。

2025年のSAP ERPのサポート終了に向けて、注目が高まるSAP S/4HANAへの移行。導入が容易で、運用の負荷も軽減でき、柔軟性も高いsingle tenant editionをぜひご検討ください。