約束は実行されました--SAP Business Suite Powered by SAP HANA提供開始

作成者:馬場 渉投稿日:2013年1月17日

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SAPジャパンの馬場です。東京は大雪が降ったようですが私は今シンガポールに来ています。グローバル共通の2013年の戦略を世界3地域を順に確認し合うキックオフイベントに参加するためです。

先週ついにERP、CRM、SCMなどSAPのフラッグシップ製品のSAP HANA上での稼働が正式発表され顧客向け出荷が開始されましたが、その産業史に記念すべき発表を行ったビシャル・シッカとここで再会することができました。彼の最愛の製品SAP HANAのソフトウェアは2011年一般出荷初年度に2億ドルの売上を記録しましたが、今週暫定発表された2012年の10月〜12月期だけでそれ以上販売され、最も急成長するデータベースソフトウェア製品としてその名が多く知られるようになりました。

私が彼に初めて会ったのは2年前、今回と同じ目的で訪れたここシンガポールです。世界初のSAP HANA採用が日本で起こったことで「You made history!」と満面の笑みで言われたあの日からたった2年。随分先のことだろうと誰もが思っていたビジョンがついに現実になりました。延長上にない未来が、ついにやってきました。

この記念すべき発表で彼からブログがポストされているので、今回も日本語訳してご紹介したいと思います。

出典: http://www.saphana.com/community/blogs/blog/2013/01/10/a-promise-delivered-sap-business-suite-is-now-powered-by-hana

(以下日本語訳)

2012年1月25日、IDG社のクリス・カナラクスとのインタビューの中で、我々は「2012年末までにSAP HANA上でERPを動かす」という大胆な約束をしました。そして本日、ERP、CRM、SCMを含むSAP Business SuiteのSAP HANA上での稼働を発表できることを嬉しく思います。

私の”愛娘”SAP HANAは、大きく成長し、史上最高のビジネスアプリケーションスイートに、さらなる変革の可能性をもたらしています。

SAP Business Suiteは、何万もの企業の心臓部であり、世界のトランザクション(生産、流通、販売からサービスに至る、私たちの周囲にあるほぼすべて)の63%はこのアプリケーションを介して実行されていると推定されています-我々が着ている服、食べている食物、運転する自動車からヘルスケア、金融、政府、小売など日常生活に欠かせないサービスに至るまで。

SAP Business Suite powered by SAP HANAは、あなたのビジネスをリアルタイムに実行し、機会を確実にとらえることを可能にします。取引を行い、それらを分析し、さらにそこから将来を予測する、これらをひとつのプラットフォーム上で瞬時にかつプロアクティブに行う。全世界のSAP Business Suiteをリアルタイムに実行することによるビジネスインパクトを想像してみてください!これはまさにイノベーションであり、世界をより良い方向に変えるだけのスケールを持っています。

変化とは何でしょう?

SAPは、常にリアルタイム・ビジネスの代名詞でした。 20年前にリリースされたSAP R/3は、ビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)革命を起こし、企業がビジネスプロセスをエンド トゥ エンドで自動化するのを支援してきました。

SAPが切り開いた[クライアントインターフェース]-[プロセスロジック]-[データベース]という3層アーキテクチャーは、データをデータ層で抽象化しつつ、一貫したプロセス・ロジックを提供することにより、例えば顧客の注文を取る、製品を出荷するなどのビジネスをスケーラブルに行うことを可能とし、生産性の多大なる向上をもたらしました。1992年において「リアルタイム」とは、複数の部門や地域をひとつのシステム上に統合し情報を一元化すること、でした。

しかし、これはかなりの妥協を余儀なくされる仕組みでもありました。データ層は遅いハードディスク上にあったため、記録したデータを分析するためには別のデータベースにコピーしなくてはならず、これには時間がかかったうえに、データの一貫性に矛盾をもたらす可能性がありました。情報はユーザーから何歩か先の、手の届かないところにありました。

また、ウェブ、ソーシャル、M2M、モバイルなどあらゆるデータが企業にとって重要なものとなるにつれ、エンタープライズシステムは「プロセスの自動化」から「利用可能なすべての情報をリアルタイムに人々に与え、支援する」ものに変容していく必要がありました。

従来のアーキテクチャおよびその欠点を見れば、今後20年のエンタープライズ·ソフトウェアとしての用をなさないのは明らかです。この洞察に基づいて、ハッソ(*SAP創業者)は6年前、きわめて戦略的な疑問を提起しました。もし我々が今、SAP R/3をゼロから設計するとしたら、それはどのようなものになるだろう?

その答えは、かなりはっきりしていました。SAP HANA。ただ1セットのデータがすべてメイン・メモリー上にあり、OLTPとOLAPの両方をマルチコアが超並列に処理する、新しいデータプラットフォームです。SAP HANAは、アーキテクチャを圧倒的にシンプル化し、バッチ処理を駆逐し、トランザクションで発生したデータを保持し、それをインタラクティブかつ即座に分析し、あらゆる意思決定にリアルタイム情報を提供し、ライブなコラボレーションを可能にし、「事後に報告」ではなく「常時オン」なモバイル・ライフスタイルを実現します。

我々は、このビジョンに基づいた破壊的な技術の実現をロードマ​​ップに定め、猛烈なペースのイノベーションに挑戦してきました。18カ月の間に我々は、SAP HANAに最適化されたSAP BusinessObjects、SAP Business Warehouse(BW)powered by SAP HANA、SAP Business One、SAP CRM、30以上の新しいSAP HANAアプリケーション、150社を超えるスタートアップ企業とのパートナーシップ、そしてSAP Business Suite Powered by SAP HANAなどを実現してきました。これらは、古きものを刷新し、時代を超越する新しいプラットフォームを提供します。

またSAP HANAは、最高のエコシステムをもたらします。SAPは常にSAP内のみならずパートナー企業やお客様企業とのCo-Innovationを通じて新しいイノベーションを推進してきました。この枠組みの中で我々は、既存のパートナー企業と緊密に協力してきていることに加え、SAPスタートアップ・プログラムを立ち上げ、スタートアップコミュニティの情熱と創造性をもSAP HANAの世界に持ち込みつつあります。私たちSAPのエコシステムは常にオープンかつ選択肢が用意されており、お客様は重要なことについて妥協する必要はありません。

この日が来ることを可能にしてくれた多くの人々、とくにBernd LeukertとFranz Faerber率いるSAP Business SuiteおよびSAP HANAチームを祝福したいと思います。また私は、この偉大な成果をハッソ・プラットナーに捧げます。-生涯にわたるリアルタイム・ビジネスの追究、SAPのリニューアルへの不断の取り組み、そして私個人の師として。

なお、業界標準の強力なSQLにより、SAP Business SuiteはSAP HANA以外のデータベースベンダーにもオープンなままであり、SAP Business Suiteは1つのバージョンのまま前進していきます。SAP Business Suiteの技術革新、たとえばデータ中心の処理ロジックのプッシュダウン(ストアド・プロシージャーを介して、処理をアプリケーション・サーバーからデータベース・サーバーへ移すこと)は、他のデータベースにも同じく適用され、それらのパフォーマンスをも改善します。

この変革がもたらすビジネス価値

このリアルタイム・ビジネス・プラットフォーム上で何ができ、スピードはどのようにビジネスに役立つのでしょうか?我々は3つのレベルの利点があると考えています。

第一に、リアルタイム処理とリアルタイム分析に基づくよりスマートなビジネスモデルが可能になります。

トランザクションと分析のリアルタイムな組み合わせの力、そしてそれがどのようにビジネスプロセスを変えることができるかの例として、航空会社の発券システムを考えてみましょう。

エアライン座席予約はトランザクションシステムとして生まれ、航空会社は乗客の氏名などのデータを取得しつつ、チケットを固定価格で発券していました。

次に、その情報を分析用プラットフォームに移動させて評価し、洗練されたアルゴリズムに基づいて価格の見直しを行うようになりましたが、データの移動および分析にかかるリードタイムの長さから、見直しの頻度は週1回ほどでした。

そして現在、SAP HANAを用いれば、トランザクションプラットフォームに顧客需要の変動をコンスタントに取り込み、天候パターンやソーシャルデータなどの外部データをも織り込んで、チケット価格の再算定を行うことが可能です。実のところ、1トランザクションごとに分析を回し、次のチケットの価格を再算定することもできます。すべての顧客を1-to-1ベースで理解しつつ、需要と供給を細かくマッチングさせ、収益性と顧客サービスの向上につなげることができます。

例えばトラクターなど農業用機械最大手のJohn Deere社は、各製品に顧客サービスの要素を組み込んで、ビジネスモデルを強化する方法を模索しています。今日のマシンは、センサーから気象や土壌など膨大なデータを取得しリアルタイムに送信してきます。これを分析し評価することで、機器のメンテナンスなどにリアルタイム情報を活用する道が開かれます。また家電やヘルスケア(医療機器やオーダーメイド医療)でも同じような変革が可能です。

第二に、より速いビジネス·プロセスにより、チャンスを逃さない意思決定が可能になります。

たとえば、優れたデータベース処理に基づき、代替シナリオをも考慮しつつ、高速処理で生まれた余裕時間をより良い意思決定を行うために使用することができます。たとえば大手メーカーにおけるMRPプロセスや、銀行における手元現金計算が、数時間でなく数秒ないし数分で行うことができるとしたら、浮いた時間で何ができるでしょう?きっと、需給計画をよりよく一致させるための代替シナリオを走らせたり、より低リスク高リターンな機会を探することで、大きなビジネス価値を生むことができるでしょう。

第三に、システム・ランドスケープの簡素化、そしてさらに重要なバッチ処理の廃止によるビジネスプロセスの簡素化が期待されます。

OLTPとOLAPが1つのプラットフォームに溶け込むことにより、大幅な簡略化が可能になります。長い間、CIOは、投資の対象を「業務を止めないこと」から、ビジネス上のステークホルダーが喜ぶ「イノベーション」にシフトしたいと考えてきました。バッチを排除し、リアルタイム集計で運用コストを削減することで、スマートなイノベーションを実現します。IT層の簡素化はまた、ビジネス層をも簡素化し、オーバーヘッドを減らし、会社全体の情報の渋滞を解消して、情報伝達をスムーズにしていきます。

次のステップは?

SAPの次のステップは、SAP HANAプラットフォームの変革力を活用した、ビジネス間ネットワークの再定義です。

クラウドは、情報をスケーラブルかつリアルタイムに共有し、他者とのコラボレーションをもとに意思決定し、またモバイルを通じてインスタントに接続する、といった目的にもっとも適した場所です。

クラウド・プラットフォームにより、我々は以前には考えられなかった方法で、アプリケーションやインフラストラクチャを提供することができます。この新しいプラットフォームにより、SAPはお客様、パートナー、そしてスタートアップ企業をリアルタイム経済の世界的なネットワークにつなげていきます。

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