非構造化データの連携による究極のリアルタイムの実現

作成者:奥野 和弘投稿日:2013年2月5日

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こんにちは、SAPジャパンの奥野です。前回前々回は、主に情報の分析活用においてデータの鮮度を保つことの重要性や、気づきをアクションに結びつけるプロセスについてお話しましたが、今回はこうしたテーマを議論するときに避けては通れない「非構造化データ」について取り上げたいと思います。

一般に情報系、基幹系と呼ばれる仕組みの中で扱われるデータは、その構造に一定のルールを持った「構造化」されたデータです。リレーショナルデータベースなどがその典型ですね。しかし、企業における情報の大半は、実は構造化されてない「非構造化データ」だという事実にお気づきでしょうか。

たとえば、会社の業務で多く使用されているOffice文書、メール、PDF、画像データなどは、すべてこの「非構造化データ」に当たります。さらに、昨今注目を浴びているFacebookやTwitterといったソーシャルメディア上の書き込みなども、非構造データです。今回は、これらの非構造化データの取り扱いについても、SAPならではの取り組みがあることをご紹介したいと思います。

非構造化データの管理を可能にするコンテンツマネージメント

非構造化データの保管については、独自のデータ保管方式を持つSAP Sybase IQなども得意とするところです。しかしSAPは、これに加えて保存や管理まで広い範疇をカバーする、ECM (enterprise content management)の仕組みも提供しています。まず、SAPのECMで解決される代表的な課題のいくつかご紹介しましょう。

<セキュリティ> 非構造化データの管理に関する5つのルール

少し前になりますが、2007年に発生した日系企業の中国人技術者が13万件の図面データを不正に持ち出した事件を発端として、最近では海外に進出した企業の現地従業員による知的財産権の流出など、企業資産の流出や漏洩が企業の国際競争力低下につながると懸念されています。

こうした内部統制やセキュリティの課題は、非構造化データにおいても非常に重要です。SAPでは、非構造化データの管理について、下の5つのルールを明文化して適用しています。

  1. 権限管理は、権限の付与範囲や強度に応じて9段階に設定すること
  2. LDAP、Active Directoryとの連携が可能であること
  3. 参照のみのユーザーについても、セキュリティの特殊機能を提供していること(画面の写真を撮ると、PC名とIPアドレスが透かしで写真に写される仕組みになっている)
  4. 文書に対するアクションはすべて自動的に記録され、文書からの監査が可能であること
  5. ユーザーやワークフロー等についてもアクションは記録され、人や業務のキーから監査が可能であること

<重複制御> 厳密なバージョン管理で先祖返りや手戻りを防止

どなたでもご経験があると思いますが、ExcelやWordのファイル名を付ける際に、「xxxx20120806.doc」や「xxxxVol2.xlsx」といった、「ファイル名+α」のような形で文書を管理していませんか? また、必要なファイルを開いてみたら、更新されていない、更新箇所がわからない、それどころか古いバージョンの方を更新していたといった問題が見つかり、作業の手戻りが発生したという経験を持つ方も少なくないはずです。そこでSAPでは、文書の管理について、下の2つの条件を適用しています。

  1. 複合文書管理機能で1つのファイルの更新差分を記録し、その記録にもとづいた版管理が可能であること
  2. 常に最新の文書を更新でき、いつ・誰が・何を更新したかが確認できること

<ナレッジ共有・コラボレーション> 効率的なデータ共有によるコスト削減

社内に存在する非構造化データ資産の多くは、ファイルサーバー内の個人フォルダやパソコンに埋もれてしまっています。このためせっかくの有用なデータ資産が共有されないまま、個人のナレッジにとどまっている、もしくは存在さえ知られないままになっているケースは少なくありません。これは非常にもったいない話です。

「データの見つけやすさ」も重要なポイントです。あるデータを社内で発表し共有できたとしても、その時点で誰もが必要な情報とは限りません。しかし、いったん必要となれば、すぐに見つからなくては意味がない。そこで、ほしい情報をすぐに見つけられる環境の整備が必要になります。これは構造化されたデータはもちろん、非構造化データの領域においても変わりません。

ちなみに、データが見つからない場合のデメリットは、単に不便というだけにとどまりません。たとえば、社内で必要な書類を探している時間が平均で1日10分とすると、1週間で50分、1カ月で200分、1年間では2,400分(40時間)ものロスタイムになります。これは明らかに利益の損失です。

そこでSAPでは、データが「必要なときにすぐ見つかる」「必要な人が共有できる」環境を実現する上で検索機能を重視し、下の4つの条件を掲げています。

  1. 全文検索でも、通常のファイルサーバーの10倍以上の検索スピードを実現すること
  2. よく検索される文書類を上位に表示すること
  3. 人づての検索を可能にすること
  4. 評価、コメントなど、人のアクションによる検索などが可能であること

SAP連携が実現する多彩なECM、そして究極的に目指すものは?

では、こうしたコンテンツマネージメントの仕組みを、なぜSAPが提供しなければならないのでしょうか。

最初にお話したとおり、企業で扱う情報の大半は非構造データです。たとえば取引先からFAX送信されてくる見積書や設計図面、マーケティング・マテリアルなどがそれに該当します。こうした非構造データを、構造化データと突き合わせてみたいというニーズは少なくありません。

SAPのECMは、まさにこうした構造化データ/非構造化データの連携や活用が、簡単に行えるように設計されているのが特長です。たとえば、以下のようなデータ活用が実現できます。

請求書や見積書を電子化してERPの伝票と紐付けた管理が可能に

経費の精算時に多くの会社では稟議書を回し、そこに請求書や見積書、提案書等の紙を貼り付けて稟議回覧板で回していきます。しかしこの場合だと、再度ERPにも伝票を起票する作業が発生します。一方、承認された原紙は倉庫に保管しなくてはなりません。これではスピードも手間もかかるし、後日監査が入った際に書類確認のたびに人海戦術で倉庫を探すはめになります。しかしSAP Extended Enterprise Content Managementを利用すれば、電子化された請求書や見積書をERPの伝票と紐付けて管理することができるようになります。

ドキュメントファイルの検索や帳票出力、添付などの作業もできる

SAPのユーザーインターフェースから、特定の伝票に紐付いた請求書や見積書をそのまま参照できるのはもちろん、逆にSAP Extended Enterprise Content Managementの画面から特定の見積書と紐づいた伝票を検索することも可能です。また、ERPの伝票からバーコード付きの添付用台紙をプリントして、複合機でスキャンさせて自動的にERPの伝票に添付させるといったことも実現できます。

では、最後にSAPが目指すデータ活用における「リアルタイム」をもう一度おさらいしておきたいと思います。まず、SAPが「リアルタイム」について語る場合、それはシステム本体だけのリアルタイム性を語っているわけではなく、以下のすべてについて言及していることを、ぜひ憶えておいてください。

・  ERPに代表されるOLTP系システム内におけるリアルタイム
・  SAP HANAを介して実現される「OLTP–OLAP」間におけるリアルタイム(構造化されたデータ間でのリアルタイム)
・  SAP Extended Enterprise Content Managementを介して実現される「構造化データ–非構造化データ」間におけるリアルタイム
・  そしてモバイルを介して実現される「システム–人 」間におけるリアルタイム

以上をご覧いただけばわかるように、SAPは究極的には企業のあらゆるリソースをリアルタイムに連携し、お客様のビジネス・パフォーマンスと利益の最大化を図りたいと考えているのです。

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