トラック運転手の働き方改革-Uber FreightとSAPの協業


トラック運送業界に働き方改革の動きが出てきています。 まずはこちらのビデオをご覧ください。

このビデオで語られているUber Freightは、タクシー業界に新風を巻き起こしたUberのトラック輸送版です。2017年にアメリカでサービスを開始し、ヨーロッパに展開しています。すでに1万人以上の運転手が登録し、年間500億円以上の規模に急成長しています。

ビデオの中でのTIFFANYはカッコイイですよね。「トラック運転手がいなければ世界は崩壊する」は、力強い言葉です。誇りを持って働く人はカッコイイし、世の中を変える原動力はきっとこのようなところから生まれるのでしょう。

 

トラック運送業界の課題解決と運転手の働き方改革

トラックの運転手は、長い時には10時間の待機が発生し、契約が複雑であるため効率的な積載や輸送にも限界があり、長時間労働を余儀なくされているようです。その状況を改善する道はなかなか見えていません。

数字の面で見ると日本のトラック運送業界においては一般的に以下のような課題があります。
(出典:「トラック運送業の現状等について」 国土交通省)

  1. 長い待ち時間 : 平均で約2時間
  2. 低い積載率 : 平均で約40%
    (60%分は空のまま運行)
  3. 多くの書類と固定的な契約 :
    キロトンを基本として荷姿や取扱条件など
    複雑で固定的な契約
  4. 長時間労働年間2,500時間 (平均の約1.2倍)

Uber Freightは、リアルタイムでの需給のマッチングと、
状況に応じた条件の提案によって、③ペーパーレスでの柔軟な契約、②帰り便を含めた積載率の向上、①需給マッチングによる待ち時間の短縮化、結果として④長時間労働からの開放、といった、トラック運転手の働き方、そして生活を変える可能性があります。

トラック運転手は以下のようなスマホ・アプリを使って、自分の仕事や生活をデザインしていくことができるようになるかもしれません。

 

ユーザー企業の視点 物流網の柔軟性の向上

ここで、もう一方の視点、Uber Freightを利用する製造業などの企業の側からの視点も考えてみます。

トラック運送業界は、極めて人手不足感が強く長時間労働という状況の中、2016年10月の改正物流総合効率化法においては効率化を目指した共同物流の方向が示されています。他の複数の企業と協力して、より効率的な物流を目指しているわけですが、その反作用として、物流の柔軟性は低下すると予測されます。

Uber Freightは、特急オーダーなど急な変動に対しても対応できる柔軟性を提供することができ、効率を重視する共同物流と組み合わせることで、効率的で柔軟性のある物流網を作り上げることができます。

 

Uber FreightSAP

このような中、Uber FreightとSAPは共同でクラウドサービスの構築を進めています。SAPの基幹システムで輸送の計画を立て、Uber Freightでトラック運送の見積を取り、運転手を探し、その後の配送状況をトラッキングする、という一連の業務を行うことができます。 

新しい働き方を実現する、新しいテクノロジー。このような新しい取り組みを推進するための器として、SAPは「SAP Innovation Award」を実施しています。今回のドライバーの働き方改革を実現するUber FreightとSAPの協業もその一環です。

数多くの企業の基幹システムとして利用いただいているSAPが、このような働き方改革を実現する新しいテクノロジーと協業することで、多くの企業がより早くInnovationを実現する一助になればと願うところです。

 

以下、余談です。

当社では15ヶ月間の長期インターン生を受け入れています。その中の一人の学生は「Uber Eatsでもバイトしてます」と言います。「Uber Eatsって、収入はどうなの?」と聞くと「自由な時間に自分のペースで働けるから良いんですよ。自転車も時間貸しのレンタル自転車を使っています」とのこと。

このような新しい価値観の世代も幸せに働ける世の中であれば良いと思いますし、このような価値観を受け入れ協業できる企業でありたいものですね。

 

※本稿は公開情報に基づき筆者が構成したもので、Uber Freightのレビューを受けたものではありません。