売上/集金状況などすべての業務アプリを7インチのAndroid端末で利用するアジア最大の塗料メーカー
作成者:井口 和弘 投稿日:2013年3月3日
SAP が企業向けに提供している情報系モバイルアプリを活用して、業務効率の向上や、自由なワークスタイルを実現している企業事例の連載。今回は、1,700名の営業担当者にSAPの情報系モバイルプラットフォームを組み込んだタブレットを配布し、組織の機動力を飛躍的に向上させることに成功した、アジア最大の塗料メーカーであるAsian Paints社をご紹介します。
SAPジャパンのYouTubeチャンネルでも、動画で簡潔にご紹介しています。ぜひご覧ください。
1,700名の営業活動を支えるモバイルソリューションの開発
Asian Paints社は、アジア最大の塗料メーカーとして幅広くビジネスを展開するインドの企業です。インド国内だけでも5,000名の従業員を抱えるほか、約3万の販売店を擁し、家庭用塗料から産業用、自動車用塗料まで、約200点の製品ラインナップで、その売り上げは17億ドルに達しています。
すでに世界の塗料業界でトップ10に数えられる同社は、さらなる飛躍、売り上げの拡大を目指す上で、IT による営業スタイルの変革が必要だと考えました。そこで打ち出した施策の1つが、SAPのモバイルプラットフォームを使った、まったく新しい営業支援システムの構築でした。
同社の1,700名の営業担当者は、約200点という幅広い製品ラインナップをはじめ、それに関連するさまざまな情報を日々の営業活動で活用しています。外出や移動の多い彼らを強力にバックアップするためには、いつでもどこでも自由に情報にアクセスできるモバイルソリューションが不可欠だと考えたのです。
タブレット端末がバックエンドのSAP ERPとリアルタイムに連携
今回、Asian Paints社が導入したのは、モバイル環境に特化したSAPのアプリケーションプラットフォームSybase Unwired Platformと、モバイルアクセスに不可欠なセキュリティと運用側の一元管理を担保するSAP Afaria モバイル・デバイス・マネージメント・ソリューションにカスタムアプリを組み合わせた営業支援システムです。
1,700名の営業担当者は、このシステムを使ってディーラー情報やクレジットなどの与信情報、顧客からの意見や要望を参照したり、在庫確認や受発注を行うなど、営業活動に関わるすべてのデータにアクセスすることができます。
端末にはAndroidベースの7インチタブレットを採用。さらに、この端末に対応したさまざまなSFA 系のカスタムアプリケーションを開発しています。このカスタムアプリケーションが、同社の営業支援用モバイルソリューションの能力を大きく広げているのです。
たとえば、季節のキャンペーン情報や在庫情報などをリアルタイムで参照できる背景には、バックエンドにあるSAP ERPとCRMに、これらのカスタムアプリケーションを使ってアクセスする仕組みがあります。
このほか、オフィス内の従業員向けには、オンラインのハイブリッド Webアプリを、iOSとBlack Berry、そしてWindows Mobile 用に開発し、営業担当者のみならず業務に携わるすべてのスタッフがモバイル環境を利用することによって、全社的なビジネスの機動力をアップさせている事実も見逃せません。
システム開発部門のチーフマネージャーであるDeepak Bhosale氏は「豊富な情報を活用することで、営業担当は素晴らしい活動ができています。これも、新しいモバイルソリューションを導入したおかげです。当初ではすでに SAP ERPを活用していますが、もしこれからERPのモバイル活用を検討している企業があるならば、SAP のソリューションは包括的なパッケージを備えた最良の選択だといえます」と語ります。
また、現場の営業責任者からも「以前は印刷物で情報を確認していましたが、SAPのモバイルソリューションによって作業が迅速になり、その他の重要な業務により多くの時間を割けるようになりました。生産性、販売力、全体的なパフォーマンスにおいて業界に大きなインパクトがあると確信しています」と高い評価の声が寄せられています。
すべての営業活動をワンストップでサポートするモバイルソリューション
今回、Asian Paints社がSAP のモバイルプラットフォームの導入で実現したメリットを、いくつかご紹介しましょう。
一気通貫の業務機能を1つのアプリに凝縮
同社が今回開発した営業支援システムの重要なポイントとして、「業務の流れを止めないアプリケーション」という考え方があります。せっかくモバイルで受発注の処理が行えるようになったとしても、在庫管理だけが別のツールになっていては、処理の流れが中断されてしまい、効率アップにつながりません。営業活動で発生するすべての処理を、いわば「一気通貫」で行うためにも、1つのアプリケーションですべての処理をサポートできることは不可欠の要件です。
ワンストップのプラットフォームがシンプルな運用を実現
またその場合、モバイルデバイス側から、その都度異なる複数のシステムに接続をするアーキテクチャでは、アプリのメンテナンスが非常に複雑になってしまいます。新たに別のアプリを開発する場合にも、同じ作業を繰り返すことになり大変非効率です。
SAP のモバイルプラットフォームがあれば、すべてのモバイルデバイスはそこに接続さえすればよく、バックエンドの ERPやCRMその他のシステムとの接続は、このモバイルプラットフォーム経由で行われます。その結果、モバイルデバイスとバックエンドのシステム双方にとってワンストップのアクセスが可能となり、アーキテクチャ上の複雑さを解消するだけでなく、シンプルな運用と可用性の向上が実現します。
オフライン機能を使って、高い顧客満足&ユーザー満足を実現
営業担当者が顧客と向き合って商談をするシーンでは、電波が悪くてネットワークにつながらないといった言い訳は通用しません。Asian Paints社では、オフラインでもタブレットを使って商品検索などの機能も活用できる仕組みを、アプリによって実現しています。
ここでは、オフラインでクライアントアプリに必要なデータをモバイル端末のデータベースに保持しておくことで、ネットワークにつながらない場所でもアプリの機能が利用可能になります。その結果、ネットワークの環境に左右されることなく、タブレットアプリ本来の操作性とユーザーエクスペリエンスを保ち、高い顧客満足度およびユーザー自身の満足度を達成しています。
また、SAPのモバイルプラットフォームでは、こうしたオフライン時の作業結果もネットワークが復活した時点で、プラットフォーム側が自動的に同期してくれるので、ユーザーの手を煩わせることはありません。
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