沖縄県のDX、観光スマートアイランドへ


ASOBEACH!!! 3去る5月18日から6月2日まで、沖縄における5月・6月の観光需要閑散期の観光ムーブメント創出を目的とした新たな観光キャンペーン「Okinawa E-Motion(オキナワ イーモーション)」が開催されました。5月18日、19日のオープニングイベント「マジックビーチ」に始まり、きゃりーぱみゅぱみゅ主催の「KPP CAMP」、ハシゴフードイベント「バルウォーク那覇」と続き、そして6月1日、6月2日の野外音楽フェス「ASOBEACH!!!」&人気フードフェス「OKINAWA FOOD FLEA」では約15,000人が参加するなど、大盛況に終わりました。
この『Okinawa E-Motion』ではデジタルによるイベント賑わい創出及びイベント来場の可視化を目的に、JTB沖縄・OPTAGE・SAPジャパンが構築したSAP Leonardoをベースにしたプラットフォームが活用されました。

Okinawa E-Motion プロモーションムービー

沖縄県が抱える問題と目指すべき未来

18_01沖縄県の入域観光客数は6年連続で過去最高を更新し、2018年度999万9千人、前年から41万9100人増となっています。
LCCの乗り入れなどの国内航空路線の拡充、クルーズ船の寄港回数増加などが観光客数の増加に影響していますが、この観光客の急増の裏では那覇市内の交通渋滞、レンタカーの増加による受け取り時間、さらには宿泊施設の増強が急務となっています。

では、沖縄県はどのようなゴールを描いているのでしょうか?
2021年をゴールとする第5次沖縄県観光振興基本計画では沖縄21世紀ビジョンで掲げる「世界水準の観光リゾート地」の実現に向けて、沖縄観光が国内外に広く認知される基盤を構築することを目標としています。
この計画では観光収入を4,000億円向上し1.1兆円まで成長させるために、多様なニーズを持った旅行者の価値を最大化する工夫や空間への変革が求められています。
この変革を推進するためには従来の観光資源を活かしつつ、デジタルを使った観光客目線での魅力的なサービスの検討などスマートアイランドへのデジタル・トランスフォーメーションが求められています。

観光資源の最大化に向けた第一歩

Slide3JTB沖縄・OPTAGE・SAPジャパンの3社で構成したプロジェクトチームでは、まず観光資源の最大化の第一歩として「観光客の各種行動の収集と分析」に着目しました。混雑による待ちの発生は収益の向上を阻害するだけではなく満足度の低下にも繋がります。将来的なスマートリゾートの実現や観光DMOの様なブランディングを行う上でもこの観光導線の把握と満足度の向上は非常に重要なテーマに繋がります。

JTB沖縄が中心となり、2018年5月23日から那覇空港~沖縄美ら海水族館を往復する沖縄エアポートシャトルを運行。この沖縄エアポートシャトルは、全車両フリーWi-Fi完備、インターネットでの事前予約・乗りたい車両の現在地通過情報を調べる事が出来るスマートな沖縄の旅をサポートするシャトルバスです。
このエアポートシャトルの開通により、那覇でレンタカーを借りなくとも人気のエリアへ移動が可能となり、更には新しい移動手段を生かした分散化や地域活性化も見込まれます。

プロジェクトチームは2019年1月から3月末の期間を、有効性を確認する実証実験期間として定め、「沖縄周遊デジタルスタンプラリー」キャンペーンを開催しました。

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プロジェクトチームにGoogle Cloud合資会社、株式会社ザイナス 、スタートアップの株式会社アクアビットスパイラルズと株式会社ハタプロを加え、るるぶFREEなどのフリーペーパーや観光紙面、Okinawa Travelerなどのオンラインメディアにキャンペーンページを設け、O2O(Online to Offline)チャネルが統合されたキャンペーンサイトへ誘導。アプリケーションのインストールを行わなくても気軽にキャンペーンに参加し、お得なクーポンと賞品がもらえるスタンプラリーを開催しました。

店舗にはQRコードまたはNFCでクーポンが蓄積されるスマートプレートを設置し、実送客数のトラッキングを可能にしました。
実送客数が把握可能になると、記事の位置や大きさで決まっていた従来の広告収入のビジネスモデルは実送客数に基づく広告収入へと進化する可能性があります。
更に観光案内所で数多く見られる経路案内などの自動化を目指して、AIロボットの共生可能性テストを兼ねた抽選の自動化を行いました。

これら全てのデータはGoogle AnalyticsからSAP Cloud Platformに転送され「どの様な顧客属性」が「どの媒体を見て」「どの店舗に訪れたのか」を蓄積し、SAP Analytics Cloudを使った分析で周遊データを多角的に分析し、混雑していないエリアを中心に送客する、地域に不足している店舗を拡充するなどの施策を可能にします。

もう一つ先の未来に向けて

実証実験と『Okinawa E-Motion』の経験により、観光客の各種行動の収集と分析を通じた施策のリアルタイム化など、もう一つ先の未来の道しるべが見えてきました。
しかし、スマートアイランドを目指したデジタル・トランスフォーメーションにはエコシステムの拡大や多くの施策が必要になるでしょう。
美しい海や文化などの観光資源を活かしつつ、デジタルを活用した問題解決の融合で魅力溢れる沖縄への変革が始まっています。

■ 関連イベント
本プロジェクトについては2019年7月11日のSAP NOW NB-11セッションにて「Innovate with Purpose~沖縄県のDX、観光スマートアイランドへ」にてアップデートを行います。

「SAP NOW」Innovation with Purpose ~ 社会的意義のあるイノベーションを、Intelligent Enterprise で

沖縄県におけるデータ・ドリブン観光プラットフォームの実現に向け、 デジタル観光プロモーション・観光周遊データ分析の実証を開始