第2回:日本型人事制度の現状とグローバルタレントマネージメント推進のポイント
作成者:森 太郎 投稿日:2013年5月7日
みなさんこんにちは、サクセスファクターズジャパンの森です。最近グローバルチームとの電話会議とか、お客様と英語を用いたミーティングの機会が多くなってきました。(英会話スクールのCMみたいにもじもじして座っているだけですが、、、) 今回は、「グローバルタレントマネージメント」ついて最近感じていることを書いてみたいと思います。
■意外な一部上場人事部長の実状
最近、グローバルにも展開されている大手日本企業の人事部長と話す機会が多々ありますが、残念ながら、グローバルタレントマネージメントについてご存じなかったり、海外現地法人をどうマネージメントしたらいいのか、アイディアをもっておられない方が予想以上にいらっしゃいます。
実際にイメージがわかないので、コンサルティング会社に高いお金を払って設計してもらったり、他社の事例を一生懸命収集されている方も散見されます。
また、グローバルタレントマネージメントの方法論がわからないので、まずは人材の可視化をしたいということで、グローバル人事データベースの整備にのみ着眼されるケースも多々あります。(それってAccessやExcelで十分じゃないですか?って、言いたくなるのですがそこはビジネスなので控えて)
■日本型人事制度の現状と欧米企業とのGap
急速に進むグローバル化や市場ニーズの多様化など経済環境が激変する中、日本本社の人事部は何を考えどのように行動すべきでしょうか?まずお伝えしたいのは、そもそも日本の人事制度と、欧米の人材マネージメントには、文化の違いがあるという点です。
●日本企業の場合
- 肌で社風を感じる
- 上下関係・師弟関係がある
- 評価外のタスクも受けざる負えない
- 個人目標はあいまい。評価も不透明、フィードバックなし
- ラインマネージャーと人事部の役割が不明確、寸断
●欧米企業の場合
- ミッションの明文化・共有をする
- 職務内容に対する定義、職種ごとに求められるスキルコンピテンシーの明確化
- 会社と従業員の雇用契約が明確
- 目標と評価、責任が明確
- 評価・育成・報酬は現場マネージメントに責任がある
上記から見て取れるのが、年功序列文化の基盤の上に、中途半端な成果主義が組み込まれ、曖昧な評価制度の元に運用しているという、日本型人事制度の現状です。
グローバルタレントマネージメント推進上の課題として、国内子会社や海外現地法人との調整に、各社難航されています。具体的には、
- 目的や価値を訴求できないまま各国現地法人と調整している
- 現地法人側のメリットを明示できない
- 優秀な人財を引き抜かれるのではという懸念
- システム導入が先行しても目的は不明確。作業負荷の増加
現地法人とのギャップを最小化し、グローバルを巻き込み一体となって推進することが望ましいのです。
■グローバルタレントマネージメント推進のポイント
グローバルタレントマネージメントを実践する上で、業務設計上のポイントとして、
- 企業ビジョンの共有
- グローバル人事制度、人財定義、キャリアパスの定義、
- 選抜・育成・配置・評価に関するグローバル標準の設計
などが挙げられます。これらは、業務設計として社内でシステム導入や運用前に事前定義すべきポイントです。もしないのであれば、時間をかけたり、外部コンサルの支援をもらってでも作る必要があります。
またタレントマネージメントシステム導入のポイントとして重要なのは、
●導入時(目的・価値観の共有化)
- グローバル全体の全体最適に向けた相互尊重
- グローバル全体での目的の共有化
- ステークホルダーの抽出
●導入後の為の事前検討(運用の為の配慮)
- 各現地法人の運用負荷軽減(業務上、システム上)
- ID/パスワード、OA環境
- セキュリティ、各国法対応、個人情報公開の同意書
- サポート体制(現場、本社、ベンダー)
などが挙げられます。
グローバルタレントマネージメントを実践されようと検討されている皆さんには、単なる見える化に終わらないように、ぜひ目線をあげて取り組んでいただきたいと思います。
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