設備管理のデジタル化を支える拡張されたSAP Enterprise Asset Managementソリューション


こんにちはSAPジャパンの大池です。ここ数年、IoTやAIという言葉が身近になり、設備管理においてもこうした技術を利用したデジタル変革が重要視され各社、様々な取り組みを行おうとしています。
SAPでは従来のEAMの仕組みに加えて設備管理のデジタル化を支援する新たなソリューションをリリースしてきています。具体的には「SAP Predictive Maintenance and Service(PdMS)」 、「SAP Asset Strategy and Performance Management (ASPM)」、「SAP Asset Intelligence Network(AIN)」、といった3つのソリューションになります。それぞれの具体的な中身は下記の通りです。

SAP Predictive Maintenance and Service(PdMS)は最近流行りの設備の異常兆候を検知し予知保全を行うソリューションです。センサーデータから得られた設備の運転データと設備管理業務で発生する業務データを利用し各種機械学習エンジンから設備の劣化状況を予測することができます。設備管理者はその結果を基に設備メンテナンスを行うことで設備稼働率向上、計画外停止の削減に繋げることができます。世の中に様々な企業が予知保全の仕組みを出していますが、PdMSは基幹システムであるSAP Enterprise Asset Management(SAP EAM)と統合できるメリットがあります。

Predictive Maintenance and Service(PdMS) データを活用して設備の異常兆候を検知

Predictive Maintenance and Service(PdMS)
データを活用して設備の異常兆候を検知

 

SAP Asset Strategy and Performance Management (ASPM) は設備のリスク管理を行うソリューションになります。RCM(Reliability-Centered Maintenance信頼性重視保全) を実現を支援する仕組みといった方がわかりやすいかもしれません。設備が故障した際に操業にどれくらい影響があるか設備の重要度を定義、評価しリスク、コスト、パフォーマンスが最適となる保全方式を選定するソリューションになります。

SAP Asset Strategy and Performance Management(ASPM):設備のリスク、コスト、パフォーマンスのバランスを取りながら設備価値を最大化

Asset Strategy and Performance Management(ASPM):設備のリスク、コスト、パフォーマンスのバランスを取りながら設備価値を最大化

 

SAP Asset Intelligence Network(AIN)は設備を所有するオーナー企業と設備の製造メーカーやエンジニアリング会社、保守委託企業等の関係する複数の企業間をクラウド上のネットワークで繋ぎ、設備情報を共有して設備の信頼性を向上させていくことを目的としたソリューションになります。
AINを利用することで設備のオーナー企業は製造メーカーが持つ設備の仕様や規格、図面などの情報にアクセスすることができます。設備の製造メーカーは納入後の保全データにアクセスでき、トラブル対応を迅速に行うことができます。また同じ型式の設備を使用している顧客に水平展開を推奨することができます。加えてこれらの情報を次製品開発へ反映することで品質向上が期待できます。
海外では化学メジャーのBASF社がAINを利用してパートナー企業とネットワークを構築し設備の信頼性を向上させています。
https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/global/2017/08/p-17-294.html

設備運用者から見たAsset Intelligence Network

設備運用者から見たAsset Intelligence Network

 

これらの新たなソリューションとこれまでのEAMを連携させた新しいEAMソリューションを使用した設備管理のイメージは下記のようになります。例えば従来のEAM(SAP Plant Maintenance)に蓄積されたデータや運転データからPdMSにより設備の異常兆候が検知されEAMに通知されます。次にEAMに通知された設備に対してASPMのリスク評価に基づきいつ保全を行うかどうかを判断します。ここでポイントとなるのが例えPdMSで異常兆候が検知されようともリスク評価の結果、プラントの運転に影響を与えないリスクの低い設備はすぐに保全を行う必要はありません。またこれらのデータはAINを通して関係会社にリアルタイムに情報共有されます。そのため関係会社を含めた早期の段取りに入ることができます。

これらのソリューションを利用することで、設備管理業務のデジタル化が実現できこれまで以上にITの力が設備の信頼性の向上と設備管理費の削減や技術技能伝承など様々な問題解決に寄与することができます。

新しいSAP PDMSEAMソリューション

進化したSAP EAMソリューション