イベント「戦略的グローバル人財・組織の考察」から見られるグローバル人事戦略のトレンド

作成者:西脇 真投稿日:2013年5月13日

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グローバルで勝ち抜くための人材・組織

はじめまして、SAPジャパンの西脇です。わたしは日々多くの企業の人事部様と会話させていただく機会があるのですが、グローバルにビジネスを展開しその舞台で勝ち抜くために、人材や組織のマネージメントを戦略的に考え、試行錯誤しながらも実行されている企業様が増えてきていることを実感します。このブログではそんな企業様の様々なお取り組み等をご紹介していきます。

今回は、先日行われた「戦略的グローバル人財・組織の考察」のイベントの中から抜粋して紹介していきます。

キッコーマンのグローバル人材育成 ~グローバルに活躍できるリーダーをいかに育成していくのか~
キッコーマン 人事部長 兼 キッコーマン・ビジネス・サービス取締役人事部長 兼 キッコーマン食品 人事部長

キッコーマン様は、2011年には既に営業利益の69%が海外市場で、主力の「キッコーマンしょうゆ」は平均8.2%/年で海外販売量が増加されていました。そのグローバルで急速に展開するビジネスを成功させるためには、それぞれの業務のエキスパートだけではなく、グローバルの舞台でビジネスを牽引していく、さまざまな観点からモノを考えられるプロフェッショナルの人材が必要でした。そのため、キッコーマン様は、人材創出プランを進め、人を育て上げることに注力されてきました。

例えば、日本留学生および海外大学で採用した外国人を日本で経験をさせて国内外へ配置する、公募によるジョブチャレンジや海外へのインターン経験をさせる、グローバルに設けたポジションで実務を行わせるなど、いわゆる研修による教育だけではなく、経験による学習機会を提供するプログラムを実施されており、将来の国内外事業会社の経営幹部候補を育成されているようです。

SAPでも1:2:7の法則で(1:教育・トレーニング、2:上司などからの教育、7:経験・配置)という形で人の育成を行っていますが、経験させることによる育成が、最も早く人を育てる方法の1つなのですよね。

グローバルで競争優位に立つための組織・人材マネージメント
Hay Group Japan プリンシパル 滝波 純一 氏

日本企業が直面する課題とは、①グローバル化への対応、②国内の構造改革の必要性、③イノベーションを起こしやすい環境作り、この3つであるとのことでした。

①グローバル化への対応および②国内の構造改革を解決していくためには、グローバルグレーディングなど、仕事と人のそれぞれに世界共通のモノサシを導入し、業務プロセス・役割権限を明確化していくことが必要。また、③イノベーションが起こしやすい環境を作るには、人材の多様性、上下間の風通し、ネットワーク密度、失敗に寛容な文化などの、体制・組織・風土作りが必要であるとのことでした。

聴講されている出席者の中の約半数の方が、イノベーションに関して課題を持たれていると挙手されていたのが印象的でした。どの企業でも、変化の激しいビジネス環境の中で生き残るために、変化への対応力だけでなく、変化を作り出せる人材を望まれているということなのでしょう。

事業の多様化・グローバル化に対応した連結・グローバル人事施策
三菱商事 執行役員 コーポレート担当役員補佐 占部 利充 氏

1950年代から日本人社員のグローバル化を推進されていて、今では、連結6万人のうち、2万人超が海外拠点に在籍する、昔からグローバルビジネスを実行されている三菱商事様。海外ビジネスの割合は増加しつづけ、今のグローバルビジネスは取引から投資事業へのシフトが進んでいるようですが、その中で人事の戦略軸は、①多様な人材活用と、②ネットワーク作りの2つだそうです。

2006年から人材強化策を展開されていて、例えば、入社8年までに海外を経験させる制度を整える、中堅層以上の短期MBA派遣を拡大させるなど、事業の多様化・グローバル化に伴い、連結・グローバルのネットワークを強化すると共に、本社人事部員が営業部門や海外で知見を蓄積できる運営体制にシフトしているようです。

今では人材育成のための拠点をシンガポールにおいて実施されているようですが、人材強化策はビジネスを伸ばすためには、試行錯誤の繰り返しだったそうです。

昨今、多くの日本企業様でもビジネスのグローバル化に伴って、新たな取り組みを行われていらっしゃいますが、どの企業においても計画を立て、実行し、見直して、改善をする。このように試行錯誤をしながら行われています。いま人事部に求められているのは、その会社のビジネスを直視し、将来を見越して人を育てていくプランを立て実行し続けていかなくてはならない。まさに企業の中核的な存在なのでしょう。

JT海外事業のM&Aと経営
日本たばこ産業 代表取締役副社長 新貝 康司 氏

現在、海外たばこ事業がJTグループのたばこ販売数量の8割を占めおり、まさにグローバルでビジネスを行う日本たばこ産業様。ギャラハー買収で獲得した多様性を最大限活用するため、日本人に依存することなく人材配置や後継者管理を行い、グローバルに適用するポリシーと各国マーケットで競争力のある処遇を定めるなど、人材マネージメントに取り組まれています。海外事業のM&Aとその後の経営に求められる3つの人事テーマを掲げられているそうです。

  1. 日本人に拘らず、買収により獲得した多様で有能な人財を配置し、国内市場依存から脱却。
  2. 階層ごとの役割を明確し、上位役職者は自身の後任者計画に高いコミットメント。
  3. 人事部はファシリテーターであり、コンサルタントであり、育成に必要なツールの提供者という。を掲げられているそうです。

ドイツ発のグローバル企業が実践する「組織・人財施策」とITの活用
SAPジャパン ソリューション統括本部 エンタープライズマネジメント本部 本部長 松村 浩史 

本社がドイツにあるSAPにとって、SAPジャパンは海外拠点の1つ。

過去の「各国自由」 の姿勢から、日本国内のビジネスの成長と安定を経て、各国での多様性が理解され本社ドイツとの関わり方も変化してきました。例えば、SAPジャパンの社長は現地人である日本人の時もありましたし、グローバルで選抜されたボード候補者が社長のときもありました。そしてSAPのボードは今、多国籍の人で構成されています。

SAPでは、ドイツ本社や各国の人事部門は、人財戦略や人事戦略に注力しており、定型業務は各エリア(欧・米・アジア)ごとのシェアードサービスで集約し、抜本的に効率化を行っています。日本の従業員が人事関連の問い合わせをするときはすべてシンガポールを通じで行われています。

また、人材育成に関してはグローバルで方針を考え、各国の人事部はその方針に沿って制度の導入、育成の実行などのプロフェッショナルとしてのロールを受け持っています。

グローバルで共通した施策を実施していることで、グローバルグレーディングやグローバルスキル管理がなされ、グローバルでの適材配置やアサインを行うことができています。今後の課題としては、日本人からのグローバル人材の輩出が大きなトピックです。

SAPのセッションではSAP社内で実際に使っているシステムをリアルなデータも含めて紹介しました。最も多くのグローバル企業の人事システムを支援するSAPも、グローバル人事の取り組みを成功させている企業の1社です。大量の人材情報はシステムを使って可視化・効率化することによって人事施策のサイクルをまわしています。ご興味ある方はお問い合わせください。いつでも紹介させていただきます。(笑)

以上のように、日本企業各社で取り組まれている人事施策を中心にご紹介させていただきました。

昨今グローバル人事やタレントマネージメントといわれる言葉が当たり前のように使われていますが、数年前はここまで当たり前の事象になるとは想像されていなかった方が多かったのではないでしょうか。ITでいえばモバイルやクラウドが瞬く間に広まったのと同じく、グローバル人事やタレントマネージメントも瞬く間に広がり、多くの企業で施策の内容や、経営層・ビジネスから求められるスピード感に試行錯誤しながら前に進んでいるという状態です。

また、そのスピード感は、その取り組みを支えるシステムの導入という観点でも同様です。

SAPでは既に、日本企業の取り組みに対し、数多くの支援を実施しておりますが、例えばジヤトコ様では、わずか2.5ヶ月の間に後任者計画、配置、後任者候補の育成など人材活用を支援するしくみを提供し、ジヤトコ様の人事ビジョン「世界で通用する人財を継続的に輩出し、最適な人財配置により組織のパフォーマンスを最大化する。」のビジョンを実現するしくみを早期に提供しました。SAPではこのように継続して日本企業の取り組みを支援し続けて行きます。

今後このブログを通じ、事例やノウハウをご提供してまいります。

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