SDGs(持続可能な開発目標)に向けた取り組みー SAP Aribaで企業におけるサプライチェーンの社会的責任をサポート


 

Close-Up Of Plant

“奴隷制”というと“時代錯誤な過去の遺物”と感じるかもしれません。ですが、現代にも奴隷制は存在しています。Global Slavery Index(世界奴隷指標)によると2018年現在、全世界で4千万人、日本にも37,000人が現代版奴隷として暮らしているといいます。

現代版奴隷には強制労働、強制性搾取、強制結婚といった形態があります。なかでも強制労働は全世界4千万人の現代版奴隷のうち、半数以上が該当しています。強制労働は複雑化したサプライチェーンに組み込まれ、全貌が可視化されにくくブラックボックス化しているのが特徴といえます。

“どうやってつくられたのか”という背景を知らないまま購入している製品は、じつは強制労働によるものかもしれません。図1は日本に輸入されている製品のなかで、強制労働が関与しているリスクが高い製品カテゴリを示しています。日本は毎年2兆6千億円分のPC・携帯電話類を輸入していますが、その86%、2兆2千億分は中国・マレシーアでの強制労働が関わって生産されている可能性が高い、といいます。服飾類では毎年日本に輸入される2兆3億円分がアルゼンチン、ブラジル、中国、インド、マレーシア、タイ、ベトナムでの強制労働から生産された懸念が高いといわれています。

消費者がこれらの製品が“強制労働によって生産されている”と知ったらどうなるでしょう?喜んで買う人はおそらく一人もいないでしょう。強制労働の実態が暴露され、それが不買運動につながるケースは、数多く報道されています。

そのため、強制労働を提供するサプライヤーはその事実を巧妙に隠匿します。それを知らずにバイヤーが購入し、サプライヤーとして次のバイヤーへ売り、次のバイヤーはサプライヤーとして次のバイヤーへ、とサプライチェーンが複層化し強制労働の存在が覆い隠されていくのです。

このため企業がいくら強制労働を排除したくてもサプライチェーンの末端に隠れている存在を見つけるのは至難の業です。ハイテク・製造業・小売・消費財・金融グローバル企業の54%が“サプライチェーンに倫理的な不安を感じている”と回答しています。

サプライチェーンのリスク管理は自社外をコントロールすることを意味します。サプライチェーンは世界中から、時には何百ものチェーンで構成されるため、この範囲を手作業で網羅するのは物理的に不可能です。また災害、不正等サプライヤー状況も常に変化しているため常時モニタリングが必要です。

SAP Aribaが提供するSupplier Riskソリューションは日本語・英語を含む6言語の世界中の政府・災害情報・ニュースサイト・公的/私的データソースを元にAI分析し、サプライヤーに関するリスク情報を常時モニタリングし、適宜バイヤーに通知しています。リスクには強制労働といった環境社会だけでなく、法規制、金融、経営リスクについても網羅しています。サプライヤーのリスク情報は図2のように表示されます。

図2 SAP Ariba Supplier Riskソリューション画面

図2 SAP Ariba Supplier Risk画面(例)

 

サプライチェーンに強制労働が組み込まれないための法律も整備されるようになりました。企業に防止策を定めた法律である英国現代奴隷法(The Modern Slavery Act 2015)は2018年G20で承認され、同年オーストラリアでも施行されました。日本政府の動きとしては2020年2月「ビジネスと人権」に関する行動計画の原案を取りまとめています。

SAPが創設当初からメンバーである国連グローバルコンパクト(UNGC)は2002年2月25日“Decent Work Toolkit for Sustainable Procurement(働きがいのある人間らしい労働のための持続可能な調達購買ツールキット)”を開発したと発表しました。このキットを用いることでサプライチェーン上の労働者の機会均等、適正賃金や労働環境を是正していくことができます。キットの稼働はスウェーデン政府や英国国際開発とともにSAP Aribaが支えています。

SAP Ariba Supplier Riskソリューションは強制労働といったリスクを直接的には排除するものではありません。ですがサプライチェーンリスクにおいてグローバルに状況をリアルタイムで可視化することで企業の全体把握とプロセス是正をサポートします。

 

SAP Aribaソリューションについて、詳細のご説明や資料をご希望の方は、こちらより登録ください。別途担当者よりご連絡させていただきます。

<了>

 

参照文献

Global Slavery Index: https://www.globalslaveryindex.org/2018/findings/country-studies/japan/

GOV. UK: https://www.gov.uk/government/collections/modern-slavery

外務省:https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_001608.html

United Nations Global Compact: https://www.unglobalcompact.org/news/4526-02-25-2020