SAP Fieldglassを活用した戦略的Total Workforce Management(Phillipsヘルスケアの事例)

作成者:SAP インテリジェントスペンド事業本部 マーケティング投稿日:2020年5月11日

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近年、企業の「寿命」はますます短縮化しています。大企業といわれるS&P500の平均寿命は1964年には33年、2016年には24年で、2027年には12年と予測されています。*1

1891年創業で、今年129年を迎えるヘルスケア大手Phillipsは過酷な市場を生き抜いている希少種といえます。

ここではPhillipsが市場環境変化に対応するため、どのように戦略的に人員配置しているか、外部人財管理を中心に「長寿の秘訣」をご紹介します。

 

<ヘルスケア動向市場>

医療の歴史は苦痛の軽減の歴史といえます。たとえば冠動脈疾患の治療方法は1960年代には外科的手術しかありませんでした。これはノコギリで胸骨を割り、心臓を剥き出しにして施術するので、手術成功後も長期間痛みと苦痛が残ります。そこで1990年代頃から腕か腿に穴を開け、カテーテルを通して治療する内科的手術が登場しました。外科に比べると侵襲度が低いので日帰り手術も可能になったのです。

そしていま、苦痛の軽減はさらに進化しようとしています。苦痛が発現した後ではなく事前に対処する予防医学が脚光を浴びています。たとえばウェラブルIoTで重篤な症状が出ないように遠隔モニタリングするテクノロジーが開発されました。KPMG報告書(2018)によると遠隔モニタリング患者は2016年で44%増、2021年までに世界で5千万人に急増すると予測されています。

このような流れの中で、医療機器メーカーは従来の“作って売る”モデルからの脱却を余儀なくされています。これまでは機器自体の性能が優れていれば良い検査・治療が完結しました。ですが、機器単体での使用が減り、他システムとの連動や患者に装着したりする使い方が増えると、ITツールやソフトウェアを用いるヘルスケア テクノロジーが新たに必要となっているのです。

Phillipsチーフイノベーション戦略オフィサーのジェロン タスは次のように述べています。 “2030年の医療は、世界的に高齢化が広がり、慢性疾患急増、医療資源圧迫、患者の価値観に基づいたケアへのニーズの高まり、といった課題に直面します。この課題解決にはヘルスケア テクノロジーが必須となるでしょう。これからは高品質なデータを収集・統合し、転帰改善、医療コスト削減とケア改善を同時に実現する、実用的なデータ提供が重要になるのです。”* 2

Phillipsはヘルスケア テクノロジー推進に向けて動き出しました。Phillips Total Workforce Management責任者のマーチン トーマスはこう述べています。“ヘルスケアテクノロジーの領域で勝者になるには、需要が高く不足しがちな高度専門スキルをいかにフレキシブルにコスト効率よく獲得するか、が鍵となります。またこのようなスキルを持つ人財は有期契約を好むため社内よりも社外に存在します。わが社にとって派遣や業務委託といった外部人財は戦略的に必須といえます。”

 

<戦略的Total Workforce Management>

そこでPhillipsは「Total Workforce Management」に着手することにしました。外部高度専門スキル人財、社内タレント人財を戦略的に適材適所化し、“お得に最大効果を発揮する”配置を組んだのです。Total Workforce Management実施には、まず社内と社外にどんなタレントが揃っているか、タレント一覧が必要です。外部人財については、人材派遣会社Randstadからタレント情報を受けました。その情報を管理するのがSAP Fieldglassです。SAP Fieldglassは社外人財を効率的に調達管理するソリューションです。採用関連情報を蓄積できるので、誰がいつどこで、いくらで就業しているか等を可視化できます。このようにPhillipsは社内外タレント一覧により、どちらのスキルを採用した方がお得で最大効果を発揮できるか比較分析の上、戦略的に人員配置できるようになりました。

2020年現在Phillipsはさまざまな最先端ヘルスケアテクノロジー領域でR&Dを多数実施しています。そのひとつがEurValveプロジェクトです。様々なデータを駆使して心臓弁置換術後の患者予後を予測する欧州プロジェクトで、Phillipsは在宅時の患者データを収集するhealth tracking watchを開発しており、まもなく臨床の場で使用される予定です。*3このような複雑で専門的な大規模プロジェクトでは、社内タレントと高度専門スキルを持つ外部人財の協業が必要不可欠といえます。また国境を越えたプロジェクトであってもSAP Fieldglassは21言語180ヵ国で利用されており、グローバルに対応できます。

高度スキルを社内外どちらから採用するか、の判断はコスト比較だけではありません。品質やリスク管理も重要です。SAP Fieldglassは外部人財の実績評価や資格認定情報を蓄積しているので、スキルニーズとのマッチング確度を高めます。また、外部人財がどの情報にアクセスできるかを可視化するため、コンプライアンス強化とリスク管理を可能にします。

また、クラウド型プラットフォームのため、SAP Fieldglassは柔軟にシステム連携が可能です。実際、Phillipsは複雑化する専門スキルニーズに対応して、高度専門スキルを持つフリーランス管理会社Twagoのシステムを後付けで統合させました。SAP Fieldglassは数量制限なく人財管理会社システムとフレキシブルに連携できます。

<まとめ>

ビジネス環境は目まぐるしい速度で変化するなか、スピードに対応するため仕事はますます“プロジェクト化”されていくといわれています。Phillipsの戦略的Total Workforce Managementはプロジェクト化された仕事に対応するために生まれました。そのTotal Workforce Management をSAP Fieldglassは外部人財管理の側面から支えています。

Sources

*1 INNO SIGHT. www.innosight.com/insight/creative-destruction/.

*2   KPMG Advisory (China). “Medical devices 2030-Making a power play to avoid  the commodity trap-“2018.

*3  Economist. (2020, Feb 29). The heart’s digital twin. page63-64.

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