パートナーの皆様へ―オンラインでのSAPプロジェクトの進め方 SAP事例

作成者:SAP編集部 投稿日:2020年5月13日

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SAPパートナーの皆様、日ごろより大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
先日、パートナーの皆様のビジネスを継続的にご支援するため、「テレワーク時代におけるセルフラーニングのご支援」についてご案内いたしましたが、今回はCOVID-19 状況下でのオンラインでのSAPプロジェクトの進め方についてのTipsをご紹介します。SAPでもまだまだ試行錯誤中ではありますが、COVID-19 下でやり方を変えたこと、新たに取り入れたオンラインツールなど、下記3点をご紹介します。

  • Tips 1 : SAPプロジェクト構想策定フェーズにおけるWorkshopの実践方法(ZoomやMuralツールを活用)
  • Tips 2 : SAPプロジェクト – 導入フェーズにおけるオフサイトサービスデリバリーフレームワーク
  • Tips 3 : SAPプロジェクト – 特にイノベーションプロジェクトにおける実践方法

以上が少しでも皆さまのご参考になれば幸いです。

メッセージ : パートナーの皆様へ

常務執行役員
チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー 兼 デジタルエコシステム事業担当
大我 猛

Tips 1 : SAPプロジェクト構想策定フェーズにおけるWorkshopの実践方法(ZoomやMuralツールを活用)

現在、COVID-19 状況下に於いてパートナーの多くの方が「コミュニケーション」の課題に直面されています。リモートワークの環境が整備されていても、社内それからお客様や取引先とのコミュニケーションが困難になったように感じられているケースが多く、社員のメンタルケアの不行届き、ディスカッションの延期、アイデア出しワークショップやハンズオンを含むソリューション勉強会の敬遠、等々のお悩みを耳にすることが増えました。
SAPジャパンでは2020年3月以降、オンラインでのインタラクティブなワークショップ、デザインシンキングワークショップを様々な場面で実践しています。これらのワークショップはZoomやTeamsによる映像と音声でのビデオコミュニケーションと、MURALオンラインホワイトボードツールを組み合わせて活用することで実現しています。これにより以下のような効果を得られています。

  • オンラインワークショップの場を持つことで、非日常的なコミュニケーションの場を作る
  • 「デジタルコラボレーションツールを上手く活用する」という事を体感する
  • オンラインでポストイットを貼る行為により、インタラクティブなアイデア共有ができることを体感し、オンラインワークショップを現実味のあるものにする

例えば、大人数が集まる勉強会等では座学のパートは全体に向けたプレゼンを実施し、ハンズオンのパートは少人数でオンライン上での部屋を分ける(Breakout Room)ことによりクローズドな空間で密にコミュニケーションを取りサポートを実現することが可能です。
日頃の物理的なプレゼンテーション技術と共にオンラインならではの準備とテクニックが必要となりますが、大切なことはCOVID-19禍でも前向きな環境を作り、コミュニケーションをサポートし、市場に存在するツールや整備されているオンライン環境の活用方法を体感する場を作ることでワークショップを実現すると共に、「コミュニケーションの困難」を充実したものに変化させる一助となる事だと考えています。

ご参考)
下記はSAPジャパンのデジタルエコシステム統括本部でCOVID-19禍でのパートナー様への支援のあり方について、デザインシンキングを実施したものです。オンライン上で3チームずつのBreakout Roomに分かれ、それぞれでMURALツールを用いてデザインシンキングをおこない、アウトプットを導き出しています。

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Tips 2 : SAPプロジェクト – 導入フェーズにおけるオフサイトサービスデリバリーフレームワーク

SAPジャパンでは、これまでもグローバル体制でのサービスのご提供や、グローバルの多拠点に向けた案件を遂行しており、今回のようなCOVID-19 情勢になる以前からリモートを活用したデリバリーを実践しています。その際、リモート中心のプロジェクトであったとしても、オンサイト中心でのデリバリー時と比較してタスクに大きな違いは発生していませんが、一方で、進捗状況のモニタリングやレビューの頻度を上げる、などのプロジェクト状況の透明性を高めるための活動については特に注視して行っております。
また、スムーズなプロジェクト遂行のためにオンサイトでのお客様とのコミュニケーションが不可欠な場合には、プロジェクトの特性に応じてリモートとオンサイトを組み合わせたプロジェクト遂行を行っております。

SAP SEでは、オンサイトまたは対面でのサービスデリバリーを大幅に削減しなければならないCOVID-19 の状況下で、SAPプロジェクトをリモートで実行する場合についての指針を提供しています。SAPは年間6,000件ものオフサイトデリバリープロジェクトを25年続けてきた実績があり、下記の資料ではオフサイトデリバリモデルの利点や成功させる要因、そしてオフサイトデリバリープロジェクトでSAPが実際に活用しているツール等についてご紹介しています。

Off-site Service Delivery Framework

Off-site Service Delivery Framework

※画像をクリックすると、資料をダウンロードいただけます。

Tips 3 : SAPプロジェクト – 特にイノベーションプロジェクトにおける実践方法

SAPのIBSO(Innovative Business Solution Organization)チームではSAP標準機能をベースソフトウェアとして、既存プログラム資産を最大限利用するカスタム開発をGlobalチームと連携しておこなっています。リモートでプロジェクトを進めることの「難しさ」「課題」等はあるものの、プロジェクト作業は概ね大きな課題はなく、進捗しています。なぜ上手く出来ているのか、それはIBSOチームでは数年前からAgile/SCRUM開発方法論へ作業方法を移行した事にあります。
下記のようなSCRUM開発方法論がNew Normal時代には有効な導入手法かもしれません。

「なぜ、リモートワークへの移行が大きな課題にならず、日々の作業が遜色なく実行できているのか?」
IBSOチームではAgile/SCRUM開発方法論がロケーションを問わず開発チームに浸透しています。
その中でも最も重要なのは「Agile Manifesto」と呼ばれる下記の「基本理念」になります。
同じプロジェクトに参画するメンバーは、下記理解をもち、実践する事が必要です。「リモートワーク」環境では、下記の全てを実践することになりますが、その中でも最も重要なのはb. c. eになります。作業者が皆リモートで作業を行う場合、個々人の作業は様々に異なりますが、そのような状況でも「共通の軸」が必要です。そして、「Self-organizing teams」とは言え、細分化したチームに単に任せるのではなく、Project Manager, Product Owner, SCRUM Master, QMと言った各Key Roleのメンバーが、それぞれのチームが下記を実践できるよう、ガイド・モニター・支援することが必要となります。

Self-Organizing Teams

a. Trust 密でOPENなコミュニケーションが出来る環境・カルチャー(特に、Bad News程早く共有する)
b. Time-boxing チーム全員が共通のスケジュール(作業期間)を持ち、その範囲でなすべき事を各自が設定する
c. Fixed Sprint length 共通のスケジュールとは、2-4週間を1つの開発スプリント期間として全員に適用する
d. Optimal Development Team Size 10人で1チーム 密でOPENなコミュニケーション、作業連携/メンバー間での支援を促す
e. Definition of “Done” 各自の作業の、一つの開発スプリント期間内での完了基準を明確にする
f. Scrum Value 共に活動するSCRUMチームとしての一体感に価値を置き、互いに助け合い、牽制しあう
開発スプリントの実践方法

開発スプリントの実践方法

上記の図に示されているタスクは「リモートワーク」の有無に関わらず実践すべきことになりますが、開発スプリントを実践する場合、”Self-Organizing Teams”表の「Time-boxing」がより重要になります。各開発スプリントの開始時点では、チームメンバー全員で向こう2-4週間の作業計画の詳細を共有します。個々人で作業内容は異なるものの、同じタイムラインで作業を進めます。この段階では、個々人は自身の作業に「没頭」している状況になり、リモートであるか否かに違いはありません。この開発スプリント(SCRUM開発アプローチ)では、「Daily SCRUM Meeting」と呼ばれる日次ミーティング(約15分)を全員で実施し、この場で進捗や課題などを共有します。重要なことは、「毎日実施する」ことになります。Time-boxingでおこなわれていること、そのboxの中で日々会話することが、「リモートワーク」に移行した環境下でも、通常と遜色なく作業を進められている一番の理由となります。そして各開発スプリント(2-4週間)の最後に、全員で作業の完了状況の共有・確認を行い、次の開発スプリントに備えています。

各プログラムの詳細をパートナー様向けCOVID-19情報ポータルサイトよりご確認いただき、ぜひご活用ください。
ご不明な点がございましたら、担当のパートナービジネスマネージャー、パートナーエクスペリエンスマネージャー、またはSAP パートナー様向けヘルプラインへお問い合わせください。

※SAPジャパンのCOVID-19の対応全般については、こちらからご参照ください。

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