不確実な時代にこそ企業がなすべきこと


 

その金融機関とは1869年に創業、ニューヨークを本拠地として世界の主要都市にて幅広い金融サービスを提供している米金融大手ゴールドマン・サックス。そしてCEOのデービッド・ソロモン氏が掲げてきたイニシアチブが“One Goldman Sachs*”です。またソロモン氏は、CEO就任後の投資家向け説明会にて、新しいゴールドマンは、透明性、長期的な成長、そしてクライアントを最優先にすることに力を注いでいるとも語っています。この“One Goldman Sachs”をさらに全社へ浸透、維持するため、従業員のエクスペリエンスをベースに既存・新規事業のボトム収益向上を図るという一風変った取り組みにチャレンジしています。

*One Goldman Sachs:クライアントとの関わり方を簡素化し、すべての機能をより包括的な方法で提供するための全社的な取り組み

Businesswoman Using Headset Microphone --- Image by © Ken Seet/Corbis

Businesswoman Using Headset Microphone — Image by © Ken Seet/Corbis

ゴールドマン・サックスが従業員との関係性を再設計しようと決意した際、世界各国で日々変動するマーケットや高まる顧客から期待値に対し、チームで向き合い続ける従業員に、今まで以上に深く寄り添い、常に変化する職場環境、様々な感情をダイナミックに分析・予測し、統合的かつ透過的にカバーし、それを事業に反映するシステムとはどのようなものなのか。人事部門としてはこの戦略に見合うデータ主導型ソリューションなどを探す必要があったようです。そこでゴールドマン・サックスのタレント・アセスメント・グローバルヘッドの目に留まったのが、従業員の気持ちを理解するために革新的で事実に基づくデータアプローチを支えられるソリューションがSAP®Qualtrics®Employee Engagementでした。

過去にも単体の従業員サーベイツール自体はいくつか試されていたようですが、世界各国の一線で活躍する全ての従業員の声を適切なタイミングで配信・収集し、些細な変化も的確に捉えリアルタイム分析からActionable Insights(行動につながる示唆・見識)までワンストップで提供されているエンタプライズ・レベルのグローバル・プラットフォームはQualtricsソリューションしかありませんでした。今では、社内のITチームに頼ることなく、人事部主導で従業員に最高のエクスペリエンスを提供し続け、最高の結果が得られるよう人事部や各部門のマネージャーを育成することにも成功しました。

以下はForbes社によるゴールドマン・サックスへのインタビュー記事の要約・抜粋です。


■事業収益向上のために従業員のエクスペリエンスを向上させることは驚くべき戦略です。ゴールドマンサックスがこのような戦略にチャレンジしたのはなぜですか?

・これまで以上に、エクスペリエンスエコノミーが機能し浸透しだしています。従業員のエクスペリエンスとは、優秀な人材を惹きつける仕組みからリテンション、人材能力開発などすべてを意味します。私たちはまた、ますますつながりのある世界で事業を推進しています。従業員は、自分のエクスペリエンスを社内の仲間や社外の人とも共有して比較したいとも考えています。

・従業員に最高のエクスペリエンスを提供することは、企業の成功にとって重要です。 職場で働く従業員に充実した質の高いエクスペリエンスを提供することは企業の責任です。

■なぜゴールドマン・サックスは今、従業員エクスペリエンス管理に投資することを選択しているのですか?何が変わったのですか?

・パワーバランスは雇用主から従業員にシフトしています。従業員は、職場でのエクスペリエンスと、実際の担当業務で得られる充実感に対し、より高い期待を抱いています。従業員にそれらを与え続けられないと、彼らは別の職場へ離れていってしまいます。

■簡単な調査ツールを使用することもできました。SAPのエクスペリエンス管理ソリューションを使用することにしたのはなぜですか?Qualtricsソリューションを使用することにしたのはなぜですか?

・私たちの規模の企業では、テクノロジーなくして従業員のエクスペリエンスをスケールしながら理解する方法はありません。従業員に対し魅力的で簡単な方法でフィードバックを得る仕組みが必要でした。同様に重要なのは、さまざまなグループで利活用でき、そのデータが透過的にレポート可能な方法で集計する必要があったことです。

・また、私たちはデータ主導の企業であり、Qualtricsソリューションは変化を推進するために多くのデータを提供してくれました。

・他のソリューションも検討していましたが、Qualtricsソリューションが私たちのためにデモを行ったとき、それは私たちのニーズを満たすだけでなく、これまで考えたこともない便利な機能を備えており、本当に感動しました。

■エクスペリエンス管理ソフトウェアは、ビジネスにどのような方法で影響を与えましたか?

・福利厚生に関する重要な意思決定を行う方法が改善されました。今年の従業員サーベイでは、従業員に対し将来のヘルスケア、福利厚生への取り組みに関する可能性についてフィードバックを求めました。これらのサービスは、全社員とその家族にも影響を与えます。しかし、新たな意思決定を推進するための重要なデータ要素が欠けていました。従業員から選択された企業(雇用主)として考えたとき、従業員にとってゴールドマンで働く上で最も重要なことを理解するのに役立つサーベイを設計しました。

・以前は、他の企業のベンチマークデータと費用便益分析を組み合わせて、戦略の決定を下していました。今、私たちは従業員の声、彼らの質的および量的フィードバックを加味できるようになりました。

・これはビジネス、従業員、およびその家族に実際に影響を与えるためにQualtricsソリューションを使用した今年の取り組み例のひとつです。

■従業員エクスペリエンスの提供をどのように拡大したかについて詳しく教えてください。

・Qualtricsソリューションをオンボードすると同時に、人事担当者が企業全体で簡単に使用できるように、Center of Excellence for Survey Designチームを立ち上げました。適切な管理なしでツールを使用することを望まなかったため、ツールを使用したい人のためにアドバイザリーサービスを提供しています。サーベイ作成方法に関する解説シートを提供/サーベイの品質は非常に重要/ベストプラクティス事例などの質の高いサービスは、人事部が1〜2時間で即フィードバックを得る方法などを設計することに役立ちます。

・大きなイニシアチブの場合、私たちはプロジェクトチームと協力してサーベイを共同設計し、結果を分析する方法を理解し、他にどのようなデータを組み合わせるか、その情報をマーケティング及びどうコミュニケーションするかなどを支援します。

■今後のビジョンは何ですか?

・私たちのビジョンは、非常に軽いタッチで簡単な方法で、従業員の気持ちや職場でのエクスペリエンスをよりよく把握し、分析を通じて従業員のエクスペリエンス低下とその原因をさらに深く理解することです、その結果、より迅速に問題に介入できます。

・継続的かつリアルタイムな方法で変化を捉え、従業員のエクスペリエンスを改善するために役立つインサイトを収集したいと考えています。同様に、各マネージャーが自分のチーム内で何が起こっているのかを理解し、データの民主化を促進し、彼らがより優れたリーダーになることができるようにしたいと考えています。

・以前は、マネージャーはチームメンバーからの回答を得るためにあまりにも長く待たなければなりませんでした。今では非常に迅速にデータを収集し、ダッシュボードをオンにして、彼らがかつてない方法でデータを探索できるようにしています。 これは革命的です。


このように、ゴールドマン・サックスでは、ニューヨーク、ロンドン、フランクフルト、東京、香港など世界の主要都市に現地法人、支店、駐在員事務所で働く約38,000名(2019年)の従業員エクスペリエンス管理に取り組んでおり。今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの中でも、従業員の在宅ワーク状況を適宜モニタリングし、ITツール支援から自宅でのラーニング環境作りなど、様々な環境変化にも素早く対応し、さらに昨年のアップルとのカード提携に続き、直近ではアマゾンとの提携発表と新たな事業収益拡大に向け彼らのチャレンジは従業員エクスペリエンスと共に、持続可能な成長機会と金融機会を前進させているようです。

 

※本稿は公開情報をもとに筆者が構成したものであり、ゴールドマン・サックス社のレビューを受けたものではありません。

出典:

https://news.sap.com/2019/10/goldman-sachs-employee-experience-business-results/