アマゾンのクラウドサービス(AWS)が選ばれる理由とは?


こんにちは、SAPジャパンの吉越です。4月25日に開催された「クラウド徹底活用セミナー・SAPクラウド対応全面解禁! 対応力スピードアップとTCO“劇的”削減共存の秘密」のセッションレポートの第2回。今回はアマゾン データ サービスジャパン株式会社によるサービス紹介「アマゾン ウェブ サービス(AWS)で実現する最新・最適・最速SAP実装術」です。このセッションは、同社のシニアマーケティングマネージャーを務める小島英揮氏によるAWSの概略紹介と、エコスシステム ソリューションアーキテクトの松本大樹氏による技術デモ解説で構成され、AWSが実質的にすべてのSAPソリューションの本番稼働環境として認定された、唯一のクラウドインフラであることを強く印象付ける内容となりました。

第1回:『Cloud first, Cloud fast』―。モバイル、SAP HANA、クラウドによるSAPの新たなイノベーション戦略
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第3回:SAP ERPのクラウド運用でTCOを65%削減。健康関連の大手通販サイト(後編)

急速にクラウドファーストに移行する世界のITトレンド

274115_l_srgb_s_glセッションの冒頭で小島氏は、これだけクラウドが注目を集めているにもかかわらず、いまだに企業のIT 担当者の間では「クラウドはまだ身近なものではない」と考えている現状を指摘。一方、同社の実績として、すでに多くの企業がAWSを採用している事実にも触れ、「この落差は、私たちのクラウドサービス=AWSが社内向けシステムとして利用されている例が非常に多い一方で、アマゾンというとパブリッククラウド=ファイアウォールの外側というイメージのまま、きちんとクラウドの評価をしていない方もまだまだ多いことを意味しています。しかしながら、実際にはActive Directory 等社内ネットワークと統合しての利用が急速に広まってきています。」

実際、この1年ぐらいの傾向として、いわゆるミッションクリティカルといわれる領域でも、クラウド活用に向けた積極的な動きが見られるようになっています。例えば2012年夏に、金融情報システムセンターの安全対策基準に対するリファレンスガイドが、SCSK、NRI、ISIDの3社共同で発表されています。この背景には、多くの金融機関からクラウドサービスの利用を前提にした調査や問い合わせが寄せられている事実があります。

「2013年1月には『日経コンピュータ』誌が、企業100社の調査結果を踏まえて、すでに世の中はクラウドファーストの時代になっているという記事を掲載し、その代表的な事例としてSAPをAWS上で稼働させるSAP on AWSのソリューションが紹介されています」と、小島氏はエンタープライズ領域での急激なクラウド志向の高まりを強調します。

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SAP&AWSのパートナーシップが、容易な移行と大幅なコスト削減を支援

小島氏は、現在のクラウドの大きな特長として「インフラとしてのクラウド」という点に着目します。これまで企業の間では、クラウドの普及がまったく進展していなかったわけではありません。しかし、これらの多くはメールシステムやCRM、SFAなど、用途が特定の領域に限定されたものでした。現在のクラウドは、それ自身がさまざまなシステムのインフラとなり、このプラットフォーム上にオンプレミスで稼働中のオープン系システム等をマイグレーションする。その器として、クラウドそのものの果たす役割が大きく異なってきていることを指摘します。

「この結果、クラウドを利用して社内の汎用サーバー数を減らし、調達面・運用面ともにコスト圧縮と運用の負荷軽減を実現しようという動きが生まれてきました。このようにインフラとしてのメリットが認知されたことで、『企業システムはクラウドへ移行する方が良い』といったコンセンサスが世の中に浸透してきているのです」

さらに、こうした潮流の中でアマゾンのクラウドサービス=AWSが選ばれる理由として、小島氏は次のような点を挙げます。

①   主要なソフトウェアライセンスの持ち込み(BYOL)が可能
AWSではSAPを始めとした商用のさまざまなソフトウェアのライセンスをそのまま持ち込むBYOL(Bring Your Own License)によりクラウド上で稼働させることが可能。

②   ソフトウェアベンダーによる正式サポートの提供
ベンダーによるライセンス持ち込み(BYOL)許諾=本番環境におけるベンダーサポートが受けられるため、これまでの自社環境で使ってきたミドルウェアやパッケージを、クラウド上でも安心して運用可能。

③   物理、仮想環境を問わず、オンプレミスからのクラウド移行、統合が容易
主要なOS環境からアプリケーションまでを、すべてそのままAWS上で利用できるため、ユーザーの既存の環境を物理、仮想化の区別なく、丸ごと移行可能。

「この結果、AWSであれば、ユーザーはオンプレミスとほぼ同じ環境を容易にクラウドマイグレーション(移行)することができるようになりました。また、これをアプリケーション開発のエンジニアから見ると、自社サーバーなのかアマゾンのサーバーなのかはまったく区別がつかないし、つける必要もない。このようにシステム移行に伴う技術面、ライセンス面でのハードルがほぼ存在しない上、クラウドならではの大幅なコスト圧縮と導入期間の短縮を実現できるのが、SAP on AWS の大きな特長です」

ほぼすべてのSAP製品がAWS上で本番稼働可能に

小島氏に続いて登壇した松本氏は、デモによるさらに踏み込んだテクニカルな解説を交えながら、AWSとSAPとの緊密なリレーションシップに言及します。

「SAPの認定制度は非常に厳密であり、私たちはこの認定をクリアすべく長年にわたって努力を続けてきました。その甲斐あって2012年12月には、ERP、CRM、HCMなどの基幹業務パッケージであるSAP Business Suiteと、統合アプリケーションプラットフォームであるSAP NetWeaverの、本番環境上における稼働の認定を得ることができたのです」。

すでにSAP BusinessObjectsや中堅向け基幹系パッケージSAP Business All-in-One、そしてSAP HANAプラットフォームのAWS上における運用オプションSAP HANA OneなどがAWS 上で本番稼動認定を受けており、今回の2製品で事実上すべての SAP 製品がAWS 上で本番稼動できるようになりました。

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SAP on AWSによるクラウド活用で、さらなる成長と活性化を

松本氏は、ますます親和性が高まるAWSとSAPの関係を踏まえ、AWSのクラウドサービスならではのメリットとSAPの多彩な製品群を組み合わせることで、従来のオンプレミスでは不可能だった新たなメリットが多数実現できることを強調します。

「まず、何といってもスピードです。AWSでは、わずか数分の簡単な操作でサーバーのセットアップから環境設定までが完了します。物理サーバーのような立ち上げ工数がほぼゼロになるため、構築や展開といったより重要なフェーズに多くの時間を割くことができるようになります。また世界中のどのリージョンのデータセンターと契約しても、管理は国内からコンソール経由で行うことが可能です。このことは、グローバル企業の多いSAPのユーザーには大きなメリットだと考えられます」

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さらにセキュリティレベルも、数多くの主要な第三者認証を取得した高度なものであること。ピーク時には即座にスケールアウトが行えるなど、ビジネスの要請に応じた柔軟なサイジングが可能であること。また、万が一の障害発生時にも新しいインスタンスを立ち上げて、データ領域だけをそこに付け替えればすぐに復旧できることなど、松本氏はAWSのクラウドならではのメリットが、セキュアで可用性に優れたSAPのシステム運用に大きく貢献すると主張します。

最後に松本氏は「非常に迅速にシステムを構築でき、かつコストも安く、オンプレミスでは実現できなかった運用も実現できるようになります。ぜひSAPの運用環境としてAWSをご検討いただき、そこで圧縮された費用や時間、労力をビジネスのコアに振り向けることで、お客様の業務の活性化を実現していただきたいと思います」と話し、セッションを締めくくりました。

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