異なるインスタンスの経営情報を統合し、 グローバル戦略を支える新たな管理基盤として SAP Analytics Cloudを導入


世界中の人びとの豊かで快適な住まいの実現のために、日々の暮らしの課題を解決する水まわり・建材製品をグローバルで幅広く開発・提供するLIXILグループの中核企業として、国内トップクラスの実績を誇る株式会社LIXIL。同社では近年、M&Aによるグローバル化を積極的に推進し、事業会社間のシナジーを最大限に高めるためのマネジメント体制の強化にも力を注いできました。その中で海外の事業会社を含むグループ全体の経営情報を管理する統合基盤として、SAPが提供するクラウドBI・分析ソリューションであるSAP Analytics Cloudを2019年1月に導入し、より効率的で精度の高い経営管理の実現を目指しています。

グローバル市場での成長戦略に不可欠なグループを横断した新たな情報管理基盤

LIXIL熊倉様

株式会社 LIXIL
*参事 経理財務本部 企画管理部長
熊倉 真太郎 氏(*2020年3月時点)

約270 のグループ会社から構成され、150 以上の国と地域で商品・サービスを提供するLIXILグループにとって、M&Aによって新たにグループに加わった事業会社の情報システムといかにして効率的に連携できるかは、大きな課題でした。 株式会社LIXILの *参事 経理財務本部 企画管理部長(*2020年3月時点 )を務める 熊倉 真太郎 氏は、「これまでのM&Aによって、LIXILグループは大きく分けてドイツ、アメリカ、アジアの各リージョンで、それぞれ異なるインスタンスのSAPを運用することになりました。当然、これらはそのまま連携することはできないため、グループを横断した経営管理と意思決定を実現するには、新たに統合的な情報管理基盤を構築する必要がありました」と振り返ります。

同社では、事業会社間のシナジーを高めるための組織モデルとして、いわゆる持ち株会社の下に兄弟会社が連なるツリー型のモデルではなく、資本の親子関係に縛られないフレキシブルな経営管理体制を採用しています。しかし、そこでは経営管理の単位が各リージョンのインスタンスをまたぐことから、全社共通の新たな情報基盤への移行が求められるようになっていました。

「これは、従来と同様のシステムを設計仕様だけ統一して作り直せば済むという話ではありません。財務以外の多様な業務データも含めて、全社横断でデータの集積・管理が可能なデータウェアハウス(DWH)を構築して、グループ内の緊密なデータ連携とリアルタイム経営を実現し、グローバル規模の成長戦略に貢献する情報活用プラットフォームを目指すべきだと考えました」(熊倉氏)

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大容量・超高速のパフォーマンスと多彩なデータ活用環境で採用を決定

これらの難題解決に取り組むため、グローバルなプロジェクト組織が編成され、そのリーダーに任命されたのが、経理本部 企画管理部 BI 推進グループリーダーの山口覚子氏です。

プロジェクトとして最初に取り組んだのは、3つのインスタンスの現状の正確な把握と経営情報の流れの整理でした。これらはシステムのバージョンもマスターデータの仕様もまったく異なるほか、事業会社によってはSAPを導入していないところもありました。こうしたことから、経営管理に必要な情報の共有やレポート提供は、主にExcelで行われている状況でした。

新たな経営情報の管理基盤では、当然ながら予算、見込み、実績などのデータをリアルタイムで登録・連携・分析できる機能が必要です。また、将来的には財務データ以外のあらゆる業務データも集約することを考えると、システムには膨大なデータを高速処理できるパフォーマンスが求められます。

「そうした観点からDWHには圧倒的な高速処理を実現するSAP BW powered by SAP HANA (以降、SAP BW on HANA)を、またデータのインプット/アウトプットおよび分析ツールには、複数製品を念入りに比較検討した結果SAP Analytics Cloudを採用することに決めました」(山口氏)

SAP Analytics Cloudの採用について、IT部門 基幹システム統括部 経理基幹刷新室 管理会計グループの肥後英人氏は、その決め手を次のように説明します。

「大前提としてグループ全体のクラウドファーストのポリシーがあり、またすでにSAP BW on HANAの採用が決まっていたことからも、SAP 製品同士の親和性による工数削減が期待できたことがあります。機能面では、実績情報と密結合が可能であること、クラウドによる開発スピード、さらに分析機能の豊富さや、ダッシュボードによる柔軟なレポーティングの仕組みが構築できる点にも魅力を感じました」

クラウドならではのスピード導入。直感的なUIも魅力

SAP Analytics Cloudは、重要な意思決定を行う上で不可欠な「ビジネスインテリジェンス」「予算計画」「予測分析」の3つの機能をワンストップで提供しています。LIXILグループでは現在、この中の「予算計画」「予測分析」の導入を海外の拠点で進めています。会計系の移行はすでに完了し、現在進めているロジスティックス系が完了すれば、予算登録や見込みの提出、分析のアウトプットが、すべてSAP Analytics Cloudで実行できます。熊倉氏は「この導入実績を踏まえて、今後は日本国内でも導入を急ぎ、できるだけ早い時期に経営管理のインプット/アウトプットをSAP Analytics Cloudで統一していく計画です」と話します。

また、熊倉氏はSAP Analytics Cloudのユーザビリティも高く評価しています。

「たとえばダッシュボードひとつ見ても、かつて経験したことがないほどの表現力です。さまざまなグラフやデータのプロット形式などのオプションが用意されていて、必要な条件を設定するだけで、すぐにビジュアル化されたデータがアウトプットされてくるのには驚きました」

クラウドならではの導入スピードと容易さも、SAP Analytics Cloudの大きな魅力の1つです。オンプレミスであれば数カ月単位の時間を要する開発期間が、今回は数週間で済んだと肥後氏は評価します。

「その他のSAP製品であれば、導入には専門のコンサルタントの支援が必要な場合もありますが、SAP Analytics CloudはYouTubeで独習できるようなコンテンツも充実しており、導入の敷居が非常に低いと感じました」

新システム導入では避けて通れないユーザー部門へのトレーニングも、従来とは比較にならないほど簡単だったと、実際に導入を推進した山口氏は振り返ります。

「SAP Analytics Cloudは非常にシンプルなパッケージなので、複雑な操作を新たに習得する必要もありません。初回の導入では、海外のユーザー部門に『これまで使っていたExcelのシートと見た目も機能も変わらないので、今まで通りデータを入力してセーブボタンを押せば、東京の本社にそのまま送信できます』と説明しました。短期間で導入できたので、ワークショップなども開催せず、簡単なマニュアルを使った教育程度で十分でした」

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グローバルで一丸となって構築した情報管理基盤で未来へのさらなる飛躍を目指す

最初の導入からようやく1年を過ぎた現在、熊倉氏はSAP Analytics Cloudの真価が試されるのは、2020年4月からの新年度だと気を引き締めます。また経営陣からは、今回から新しいKPIとしてROIC(Return On Invested Capital 投下資本利益率)を設ける指示があり、こちらも新年度からSAP Analytics Cloudへ組み込むべく開発が進んでいます。

今後のSAP Analytics Cloudの活用について、熊倉氏はマネージャーの経営判断から業務現場でのデータ活用まで、ユーザーや用途に最適化されたダッシュボードを開発するなど、より使いやすく効率的な利用環境を充実させていきたいと抱負を語ります。

「そうしたアイデアを考えられるのも、この新しい経営情報管理基盤が無事に完成できたからこそです。導入では、ドイツ、アメリカ、アジアの各ファイナンスおよびITチームが緊密な協力体制で作業を進めてきました。こうした一大プロジェクトをLIXILグループがグローバルで一丸となってやり遂げられたことが、今回のもっとも大きな成果です」

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データ分析・活用を原動力にさらなる成長を目指すLIXILグループのグローバル戦略を、SAP Analytics Cloudがこれからも強力に支えていきます。

 

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