デジタルを全社員で使いこなすには?住友商事に見る定着化ソリューションの活用―SAP NOW|JSUG Focus


SAP ジャパンの年次キーカンファレンス「SAP NOW」。今年は、新型コロナウィルスによる感染拡大の防止と社会的情勢に鑑み、例年の物理的な開催からオンライン・イベントへとシフトチェンジしました。ここでは、スポンサーセッションの中から「デジタルを全社員で使いこなすには?住友商事様に見る定着化ソリューションの活用」と題したセッションの模様をお伝えします。

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エンタープライズアプリケーションにおける定着化ソリューションの提供価値とはどのようなものなのか。本セッションでは、WalkMe株式会社 代表取締役社長の道下和良氏が、操作マニュアルやトレーニングに頼ることなくユーザーによるSAP SuccessFactorsの利用を促す定着化ソリューション「WalkMe」を、住友商事様の事例やデモを交えながら紹介しました。

ベストプラクティスは使われてこそ価値がある

道下氏は、定着化ソリューションの存在意義に言及する前に、「いくつか共有しておきたいテーマがある」として次の3つを挙げました。

  1. ITやデジタルのベストプラクティスは使われてこそ価値や効果がある
    エンタープライズアプリケーションにはベストプラクティスが詰まっており、導入することで変革を進めようという期待感があるが、従業員に使われなければ宝の持ち腐れに終わる。
  2. SaaSやテレワークは全社員規模でのデジタル活用が要請される
    特にSaaSや緊急事態宣言下でのテレワークのおいては全従業員がユーザーとなるため、在宅での仕事を推進するにあたり、デジタル活用は切っても切れない。
  3. 世代・ジェンダー・国籍を越えた多様な人々が使えるデジタル環境が求められる
    高齢化社会が迎える「2025年問題」が指摘されているように、日本の生産年齢人口の減少に伴う生産性の低下が懸念されており、今後ますますデジタル活用の重要性が高まっていく。シルバーにも外国籍の方にもやさしいデジタルが求められる。

この3つのテーマを解決する考え方が「Digital Adoption」、つまり「定着化」です。
実は、2011年の創業以来2000社を超える企業に定着化サポートを実施してきたWalkMe株式会社が、その草分けであり提唱者でもあります。今ではすっかり一般用語化しつつありますが、これほどまでにDigital Adoptionが注目される背景にはどんな課題があるのでしょうか? WalkMeと日経BPコンサルティングが400~500社に対し共同で行ったリサーチの結果を見てみましょう。

まず、SaaSの導入後に困っていることとして「データ分析ができない」「経営上の効果が証明できない」といった回答を上回ったのが「ユーザーへの定着化」です。この課題感に対して具体的に実施している取り組みについては、「社内マニュアルやFAQを作成して展開する」「講習会、トレーニングを実施する」の2つが上位を占めました。しかし、これらの取り組みは非常に負荷が高いとする人が6割なのに対し、効果を実感しているのは3割に過ぎません。つまり、「負荷が高い割に効果が限定的」であることが、「ユーザーの定着化を目指す動きにつながっていると考えられます」と道下氏は指摘します。

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一方で、調査結果からこのような声も聞こえてきました。

  • 高額なデジタル投資を決断したもの、社員が使いこなしてくれるか不安
  • トレーニングの機会を作っても多忙を理由とした不参加が多い
  • 膨大で冗長なマニュアルは使われないし、改訂作業の負荷も高い
  • 稼働直後や機能アップグレード後に問い合わせが殺到し、現場の不満と運営側の疲弊が高まる
  • 不正確あるいは適当に入力されたデータが原因で業務の手戻りや負荷が増えるだけでなく、意思決定に使えない

すばやく安定稼働を実現して早期に効果を創出したい運営側の思いと、変化することを嫌い、ゆるやかなスピードで習熟していく現場・・・。この2つの間にあるギャップを無理なく埋めることにこそ、WalkMeの提供価値があります。WalkMeが間に入ることによって、「ユーザーがテクノロジーに合わせるのではなく、テクノロジーがユーザーに寄り添いながら人にやさしい定着化を促すことで、ベストプラクティスを使いこなせるようになります」と道下氏。

定着化を継続的に改善する仕組みも“人にやさしい”ポイント

WalkMeのこうした価値に着目し、SAP SuccessFactorsの後継者計画機能を現場に効果的に展開することに成功したのが大手総合商社の住友商事株式会社です。商社ビジネスにおいて人材は宝。タレントマネジメントは非常に重要な仕組みですが、ユーザーである経営幹部は世界各国で事業の舵を取る超多忙な人たちであり、直接サポートしにくいという問題があります。一方で、事業経営のスペシャリストではあることとITリテラシーはリンクしないという問題もあります。

現場のニーズにマッチする新しいやり方を模索していた同社のご担当者は、初めてWalkMeを目にした瞬間「これは使える!」と直感したといいます。そこには、デジタルネイティブではないユーザーにも迷いなく使える仕組みがあったからです。実際、導入後は労力に見合わないマニュアルづくりやトレーニングが一切不要になったうえに、ユーザーの定着度が可視化されるようになっています。

では、具体的にどのような仕組みを通じて定着化が実現されたのでしょうか? デモンストレーションを通じて紹介されたWalkMeの“人にやさしい”ポイントを整理すると次のとおりです。

WalkMeが人にやさしい理由

1. 誰もが迷いなく操作できる業務シナリオに沿った伴走型の操作ガイド

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2. 複雑な入力画面を使用せず、一問一答形式でデータ入力を自動完了させる対話型の操作ガイド

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3. 操作を行う実画面上に画像や映像を交えて展開される実践的な初心者向けチュートリアル

さらに、WalkMeには、ユーザーの操作データを詳細に分析することによってPDCAサイクルを回し、定着化を継続的に改善していく仕組みもあります。ユーザーがつまずいた箇所や離脱箇所を特定し、WalkMeそのものを改善していくことで、使いこなせないユーザーをなくす取り組みです。
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WalkMeが“一緒に働いてくれる相棒”に・・・

SAP SuccessFactorsの後継者計画機能の展開を機に集合研修から脱却し、素早いオンボーディングを実現できるようになった住友商事では、SAP SuccessFactorsの人事業務への全面適用、さらにはSAP Concurの展開においてもWalkMeの採用を決定しました。
「ひとついいね!となると、横展開が生まれます。全社規模でWalkMeを使っていただくと、全従業員がデジタルに対して拒否反応を持つことなく“一緒に働いてくれる相棒”として認識してくれるようになり、全社レベルで変革が進んでいきます。」(道下氏)

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最後に道下氏は、「ベストプラクティスは使ってからこそ価値が出る」と改めて強調。「従業員が喜んで使うようになって初めて価値の最大化が実現できます。WalkMeのデジタルアダプションプラットフォームを通じて効果的で人にやさしい定着化をお手伝いし、お客様のデジタル化を加速していきたいですね」と展望を語りました。

実際の講演は9月11日まで開催中のSAP NOWにご登録いただき、NS-07「デジタルを全員で使いこなすには? 住友商事様に見る定着化ソリューションの活用」を視聴ください。