SAP Analytics Cloud の Smart Predict 概要


*本ブログはSAP Analytics Cloudの機械学習機能に関するブログシリーズの一つです。他のブログでは、Smart Predict のハンズオン手順、及びAugmented Analytics の概要説明をご紹介しておりますので是非ご一読ください。


今回は、SAP Analytics Cloudの予測分析機能の中心である、Smart Predictをご紹介します。
Smart Predictは、ビジネスユーザーでも簡単に予測モデルを作成できる機能になります。

AI・機械学習を普段の業務で活用出来てますか?

AI・機械学習という言葉は一般的になりましたが、まだまだ敷居の高いイメージがあります。普段の生活やビジネスにおいて、私たちが意識しないところで機械学習が使われており、様々な恩恵を受けているのが現実ですし、今後も増えていくことでしょう。
但し、自分自身で機械学習ツールを使い、予測業務ができているか?という観点では、まだまだ難しいのが現状です。これらの課題を解決する為に、簡単に使える機械学習の自動化ツールが注目を浴びております。SAP Analytics Cloudでは、高度な機械学習機能を自動化したSmart Predictを提供しています。

SAPのAI・機械学習ソリューションポートフォリオ

SAPでは、利用目的やユーザースキル毎に、様々なAIソリューションを提供しています。
Smart Predictは真ん中(赤枠)部分、「ビジネスユーザー」、「シチズンデータサイエンティスト」を対象としている製品になります。それぞれのソリューションの特徴についてご紹介します。

AIポートフォリオ3

①ビジネスユーザー
SAP S/4HANAなどの、SAPアプリケーション群を使われるユーザーを対象としています。
SAPアプリケーションには、機械学習のテンプレートが組み込まれておりますので、ユーザーは特に意識することなく、機械学習により算出された予測結果をアプリケーションから確認することが可能です。その他の、「SAP Cash Application」、「SAP Service Ticket Intelligence」などのAIアプリケーションやAIビジネスサービスなども含まれます。

②ビジネスユーザー / シチズンデータサイエンティスト
ビジネスユーザーの中でも、データの中身に詳しい方、もしくはシチズンデータサイエンティストの方を対象としています(高度な機械学習知識は必須ではありません)
Smart Predictは、簡単な操作は必要なものの、機械学習において通常はデータサイエンティストが対応する高度な作業を自動化しており、高精度の予測結果を得ることができます。
例えば、Excel関数を使って高度な計算をされていたり、Accessなどを使われているようなユーザーであればスキル的に問題なく利用することができます。

③開発者 / データサイエンティスト
開発者 / データサイエンティストは、そのままの意味で、アプリケーション開発者や、高度な知識を有するデータサイエンティストを意味しています。
予測モデル作成において自動化も可能ですが、各種アルゴリズムを選択したり、複雑なパラメータ設定、アプリケーション適用など、幅広い領域で高度なチューニングが可能です。また、プログラムベースの作業も多く、高度なスキルが必要になります。
こちらでは、SAP HANAの中にある統計エンジン(PAL:Predictive Analysis Library、APL:Automated Predictive Library)を利用することができます。
また、SAP Data Intelligenceを利用することで、各種データソースとの連携、RやPythonによる開発、TensorFlow等との連携など、エンタープライズデータサイエンスプラットフォーム機能を活用することができます。

 

SAP Analytics Cloud の Smart Predict の特徴

BI  / Planning機能と連携した高度な分析シナリオをサポート

SAP Analytics Cloudでは、下図のように、BI、Planning、Predictiveで構成されています。その中でもPredictiveは非常に重要な役割を持っています。Smart Predictは、予測モデルを作成するだけではありません。BI機能と連携し、データの相関関係を把握したり、数カ月先の売上を予測できます。また、Planning機能と連携し、過去実績を見るだけでなく、機械学習で算出した予測値を参考値として活用するなど、様々な用途で利用できます。
BI、Planning、Predictiveは同じプラットフォームなので、データ連携も非常にスムーズです。

*Smart Predictは、下図赤枠(Predictive機能)内の「統計モデル作成」が該当します。
SAC概要

Smart Predictの活用シーン

Smart Predictの予測モデルは様々な用途で利用が可能です

Smart Predictで単に予測モデルを作成するだけでなく、SAP Cloud for planningに結果を反映することも可能です。また、PAi(Predictive Analytics Integrator)連携することにより、Smart Predictで作成した予測モデルを、SAP S/4HANAにパブリッシュし運用することにも対応しています。

SmartPredict

Smart Predictによる予測モデルの自動生成

Smart Predictでは、予測モデル作成において、データの前処理や変数選択、複数モデルを作成して最適なモデルを自動選択など、通常はデータサイエンティストが時間をかけて対応する高度な作業を自動化します。

予測シナリオとしては、分類、回帰、時系列に対応しています。
ユーザーインターフェースも非常にシンプルで、「学習データ」と「ターゲット変数」をセットするだけです。
*下図では、Smart Predictの自動化範囲を確認することができます

結果、データサイエンティストはもちろん、ビジネスユーザーでも利用できます。また、処理の自動化により、誰が実行しても同じ結果を確認することができます。データサイエンス領域における属人化作業についても解消することができます。
Smart Predictの予測エンジンは、長年オンプレミス製品として提供し導入実績も多い、SAP Predictive Analyticsと同じものが利用されており、処理も速く高精度の予測を実現します。

予測モデル作成
*下図では、具体的な自動化作業を確認することができます。ユーザー側の処理としては、「学習データ」と「ターゲット変数」の定義のみでモデルを作成することができます。
予測モデル作成_自動化フロー

Smart Predict デモンストレーション

下記動画では、「キャンペーンにおける顧客のレスポンス予測」モデルを作成しています。
触ってみよう!SAP Analytics Cloud の Smart Prdictで分類予測」ブログにて、同じデータを利用したハンズオンをご紹介しております。是非お試しください。

 

まとめ

SAPが提供するAI・機械学習ソリューションの概要と、その中でも自動処理に特化した、SAP Analytics Cloud の Smart Predictのコンセプトや概要をおおまかにご理解いただけましたでしょうか。

AI・機械学習のブームは続いておりますが、ユーザー自身での活用はまだまだこれからです。
昨今、予測分析ツールとしては、自動化を特徴としたものが多く登場しておりますが、まだまだ専門家にしか使えない製品が多数になります。
SAPは、いかに機械学習をビジネスに活用できるかに注目し製品を開発しています。
具体的には、単に高精度の予測モデルを作成するだけでなく、分析業務や計画業務、基幹システムとの連携を考慮したソリューション構成になっています。もちろん、データサイエンティスト向けの製品もご用意しておりますので、利用目的やユーザースキルにより選択いただくことが可能です。

SAP Analytics Cloudは今後も多くの機能拡張が予定されています。BI、Planning、Predictiveを連携し、業務の高度化・自動化を実現していきましょう!