SAP Data Intelligenceで実現するエンタープライズAI

作成者:山田 絵美 投稿日:2020年9月8日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※本ブログは2021/3/22に更新しました。

SAP Data Intelligenceは、SAP Business Technology Platformにおけるデータマネジメントのためのソリューションです。

こちらのブログでは、名前を初めて聞いた方や、聞いたことはあるけれどさらに詳しく知りたいという方向けに、まずは概要をご理解いただけるよう情報をまとめました。

ブログの各セクションには詳細情報へのリンクも貼っておりますので、ご興味ございましたらぜひご参照ください。

 

SAP Data Intelligenceとは?

SAP Data Intelligenceを一言で説明すると、新しい時代のデータ環境に対応したデータ統合・データオーケストレーションのソリューションです。

製品ページ (日本語)

近年、企業におけるIT環境は複雑化しており、同時に多様なデータやAI技術を活用したビジネスプロセスの高度化が求められています。

SAP Data Intelligenceは、複雑で分散したシステムランドスケープの中からデータを収集し、アクションにつながるインサイトに変換し、それをオペレーション化してビジネスプロセスに適用する、このサイクルの加速をサポートします。

di_virtuous_cycle

具体的には、多様なデータソースに接続してメタデータを一元管理し、統合することができます。そして機械学習を含む多様な処理エンジンをオーケストレーションし、データ取得からアプリケーションへの連携までEnd-to-Endのフローを実現します。これにより、SAP/Non-SAPの様々なデータを利用したイノベーティブなユースケースをスケーラブルに実現することが可能です。

例えば、分散した多様な種類の従業員データを収集して機械学習によって最適な人材配置を推奨したり、製造プロセスにおいて画像やセンサーデータと生産関連のビジネスデータを連携し品質管理のリアルタイム化を実現するなど、従来のツールやデータだけでは実現できなかったような新しいアプリケーションやユースケースを実現できます。このようなビジネスプロセスの高度化(デジタルトランスフォーメーションと言い換えてもいいかもしれません)によって、業務の自動化や効率化、新しい顧客・従業員体験の創出など、ユースケース次第で様々な価値の創出が可能です。

 

主な機能の概要は以下の通りです。

di_core_capabilities

 

データ統合

多様な種類のデータソースやデータ種類に接続しデータを連携・統合します。SAPのアプリケーションやデータベースだけでなく、ハイパースケーラのクラウドデータソースやストリーミングデータなど多様なデータにネイティブに接続することができるため、今まで扱えていなかったデータやビッグデータを、企業内で持つビジネスデータと連携して活用することが可能です。

データ統合処理は、フローベースのパイプラインを利用し、多数の事前定義済みオペレータを用いて比較的容易に構築することが可能です。パイプラインの各オペレータはそれぞれKubernetes上のDockerコンテナで独立して動作するため、スケールアウトも容易です。

di_data_integration

 

データ処理

データ処理においては、多様な処理エンジンをオーケストレーションし、End-to-Endのデータ処理プロセスの構築が可能です。

例えばSAP BWのプロセスチェーンや、SAP HANAのデータ処理及び機械学習ライブラリ、PythonやTensorFlowなど、様々な処理エンジンを呼び出してリモート実行できるため、データを移動させずにプロセスのみを管理できます。

特に機械学習の実現にあたっては、機械学習シナリオに関連するデータやパイプライン、ノートブック、実行、デプロイまで一元的に管理することが可能です。これにより、データの探索、準備、機械学習モデルの実験、開発、学習、運用のサイクルを、ガバナンスを確保しつつ効率的に回すことができ、MLOpsの実施をサポートします。

di_data_processing

SAP Data Intelligence: Create your first ML Scenario (英語)

 

データカタログ

接続先の全データソースをまたがった統合データカタログにより、エンタープライズにおいて必要なデータガバナンスを確保すると同時に、データ品質を保ち、利用者の利便性も向上させることが可能です。

  • データのタグ付けや、ビジネス用語、リネージなどデータに関連する情報をまとめて管理し、全データソースを横断した検索が可能です。
  • データプロファイリングによってデータの特徴をすぐに把握することができます。
  • データに関するビジネスルールを定義し、データ品質をモニタリングすることが可能です。
  • データ準備によって、クイックにデータの修正、エンリッチが可能です。

di_data_catalogue

SAP Data Intelligence Metadata Explorer – Part 1 (英語)

SAP Data Intelligence Metadata Explorer – Part 2 (英語)

 

いつリリースされたの?

・2019年7月にSAP Data Hubの後継ソリューションとして、最初のクラウド版がリリースされました。

SAP Data Intelligence: Next evolution of SAP Data Hub (英語)

・2021年3月現在、オンプレミス版はSAP Data Intelligence 3.1、クラウド版は2003がリリースされています。各バージョンのリリース情報は以下ブログをご参照ください。

What’s New in SAP Data Intelligence – Central Blog Post (英語)

 

事例を知りたい

導入事例は次々に増えております。以下は代表的なお客様事例になります。

di_customer_references

一部は日本語ブログでも紹介されておりますのでご参照ください。

Kaiserwetter社:再生可能エネルギー発電ビジネスを可能にするデータインテリジェンス (日本語)

HARTMANN社:これからの顧客先在庫管理を考える 医療用品を例に (日本語)

ケーザー・コンプレッサー社のSAP Data Hub活用 (日本語)

また、以下サイトでは過去のプロジェクト事例を基にしたユースケースが多数紹介されており、活用方法のご参考にしていただけます。

Enterprise AI Meets Intelligent Information Management (英語)

 

学びたい

・動画で学ぶ

SAPジャパンのYouTubeでは簡単な解説動画を3本公開しております。

SAP Data Intelligence – 第 1 回 概要と事例・ユースケース (日本語)

SAP Data Intelligence – 第 2 回 データ連携とメタデータ管理 (日本語)

SAP Data Intelligence – 第 3 回 機械学習シナリオの管理 (日本語)

日本語説明付きのデモ動画もご用意しております。以下ブログから各リンクをクリックしてご覧ください。

SAP Data Intelligence デモまとめ (日本語)

また、SAP HANA AcademyのYouTubeでは機能の解説動画が21本も公開されております。

SAP HANA Academy – Data Intelligence 3.1 (英語)

・オンラインコースで学ぶ

openSAPのオンラインコースでは幅広く学習していただくことができます。

Freedom of Data with SAP Data Hub (英語) (6 weeks, 3-4 hours per week)

SAP Data Intelligence for Enterprise AI (英語) (4-6 hours in total)

・ブログで学ぶ

SAP CommunityではSAP Data Intelligenceに関連するブログが多数公開されています。

Community Blogs : SAP Data Intelligence タグ (英語)

特に以下は分かりやすいのでおすすめです。

SAP Data Intelligence | Hands-on Video Tutorials (英語)

SAP Data IntelligenceとSAP HANA APLでML活用 – Part 1. モデル作成 (日本語)

SAP Data IntelligenceとSAP HANA APLでML活用 – Part 2. モデルによる予測 (日本語)

SAP Data Intelligence – SAPシステムとnon-SAPシステムのデータ連携 (日本語)

・ヘルプで学ぶ

ヘルプポータルでは各機能の詳細もご確認いただけます。

SAP Help Portal – SAP Data Intelligence, cloud edition (英語)

SAP Help Portal – SAP Data Intelligence on-premise (英語)

 

今後のロードマップを知りたい

Road Map Explorerにて、今後のロードマップを確認することができます。

Road Map Explorer – Data Intelligence (英語)

 

実際に試してみたい

オンプレミス版を30日間無償でご利用いただける「Trial Edition」を提供しております。Google Cloud Platform、Amazon Web Services、Microsoft Azure上にデプロイしてご利用いただけます。Trial Edition自体は無償ですが、クラウドインフラのご準備とコストはご負担いただく必要がございます。詳細は以下ブログをご参照ください。

SAP Data Intelligence, trial edition 3.1 (英語)

DevelopersサイトのTutorial NavigatorにてTrial Editionのチュートリアルが提供されています。

Get Started with SAP Data Intelligence, trial edition (英語)

日本語での自己学習キットも用意しております。Trial Editionのセットアップから、代表的な機能の利用手順まで分かりやすく説明しております。以下からダウンロードしてご利用ください。

SAP Data Intelligence 自己学習型ハンズオンキット_2020Q3版 (日本語)

また、実際の環境ではありませんが、以下サイトにて対話的な操作をしながらデモを見ることができます。(要登録)

Interactive Demo (英語)

 

まとめ

長くなりましたが、SAP Data Intelligenceの概要をご理解いただけましたら幸いです。

本ブログでご紹介した内容にご興味を持っていただけましたら、ぜひSAP社にご相談ください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

連記事

SAPからのご案内

SAPジャパンブログ通信

ブログ記事の最新情報をメール配信しています。

以下のフォームより情報を入力し登録すると、メール配信が開始されます。

登録はこちら