【調達・購買改革事例】アサヒグループホールディングス – SAP Aribaでグローバルな成長に資する調達・購買基盤の確立へ

作成者:SAP インテリジェントスペンド事業本部 マーケティング投稿日:2020年10月26日

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アサヒグループホールディングス株式会社(以下、アサヒグループ)はいま、間接材調達・購買のデジタル化ソリューション「SAP Ariba」を導入し、間接材のグローバル調達・購買の改革を推進しています。その全容について、2020年に開催のSAP NOWでいただきました、アサヒグループの執行役員で調達・購買統括(ヘッド オブ プロキュアメント)である﨑田 薫氏の講演内容を基にお伝えします。


伸び行く海外での売上

周知のとおり、アサヒグループは、酒類の製造・販売を手がけるアサヒビールを中核にした企業グループです。2012年に買収したカルピスを傘下に置くアサヒ飲料や健康食品メーカーのアサヒグループ食品など、148社の連結子会社を擁し、年間の売上規模は2兆円強(2019年連結実績)に上ります。また、2017年の欧州ビール事業の買収により、2001年には1%に過ぎなかった海外での売上比率を2019年には約34%へと拡大させ、事業利益では海外比率が48%に達しています。

一方で、国内では少子高齢化に伴う生産年齢人口減少の影響を受け、同社にとってのメインの市場であるビール市場は縮小の一途をたどってきました。ゆえに、海外市場での売上拡大は、同社にとって年々、重要性を増してきたと言えます。

そうした中で2019年1月には経営理念を改定し、新たなビジョンの一つとして「高付加価値ブランドを核とする成長する“グローカルな価値創造企業”を目指す」というコンセプトを打ち出しています。このビジョンの達成に向けて、同社が推進する改革の取り組みの一つが、調達・購買の仕組みの整備です。また、調達・購買の最適化は、グループ全体の“稼ぐ力”の向上に向けた施策の一つとしても位置づけられています。

グローバル企業にふさわしい調達・購買機能の実現のために

スクリーンショット 2020-10-19 9.58.17アサヒグループではかねてから、グループ全体の調達・購買のあり方を最適化すべく取り組みを進めていましたが、2017年に欧州ビール事業を買収したのを契機に、その取り組みが大きな転換点を迎えたと、アサヒグループの調達・購買を取り仕切る﨑田氏は明かします。

「買収した欧州のビール事業では、当時からすでにグローバル企業における調達・購買のベストプラクティスを実践していました。そこで、国内のアサヒグループ各社としても、グローバル企業のベストプラクティスと、自分たちの調達・購買とのギャップをしっかりと見定め、そのうえでグローバル企業にふさわしい調達・購買の実現に向けたステップを描き、実践していこうと考えたわけです」

﨑田氏によれば、この取り組みの中で、日本のアサヒグループにおける間接材調達・購買のあり方が、グローバル企業のベストプラクティスに比べて、かなり遅れをとっていることが判明したといいます。

「特に顕著だったのが、アサヒグループ全体における間接材調達カバー率(=間接材調達の管理カバー率)の低さです。そのカバー率は、世界水準に比べてあまりにも低く、それを大幅に向上させることと、直接材調達におけるグローバル連携の強化を2本柱に据えて、改革を推進することにしたのです」(﨑田氏)。

また、グローバルでの一体感を醸成することも重要ととらえ、アサヒグループ全体としての調達・購買のビジョンと目標を図1のように定め、国内外のグループ各社の調達・購買担当者と共有するという取り組みも行ったといいます。

図1:アサヒグループにおける調達・購買のグローバル共通のビジョン

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システム基盤の整備でSAP Aribaを選択

図1にあるとおり、アサヒグループでは、間接材調達・購買の改革の定量目標として、2021年までに世界レベルの間接材調達カバー率を80%超に引き上げ(日本国内の場合は、12%から80%に引き上げ)、数億円規模の間接材コスト削減(CR)を実現するといったゴールを掲げています。

その実現に向けて、同社では図2のように改革に向けた課題と改革の狙い、さらには、その狙いを達成するために必要な施策(整備の施策)を定めました。

図2:間接材調達・購買改革の狙い

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図2からも分かるとおり、同社では、コスト削減(CR獲得の拡大)コンプライアンス強化、そして生産性向上を、間接材調達・購買改革の目標として定め、その目標達成に向けた施策として、「ルールの整備」「システム基盤の整備」「人材・組織基盤の整備」という3つの整備を位置づけています。

このうち、システム基盤を整備する目的で採用したのが、「SAP Ariba」で、「その採用決定に至るまでには、他社のツールの導入も検討しましたが、市場での実績など、さまざまな点でSAP Aribaを採用するのがベストとの結論に至りました」と、﨑田氏は明かします。

一方、間接材調達・購買改革は、それまでグループ各社が個別に行ってきた調達・購買のあり方を大きく変えることにつながります。そのため、改革によってアサヒグループ(ホールディングス)の調達・購買部門と、グループ各社との役割分担がどのように変わるのかをはじめ、それによってどのようなメリットが生まれるのかを、グループ各社の経営陣に丁寧に説明し、改革への同意を得ることに力を注いだといいます。

さらに、改革の推進体制も整備し、ロジスティックスやマーケティング、ITといった各領域での調達・購買(ソーシング)戦略の立案・実行を担うカテゴリーマネジメントチームと、カテゴリーマネジメントチームを支援する企画・推進チームから成る体制を築いています。

こうして改革の推進体制を整えたアサヒグループは、2019年からグループ各社に対するSAP Aribaと間接材調達・購買規制(ルール)の導入を順次進め、2020年1月には国内の主たるグループ各社への導入を完了させています。

現在は、間接材調達カバー率の向上と、それによるコストリダクションや調達・購買業務の品質向上/生産性向上に向けて、現場におけるSAP Ariba活用率や調達ポリシー遵守度、経理伝票作成の自動化率、請求書の電子化率、さらには支払業務のBPO化率などを指標にしながら、改革の取り組みを進めています。

また、グループ内でのSAP Aribaの活用率向上に向けて、SAP Ariba活用の目的・メリットを訴求・啓発する情報を、全社員を読者ターゲットにした『Ariba通信』を通じて発信しているほか、SAP Aribaのeラーニングも展開しています。

「こうした一連の取り組みにより、間接材調達カバー率80%など、2021年の定量目標の達成に向け、調達・購買の改革が順調に歩を進めていると言えます」(﨑田氏)。


SAP Aribaによるサプライヤマネジメントでグローバル調達・購買力を強化へ

アサヒグループは今後、SAP Aribaを活用しながら、グローバル調達・購買力の強化にも力を注いでいく計画です。それに向けて、同社はすでにグローバル調達・購買のスコープを図3のように
定義しています。

図3:アサヒグループにおけるグローバル調達・購買のスコープスクリーンショット 2020-10-19 9.47.07

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご覧のとおり、そのスコープは、「戦略的プロキュアメント」「購買オペレーション(の品質アップ・効率化)」「持続可能な調達活動」「ステークホルダーマネジメント」の4つの要素から構成されます。

「このうち、グローバル調達・購買の成功のカギを握るのが、ステークホルダーマネジメントであり、その中のサプライヤマネジメントを支える情報基盤として、SAP Aribaを有効に活用していくつもりです」と、﨑田氏は言う。

﨑田氏の言うサプライヤマネジメントとは、図4に示すようなPDCAサイクルによって戦略的プロキュアメントや持続可能な調達を実現するサプライヤを選り抜くことを指しています。

図4:アサヒグループのサプライヤマネジメント
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このサイクルを回しながら、SAP Aribaに情報を蓄積していき、グローバルな戦略的プロキュアメントや持続可能な調達を支える情報基盤として、また、間接材と直接材のグローバル調達・購買に共通して使える情報基盤として、SAP Aribaを有効に活用していくことが、アサヒグループの構想です。

SAP Aribaをシステム基盤に使ったアサヒグループの間接材調達・購買改革の取り組みは、
スコープを広げながら、着実に歩を進めているようです。

▼﨑田氏のインタビュー動画はこちら▼
アサヒグループホールディングス株式会社様 – SAP Aribaでグローバルな成長に資する調達・購買基盤の確立へ

 

<了>

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