SAP HR Connect Autumn 2020 DAY5 Session2|最新テクノロジーで実現する価値を創る組織―人と組織の新しいつながり


2020年10月26日~30日の5日間、オンラインで開催された「SAP HR Connect Autumn 2020」のDAY5(10月30日)後半は、SAPジャパン株式会社 人事・人財ソリューションアドバイザリー本部 ソリューションスペシャリスト 舩場 智代によるセッションをお送りしました。意識や働き方が大きく変化する現在、チームメンバーが離れた場所から働く分散型組織の広がりや、メンバーシップ型からジョブ型人事への移行を耳にする機会も増えました。一方、これまでの慣行やITインフラが変革の足かせになっているという声も聞きます。 本セッションでは自社の優れた点を残しながら新たな時代に高い付加価値を生む組織へと進化するために、最新HRソリューションをどのように活用すればよいのかをSAP SuccessFactorsのデモンストレーションを交えて、ご紹介しました。

SAPジャパン株式会社 人事・人財ソリューションアドバイザリー本部 ソリューションスペシャリスト 舩場 智代

SAPジャパン株式会社 人事・人財ソリューションアドバイザリー本部 ソリューションスペシャリスト 舩場 智代

冒頭、舩場は日本企業を取り巻く環境変化のトピックスとして、「この10年で稼ぎ頭の事業をシフトした企業は2割、それにより増益を実現した企業も存在する」「『ジョブ型』や在宅専門の採用」「ウィズコロナの新常識、出社率5割のカギは”自律”」の3つを挙げました。そして、これらの変化に企業の制度改革が追い付かず、従業員の多くは上司や部下を含む同僚とのコミュニケーションや業務進捗把握のしづらさ、そして評価の公平・公正性に対する不安が高まっている現状を指摘します。そして、こうした変化は働く目的意識にも影響を及ぼすとして、「新入社員のおよそ6割が就業先の選択においてやりがいを重視すると回答」、従業員に対する調査でも9割近くが「働き方や生き方を個人が選択することを推奨する会社で働きたいと回答」との調査結果*を示しました。

その上で舩場は、「日本企業特有の上意下達のマネジメントと不明瞭な仕事範囲、集合型前提でプロセス重視の評価、OJTを中心としたハイコンテクスト文化の中での人材育成といったこれまでの人事制度や慣習が、ビジネスと働き方の変化対応への足かせになっている」と述べ、「これからは、従業員が自らの成長のために自律的に行動すること、そして組織はその従業員の自律性をサポートする取り組みが求められます。」と説きました。

*マイナビ 2021年卒大学生就職意識調査、および, リクルートマネジメントソリューションズ 自律的に働くことに関する実態調査より

「分散型組織で自律的に、価値を生む働き方」とは?

続けて舩場は、SAPが考える「分散型組織で自律的に、価値を生む働き方」について、以下の3つのポイントを紹介し、そのための基盤づくりの重要性を説きました(図1)。

図1:分散型組織で自律的に、価値を生む働き方実現への3つのポイント

図1:分散型組織で自律的に、価値を生む働き方実現への3つのポイント

ここから舩場は、とある製薬会社の30歳女性チームリーダーをモデルにした、SAP SuccessFactorsのデモンストレーションを交え、人事制度とテクノロジーをいかに組み合わせて、どのように活用するのかを、上記3つのポイントに沿って紹介しました。

(1)理念やビジョンを理解し、社員自身が目標へ自律的に取り組む

この事例企業では、SAP SuccessFactorsの「ワークゾーン」という、個人の目標が最終的に企業の理念やビジョンの実現につながることを意識づける、ポータルサイトを活用。高頻度な1on1により、確実な目標達成の支援と、成果を公正な評価につなげる仕組みが提供されています。

SAP SuccessFactorsにログインすると、ポータルのトップページに人事情報、各種社内手続き、ラーニングプログラム、理念やビジョン浸透のための社長や役員のビデオメッセージ、社員のインタビューなど、あらゆる人事関連情報が、随時掲載されています(図2)。

図2:ポータルサイトTOPページ

図2:ポータルサイトTOPページ

さらに個人の業務情報を集約した「ワークスペース」では、満足度調査結果や個人の目標管理の進捗、各種ToDoタスクや休暇取得、経費使用状況などが人事システムだけでなく社内システムを横断した情報を把握できます。

図3:「自分のワークスペース」画面

図3:「自分のワークスペース」画面

「個人目標」の項目では進捗が可視化され、達成のためのアクティビティが表示されます。(図4)目標ごとのアクティビティにビューを切り替えるとさらに詳細が把握でき、例えば進捗が芳しくないアクティビティについて、上司にチャットで相談、アドバイスが受けられます。舩場は「こうした時と場所を問わない1on1のコミュニケーションと、さらに細かなタスクごとのミーティングメモの記録と共有が、個人の確実な目標達成をサポートします。」と、その効果を解説しました。

図4:個人目標の進捗可視化

図4:個人目標の進捗可視化

また、プロジェクト進行中にサポートを受けた他の従業員への感謝の気持ちを報酬付きで伝える「アプリシエイト機能」も実現可能です。舩場は「こうした機能で社内の協業と助け合いの精神を促進し、理念やビジョンに即して行動した社員を積極的に表彰することで、より一層の浸透を図ることが可能になります。」と語りました。

(2)社員自らが自身のキャリアをデザインし、道を拓き成長することができる

この事例企業では、新たなキャリアパスに社員自らが自律的にチャレンジできる社内公募制を採用しています。SAP SuccessFactors上に公募サイトを構築し、募集要綱や必要とされるスキル情報を掲載。告知から応募、必要書類の提出や面談日時の設定までを、シームレスに社員へ提供することができます。

この裏側には人事部門用の「自己申告ダッシュボード」があり、応募者の情報、コメントが一覧表示されます。テキストマイニングを利用した「ワードクラウド機能」を使うことで、条件に合致する社員をワンクリックで抽出、特定することが可能。人事業務においても1to1マーケティングに近い、キャリアのリコメンドを行うことが可能になります。

図5:自己申告ダッシュボード画面

図5:自己申告ダッシュボード画面

(3)組織として、社員のチャレンジを前向きに支援する仕組みの提供

新たなポジションへのチャレンジに必要な新たなスキルの習得には、閲覧数の多いe-Learningコンテンツや、オススメの研修がレコメンドされるポータルの「ラーニングページ」が活用されます。SAP SuccessFactorsは、自社のe-Learningコンテンツに加え、市場にあるコンテンツとの連携も可能です。

さらに、この事例企業では新たなポジションに異動した社員に対して、事例企業では早期に成果を出せる、迷いを取り除く仕組みにも、テクノロジーを活用しています。

人事部門はSAP SuccessFactorsの「オンボーディングダッシュボード」を活用。ここでは異動先で必要となるe-Learningや参考図書の提供、必要となる提出書類やタスクの案内、バディのアサインなどのサポートが行えます。これらのタスクはテンプレート化でき、人事部門は効率的に社員の異動後の立ち上がりのサポートが可能です。

さらにSAP SuccessFactorsは、業務で必要となるシステム処理操作をシステム自身が自動的に案内する機能を提供。これによりユーザーの業務習得・処理時間、入力ミスを大幅に削減することができると語る舩場は、「これまでに行ったことが業務にもストレスやミスなく高い生産性で業務を進められることで、これまでの経験を活かした高付加価値な業務に時間を割くことが可能となります。」とその効果を解説しました。

そしてSAP SuccessFactorsは、異動後の社員の満足度を測るアンケートも簡単に実施可能。「フィードバックによりPDCAサイクルを速め、最適な制度運用が実現します。」

最後に

舩場はまとめとして、SAP人事ソリューションの概要を「給与、育成、要因分析などの人事業務全般に加えて従業員エンゲージメントを測り高める機能を提供できる、人事ソリューションです。」と紹介(図6)。そしてSAP SuccessFactorsについて「年間2,000以上の機能追加や、パートナーソリューションとの連携強化により、その時代において働き手の皆様が最高のパフォーマンスを発揮できるエクスペリエンスを提供。日本でも多くのリーディングカンパニーでご活用いただいています。」と紹介しました。そして、「SAP SuccessFactorsはこれからも、新たな価値を創造するHuman eXperience Managementを実現していきます。」と結びました。

図6:SAP人事ソリューション概要

図6:SAP人事ソリューション概要