HPE 社の取り組みから見て取れる業界トレンドや DX 推進のヒントをご紹介!

作成者:SAP Japan イベント投稿日:2020年11月9日

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2020年9月16日に開催された「特別事例研究セミナー|働き方、経営を変えた HPE 社のデジタルトランスフォーメーションとは?」では、HPE 社の DXによるビジネスモデルとIT変革の目的から実施施策を解説すると共に、その変革をサポートしてきた デロイト社よりプロジェクト推進のポイントをご紹介。さらにSAPからはHPE 社の取り組みから見て取れる業界トレンドとDX 推進のヒントを解説いたしました。
本セミナーの模様はオンデマンドでこちらからご覧いただけます。)


新たな時代を見据えた新しい企業像を目指すHPEのデジタルトランスフォーメーション

日本ヒューレット・パッカード株式会社
ハイブリッドIT事業統括 プロダクトアーキテクト統括本部 製品技術本部
本部長 中井大士 氏

HPEの製造業としてのビジネスモデル変革

中井氏は冒頭「国際的な政治・規制とパンデミックなど、急激な変化が絶えず発生する時代には、テクノロジーの活用がビジネスの成否を左右する」として、HPEが直面する課題とその対策として図1を示し、「HPEは従来の売り切り型から、継続したコンサンプション、ソリューション型へのビジネスモデル変革と共にデジタル化、組織構造の変革を行っています。」と語りました。

図1:HPEのビジネス変革 課題と対応

図1:HPEのビジネス変革 課題と対応

そのためのHPEの戦略を示したものが図2です。中井氏は「as-a-serviceとは、まったく新しいビジネスを創出するのではなく、これまで行ってきたビジネスをベースにしつつ、販売の仕方とお客様の体験を変えて行こうという取り組み」と解説。「その変革のためには今、オンプレミスやパブリッククラウドにある大量のデータの活用が欠かせない」として、「あらゆる場所で、すべてのアプリとデータにクラウドエクスペリエンスを提供する」という、HPEの基本的な考え方を紹介しました。

図2:HPEの戦略

図2:HPEの戦略

さらに、この戦略を基にした方針が図3です。

図3:HPEの方針 New Cloud Service for “オンプレミス”

図3:HPEの方針 New Cloud Service for “オンプレミス”

as-a-serviceの例としては「HPE GREENLAKE CLOUD SERVICES オンプレミスで実現するクラウドサービス」が、既にグローバルで提供が始まっています。10種類以上の用途別メニューからWeb上でシステムの見積/発注がすべて行えて、14日間でお客様の指定場所に納品、利用に応じた従量課金で提供。そのプロセスの多くが、自動化されています(図4)。

図4:HPE GREENLAKE

図4:HPE GREENLAKE

中井氏はこれを実現するものが「あらゆるプロセスが連携し、自動化された“インテリジェントエンタープライズ”」とした上で、「重要なのはITだが、その一方で足かせになったのも社内IT」と語り、HPEが直面していた課題を示しました。短期間で選択と集中を図るための大規模な分社化や、フォーカス分野での新規買収などを行ったことによる複数のプロセス・ツールが混在、データが分散、多くのマニュアル処理と非リアルタイムといった課題です。そこでHPEでは、インテリジェント化に向けたIT基盤の構造改革である「HPE NEXTGEN IT」プロジェクトを実行しました(図5)。

図5:HPE NEXTGEN IT

図5:HPE NEXTGEN IT

中井氏はこの取り組みの特徴を「デロイト社とも協働でメトリックを定め、IT部門が実現をコミットしたもの」と紹介。そして「その中でも核心は10個あったERPをSAP S/4HANAの1つに集約した点です。HPEでは可用性やコントロールなど適材適所に配慮し、オンプレミス(プライベートクラウド)に配置しました。」と語りました(図6)。

図6:“SAP S/4HANAでシングルデータソース”を中心とするハイブリッドクラウドへ

図6:“SAP S/4HANAでシングルデータソース”を中心とするハイブリッドクラウドへ

このシンプル化した基盤でHPEが実現を目指すのが「NO TOUCH PROGRAM」です。中井氏は「見積から計上までのQuote to Cashフローを、人手を介さずに自動化する仕組み」と解説。さらにグローバルでは、受注から製造までを自動化する割合を現状の10%から70%まで引き上げる取り組みが推進されていることを紹介しました(図7)。

図7:NO TOUCH PROGRAM

図7:NO TOUCH PROGRAM

この後、中井氏は目に見える価値として顧客側の発注の流れを紹介すると共に、as-a-serviceモデルがビジネスを支える例として第3四半期に昨対+82%の成長、年間収益で昨対+11%成長している数字を示しました。そして、HPEはSAPと共同で「HANA ENTERPRISE CLOUD(HEC)CUSTOMER EDITION」のリリースしたことにも触れました。

最後に中井氏は、このプロジェクトの成功の要因を「HPE、デロイト、SAPの3社が協働したチェンジマネジメント」と結びました(図8)。

図8:HPE NEXGEN ITプロジェクト3社の役割

図8:HPE NEXGEN ITプロジェクト3社の役割


HPEの超大規模グローバルSAP導入案件を成功に導いた秘訣とは?

デロイトトーマツコンサルティング株式会社
パートナー・執行役員 関川修一郎氏

関川氏は冒頭、デロイト社の事業について「23万名を超える社員中、16,000名のコンサルタントがグローバルでSAP関連のサービスを提供しており、SAP S/4HANAマーケットにおいて155を超える稼働済みプロジェクト、30%に上る機能検証への参画、13の業界別テンプレート開発などの実績があります。」とその強みを紹介しました(図9)。

図9:デロイトのSAP S/4HANAにおける強み

図9:デロイトのSAP S/4HANAにおける強み

HPE NEXTGEN ITプロジェクトにおいてデロイトは2014年にアドバイザリーとして参画以降、2018年にはE2Eトランスフォーメーションパートナーとして1,000を超えるアプリ開発など次世代アーキテクチャの定義と実装支援と、エンドツーエンドのプロセス改善を実行。大きくR2R、P2P、L2Cの3つのプロセスに分けて推進されました。2020年からはグローバル運用サポートを提供し、HPEと共同でCenter of Excellenceを立ち上げています。

グローバル大規模プロジェクトを成功に導くポイントとして関川氏は「ヒト頼みの進め方ではなく、分析ツールを活用した科学的アプローチによる立ち上げが重要」と語りました(図10)。

図10:グローバル大規模プロジェクト立ち上げ時のポイント

図10:グローバル大規模プロジェクト立ち上げ時のポイント

関川氏はその詳細も解説。SAP S/4HANAのプロセスマイニングによる業務分析にデロイトの知見をかけ合わせ、DPA(デロイトプラットフォームアナライザー)を用いて移行のプランニングを進めたとのことです。加えてデロイトの業界標準プロセスとSAP標準テンプレート(DLeaPS)を活用し、余計なアドオンを排除するFit to Standardを強力に推進しました(図11)。また、「このような大規模なグローバルロールアウトを成功させるには、真のスタンダードを定めるためのローカル向けワークショップでの要件出し(吸い上げ)プロセスを経ることが、その後のFit to Standard推進において非常に重要です。」と語りました。

図11:Fit to Standardを強力に推進

図11:Fit to Standardを強力に推進

続いて関川氏はグローバル展開における検討事項として、以下の5つのポイントを紹介(図12)。

図12:グローバル展開における主な検討事項

図12:グローバル展開における主な検討事項

最後に関川氏は本プロジェクトの成果のまとめとして「既に100か国でのロールアウトが完了し、45か国で1万人を超えるユーザーが利用を開始している」と語り、5つの成功ポイントを挙げました(図13)。そして「この3年以上に及ぶグローバル大規模プロジェクトで得た知見は、海外からのロールイン案件のみならず日本発のグローバルロールアウト案件にも活用可能です。」と結びました。

図13:プロジェックトまとめ

図13:プロジェックトまとめ


HPE社の取り組みに見る製造業のトレンド

SAPジャパン株式会社
インダストリーバリューエンジニアリング事業統括本部
インダストリープリンシパル 柳浦健一郎

柳浦はSAPから見たHPEのDXの特徴として以下の3つのポイントを挙げ、顧客を中心としたビジネス変革であること、ビジネス部門とIT部門がしっかりコンセンサスを取り進めたこと、業務プロセスの自動化に明確なKPIを定め到達率を可視化しながら進めていること、デジタル時代の働き方として人が付加価値の高い業務に集中できるインテリジェントエンタープライズなど、その特徴を解説しました(図14)。

図14:SAPから見たHPE社DXの特徴

図14:SAPから見たHPE社DXの特徴

柳浦は、この取り組みで見えてきたDXへの6つの視点として図15を示し、「これらはあらゆる企業が見つめておくべき重要な視点」として、MicrosoftやLexmarkなど代表的な企業の事例を交えて解説しました。

図15:DXへの6つの視点

図15:DXへの6つの視点

この中で「モノからコトへ」についてフォーカスしたのが図16です。柳浦は「モノ売りからサービスなどをバンドルしたソリューション売りに、そしてさらに進んだものが成果ベースモデル」と解説。

図16:モノ売りからソリューションや成果(コト)売りへの転換

図16:モノ売りからソリューションや成果(コト)売りへの転換

そして、このビジネスモデル変革を実現するためにはビジネスプロセス変革が欠かせないとして、項目に応じたSAPの支援ソリューションを紹介しました(図17)。

図17:ビジネスモデルを変革するには

図17:ビジネスモデルを変革するには

柳浦は最後にまとめとして、「DXは全社一丸となって進めて行く必要がある。変化が激しい時代だからこそ、デジタルを活用した競争力の強化と働き方の変革を」と語り、「DXについての相談はぜひHPE、デロイト、SAPにお声がけください」と結びました。

図18:まとめ

図18:まとめ

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