SAP PCFA(Product Carbon Footprint Analytics)紹介
作成者:福岡 浩二 投稿日:2021年1月25日
地球全体での脱炭素社会に向けて、国内外で急速に新しい取り組みが進んでいます。
先進的な企業では、自社の排出量責任だけでなく、調達先の企業にもCO2排出量基準を要請するなど、バリューチェーン全体へその影響が広がっています。
本投稿では、SAPが気候変動対策として立ち上げたプログラム「CLIMATE21」のうち、第一弾として発表した ”SAP PCFA(Product Carbon Footprint Analytics)”の代表的な画面を紹介します。
(画面は四半期単位で更新され、あくまで投稿時点(2021/1/25)で提供しているものです)
まず、SAP PCFAが解決出来うる課題についてご紹介しておきます。
多くの企業で、各部門や拠点別CO2排出情報を蓄積はしているものの、日常的な管理が出来ておらず、削減に向けた改善活動にまでつながらないという課題をよく伺います。
SAP PCFAを導入することで、常に最新のCO2排出量を必要な視点で関係者が可視化及び改善に向けた判断を可能にし、企業全体のCO2排出抑制を実現することが出来ます。
必要な視点は、下記のとおり業務の流れを想定したビジネスシーンを提供しています。
以下、上記図内の番号毎に提供されたコンテンツ画面を紹介したいと思います。勿論これらを個々の要件に柔軟に設計し直すこともできます。
コンテンツは「入力」と「分析」の2種類に大別され、上記では、業務パターン6種類+CO2排出コストの「入力」画面の説明コンテンツです。以下より1つずつ紹介します。
1.購買原材料
製品を構成する、原材料単位でCO2排出量をベンチマーク・実績値をWeb画面上で入力・更新します。画面入力後はHANAで即座に集計され、関係者にその結果を可視化することが出来ます。
左上の「27」という数値は縦軸の数(今回は原材料マスタ数で以下同様)を表しています。
2.入荷輸送
自社製造拠点に輸送する際に発生するCO2排出量を管理する画面です。
3.エネルギー/活動
製造拠点で利用するエネルギーや活動に伴い発生する排出量を管理する画面です。
4.直接排出
商材が直接排出する量を管理する画面です。この画面では、直接入力するほかに、個々の単位ではデータを保持していないケースのために、商材販売量・原材料比率・活動種別を基準に配賦で割り当てる選択肢も用意しています。(画面中央上の3つのボタン)
5.出荷輸送
自社商材を販売拠点など外部に輸送する際に発生するCO2排出量を管理する画面です。ここでも販売数量に応じて配賦できる選択肢も提供しています。
6.間接排出
上記のシーン以外の間接的に発生するCO2排出量を管理する画面です。
7.CO2コスト
CO2排出に伴うコストを管理できる画面です。
次に、1〰7で入力した結果を分析する画面をいくつかご紹介します。
8.全体概要
CO2排出に関わる全体の数量を俯瞰的に見て、ボトルネックを簡単に確認出来ます。
9.地域
地域を基軸として、時系列・業務・地域比較する分析画面を提供しています。これらは例えばレイアウトを変更したり、チャート種別・深堀(ドリルダウン)などを自由に行うことが出来ます。(以下の画面も共通)
10.製造拠点
製造拠点(Plant)を基軸として、様々なCO2排出量を分析する画面を提供しています。
11.組織
組織を基軸として、様々なCO2排出量を分析する画面を提供しています。
12.製品
製品を基軸として、様々なCO2排出量を分析する画面を提供しています。
13.カーボンコスト
CO2排出に伴うコストに関して、様々な分析を行うことが出来ます。
14.ランクビュー
業務シーン(横軸)毎に排出量をソートしたランク結果を表示し、各業務及びそこでの問題点を分かりやすく確認することが出来ます。
以上が、SAP PCFAで提供している代表的なコンテンツです。
今後も気候変動含めたサステナビリティーに関するコンテンツの追加及び関連するソリューションが追加されましたら、こちらでも発信していきたいと思います。
ぜひ、皆様の企業でCO2削減及びそれに関連する取り組みにご関心があれば、まずはお気軽にご相談下さい。
そして、ぜひ一丸となって未来に負の遺産を残さないよう、脱炭素社会の実現に向かっていければと思います。