多様化する学習ニーズに応える人材育成ソリューション
作成者:藤田 園子 投稿日:2021年3月22日
本稿では、企業研修に対する質的・量的な変化について確認するとともに、その変化に対応し研修管理業務を改革するために、SAP SuccessFactorsの活用がいかに有効かを、解説していきたいと思います。
変化を求められている企業研修
従業員の学習ニーズは、昨今多様化してきています。まず、With(アフター)コロナにおける働き方の変化により、これまでの集合研修からE-ラーニングや、Web会議ツールを活用したWeb研修やセミナーへといった研修形態の移行です。また研修内容も、これまでは、5年目研修、主任研修、課長研修、といった階層別の研修のように、同じ内容の研修を多くの従業員に対して画一的に実施されるケースが多かったと思われます。しかし、組織の中には性別、年代、職種やバックグラウンドが違う多様な従業員が働いています。一人一人、仕事や人生に求めていることも違うはずです。こういったことから、個々の学習ニーズにあった学習コンテンツを、それぞれのニーズに合ったスタイルで届けることが求められるようになっているのではないでしょうか。そうなると、現在の研修管理業務そのものも、見直す必要があるのかもしれません。
これまでの研修管理業務は、企画して、研修コンテンツを作って、対象者を決めて、実施し、受講者からアンケート取る、といった形だと思います。ではこれを、従業員一人一人の学習ニーズに合致した研修を届けるためのサイクルに変えるには、どうしたらいいでしょう。まず研修の企画に社内の学習ニーズをきちんと反映する必要があります。学習ニーズは、いつどういう人材が何人必要になるかを決める事業計画、誰にどういう能力を付けてほしいかという育成計画、従業員がどういったキャリアを歩みたいかというキャリア計画から、把握することができます。
研修企画の精度の向上と、結果的にコースの数も増やす必要があるかもしれません。
そして、受講者からのフィードバックは、分析して、今後のコースの改善に役立てていく必要があります。実際、多くの企業様のお話を伺う中で、アンケートのデータを十分に活用できてないといった課題をよくお伺いします。
まとめますと、多様化する学習ニーズとして、まず、研修形態がEラーニングやWeb研修に変わっていっていること、
階層別研修から、個々のニーズに合った研修が求められていること、そういったニーズに対応するためには、組織全体の学習ニーズを、事業計画、育成計画、キャリア計画、3つの観点から正確に把握すること、計画やフィードバックを基に研修企画の制度を上げ、学習ニーズに対応するためにはコースの数、コンテンツの内容を充実させていく必要があることがわかりました。
このようにして学習ニーズに応えて、研修管理業務を変革していく、口で言うのは簡単ですが、どこから手をつければよいか、どのように進めればよいか、お悩みだったり、膨大な工数がかかるのでは、と、ご心配のお声が聞こえてきそうです。でも、ご安心ください。SAP SuccessFactorsではこのサイクルをカバーする機能が1つのプラットフォームに揃っています。
集合研修からEラーニング・Web研修へ
SAP SuccessFactorsの研修管理ソリューションは、Skillsoft、Udemy、LinkedInなど、様々なコンテンツを提供されているEラーニングシステムともシームレスに連携することができ、幅広い学習ニーズに柔軟に対応することができます。また、Web研修・バーチャルラーニングに関しても、オンライン会議システムとの接続により、効率的に企画、開催、参加することができます。具体的には、開催されるコースにアクセスするURLを自動的に参加者へのメールに張り付けたり、出欠を自動登録するといったことが可能になります。
個々・組織のニーズの把握
1)事業計画
SAP SuccessFactors 要員計画ソリューションでは、事業戦略に基づき、職種別や部署別に将来必要な人数を計画することができます。そうすることで将来の要員数の不足や余剰がどこに生まれるかが明確になるので、不足する職種に要員を配置するために、学びなおしの研修ニーズが発生します。
2)育成計画
社内の重要ポストの後継者候補を管理する後継者管理ソリューションでは、後継者候補にノミネートされた従業員の育成計画を設定できます。育成計画では、メンタリングプログラムやフェローシッププログラムのマッチングやステータス管理はもちろん。育成の一環として研修を受講させるという計画を入力できるので、これも学習ニーズを測るインプットになります。
3)キャリア計画
従業員それぞれがキャリア目標を自己申告する場面ではキャリア開発ソリューションをご活用いただけます。中長期的なキャリア計画を立てるにあたって、目標とするポジションに就くために伸ばすべき能力と、今持っている能力のギャップが可視化されています。そのギャップを埋めるための活動として、受講したい研修を選択することができます。推奨されている研修一覧には、社内で準備したコースだけではなく、SkillSoft、Udemy、LinkedInなど、外部連携したコースを多数含むことができます。これも、学習ニーズのインプットとなります。
将来目指すキャリアは、自分自身で検索することもできますが、機械学習(People Like Me)により、類似しているユーザーを人事プロセス全体の情報から機械学習で分析し、その傾向をもとに、キャリア開発の機会をシステムが推奨します。自分自身では予想し得ないキャリアでも、本人の適正から提案するため、将来のキャリアの検討の幅が格段に広がります。
4)フィードバックの反映
SAP SuccessFactors研修管理ソリューションで研修に申し込み、実施した後、時間をおかずに、Qualtricsのアンケートを配布することができます。アンケート結果は、自動的に下図のようなダッシュボードに変換されます。全体的な研修への満足度、年代別等級別職種別に、満足度の強弱があるのか、などを一目で把握できるだけではなく、満足度を下げている理由は何なのかも、自動的に示してくれます。システムから改善ポイントを提示することもでき、研修コンテンツ改善のための具体的なアクションを直ぐに実行することができます。
研修企画の精度向上・従業員の学習意欲向上
先述の方法で効率的に個々・組織の学習ニーズを把握し、集まった情報を基に、研修企画の精度、従業員のモチベーションを向上させるために、SAP SuccessFactors研修管理ソリューションをご活用いただけます。
管理者の細かい権限管理により、各研修主管部所に必要な権限を付与することができ、権限委譲が可能となり、それぞれの研修管理者の負担を軽減させることができます。また、従業員の学習ホームページでは、機械学習により、従業員が興味を持っているトピックに関連したコースや、社員属性、受講歴、同僚や類似するユーザーの受講履歴やコース評価を基に、パーソナライズされたおすすめ研修が表示されます。受講する、興味がなし、削除などの従業員のアクションを基に、AIエンジンがさらに推奨ロジックを精緻化し、その制度が向上します。
本稿では、多様化する学習ニーズに対応する人材育成ソリューションとして、SAP SuccessFactorsのほんの一部の機能をご紹介しました。学習ニーズだけではなく、その他様々な人材育成、組織管理における課題を解決するご支援が可能なソリューションSAP SuccessFactorsのより詳細な情報、デモンストレーションのご要望は、下記フォームに記載ください。
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