SAP Japan Customer Awardを通じたお客様の成功をさらに加速させる意識改革


SAP社員に聞く、ニッポンの未来へ向けた取り組みと想い

ニッポンの「未来」を現実にするために、SAPジャパンの社員は今、何を想い、考え、行動しているのか。今回からスタートするこのシリーズ企画では、SAPジャパンの社員が自らの志(パーパス)を持って取り組んでいるさまざまな変革プロジェクトを取り上げていきます。今回は、さる2月に初の受賞企業が発表された「SAP Japan Customer Award」の創設の背景や、共に変革に取り組むお客様へ向けた私たちの想いなどについて、運営責任者である常務執行役員 チーフカスタマーオフィサー 兼 戦略顧客事業担当の佐野太郎さんに話を聞きました(聞き手:SAP編集部)。

SAPジャパン 常務執行役員 佐野太郎

SAPジャパン 常務執行役員 佐野太郎


 

未来に向けたお客様の成功に貢献するための3つの視点

まず、SAP Japan Customer Awardが創設された背景について聞かせてください

佐野 SAPジャパンは2032年までの中長期ビジョンであるニッポンの「未来」を現実にするために「お客様の成功にとってなくてはならない存在」になることを掲げています。この目標を実現するための議論の中では、「お客様」「SAP」、そして「社会」という大きく3つの視点があります。

まず「お客様」の視点についてですが、デジタル化の進展によってさまざまな新サービスが生まれる中で、お客様の価値観は大きく変わりつつあります。たとえば、これまでは車を「所有」することが価値の基準だったのが、現在はそれを使って家族や友人とドライブを楽しむことや、目的地に移動するといった「体験や実際の成果」に、より大きな価値が置かれるようになりました。

ソフトウェアに対する考え方も同じで、クラウドやサブスクリプションなどの利用形態が主流になるにつれて、SAP製品をただ導入すればいいということではなく、それを使ってどのようにビジネス成果を上げるかがより重要なポイントになってきています。

そうなれば、私たち「SAP」の視点にも当然変化が生まれてきます。製品を売って終わりではなく、お客様がより多くの成果や価値を生み出すために、成功を届けるまで責任を持ち、さらに成功したかを確認することを目指さなければなりません。私たちのビジネスのあり方や考え方も、これまでとは大きく変わってきているのです。

もう1つ、「社会」という視点も重要です。お客様が実現したDXや業務改革の成果を広く発信することで、同じように頑張っている他の企業や人々の励みにしていただき、同時に日本の産業界の活性化につなげる。こうして社会全体に貢献していく上でも、やはりSAPの役割は非常に重要です。

このように「お客様」「SAP」「社会」という3つの視点を踏まえた未来イニシアティブとして、新たに創設されたのがSAP Japan Customer Awardです。
 

アワードの選考を通じて、自らのマインドチェンジを実感

特に大きな課題を感じているのはどういった点でしょうか?

佐野 3つの視点の中でもとりわけ重要なのは、SAPの視点=私たち自身の意識改革です。SAPのソリューションやサービスを利用するお客様が目指す成果へのコミットメントをこれまで以上に高めて、一緒に走り続けるという“マインドチェンジ”を多くの社員にもたらしたいというのが私の大きな願いです。

ここでヒントになったのは、有名な近江商人の「三方よし」や「商売十訓」です。例えば、「売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる」や「無理に売るな、客の好むものも売るな、客の為になるものを売れ」といったものです。これらの教訓は、まさに私たちの社内の業務改革・意識改革の原動力となるものです。今回のアワードは、その実践に向けた第一歩だと言えます。

2月17日のアワード発表では、5部門に分かれて各企業・団体がそれぞれ受賞されていますね

佐野 この5つの部門=表彰分野は、2020年に発表されたSAP ジャパンの重点的なビジネス領域とも重なるものです。営利企業だけではなく、非営利団体も表彰対象としたのは、当社のナショナルアジェンダ、すなわちSAPジャパンが日本の社会課題の解決に積極的に貢献していくという方針を反映しています。

参考:「SAP Japan Customer Award」を新設、初代受賞企業を発表

選考にあたっては、どのような点を重視したのですか?

アワード発表の新聞記事

受賞企業は日経新聞や日経電子版でも公表

佐野 選考のプロセスは、SAPジャパンのすべての社員から「自分が関わっているお客様の取り組みの中で、アワードの趣旨にかなった成果を生み出しているプロジェクト」を推薦(ノミネーション)してもらうところから始まります。そこでノミネーションされた企業・団体について、私たちや社員から選ばれたメンバーで検討し、最終段階では日本のSET (Senior Executive Team)メンバーも加わって決定しました。

選考の基準としては、近江商人の教訓にもある通り、「売るよりも、売った後が大切」「最終的な目標はお客様の成果の創出」という基準を重視しています。一般的に企業が設けているアワードでは、多数の製品を導入・活用してくださったお客様を評価する傾向があります。しかし、SAP製品はあくまでツールであり、真に称えるべきはお客様自身の成功へ向けた熱意と成果です。そのため、今回も「本当に価値ある成果を出せた」点を大きな評価ポイントとしました。

今回の選考は、現場の社員にも大いに刺激になったのではないですか?

佐野 その通りだと思います。選考する私たち自身が “マインドチェンジ”を強く意識できた点は、大きな成果ではないでしょうか。私たちの意識変革の最終的な目標は、すべての社員が「自分が何をすれば、お客様により良い体験や実際の成果をもたらすことができるのか?」を常に意識できるようになることです。
また、「自分が顧客の立場ならどう考えるか?」を常に念頭に置いて、「その立場でSAPの製品、サービス、サポート、コミュニケーションを高く評価できるか?」も意識してほしいと考えています。

日本では現在、コロナ禍の影響もあって「ジョブディスクリプション型雇用」が話題になっています。SAPジャパンでも採用されているこの考え方は、達成すべきKPIが明確で、そこに集中できる点はいいのですが、一方でお客様から自分のジョブ以外のご相談を受けた際に、「それは自分の担当ではありません」となってしまう懸念もあります。これでは、お客様の成功を最後まで責任を持って見届けることはできません。

こうした状況は、意識変革を通じて変えていかなければなりません。常に「お客様が成功するには?」「お客様が喜んでくださるには?」と考える企業文化を根付かせることが大切です。

受賞企業を表敬訪問、表彰盾をSAP Japanの会長・社長より贈呈

受賞企業を表敬訪問、表彰盾をSAP Japanの会長・社長より贈呈


 

業種を越えたネットワークが日本を活性化する

今回どのような成果があったのか、また今後の展望を聞かせてください

佐野 すでにお客様からはさまざまなフィードバックをいただいていますが、なかでも「自社内でのプレゼンスが向上した」という声が聞かれたことは大きな成果です。今回アワードを受賞したような素晴らしいプロジェクトであっても、意外なことに社内ではほとんど知られていないケースが珍しくありません。

それが今回のアワードの発表やメディア報道をきっかけに、「うちの会社はこんな取り組みをしていたのか」と社内での認知が拡がり、初めて社長や役員に「こんなことをやっています」という話ができたという方もいらっしゃいました。このようにお客様の活動とその成功を内外に知らしめる上で、今後もSAP Japan Customer Awardが一役買っていければと考えています。

また、選考の過程で候補に上がったお客様企業同士のつながり=ネットワークの構築にも注力していきたいですね。現在のビジネスの中で、業種の垣根はほとんどなくなっています。特にデジタル技術を活用した業務改革の領域では、むしろ他業種の事例の方が参考になるほどです。そういう交流の場のお手伝いをSAPジャパンが先頭に立って進めていければと思っています。

もう1つ、アワードの受賞事例を広く海外に発信していくことにも重要な意味があります。日本企業の先進的な取り組みを世界の人々に知ってもらうことで、日本企業のプレゼンスを高め、ひいては日本のビジネスの活性化にも貢献していきたいです。