SAP S/4HANAとSAP SuccessFactorsの統合で実現するIntelligent Enterprise

作成者:神戸 美香投稿日:2021年7月1日

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デジタルビジネスへの変革を支えるSAPソリューションとSAP SuccessFactors

お客様のデジタル変革を加速するために、SAPはインテリジェントエンタープライズというビジョンを提唱しています。このインテリジェントエンタープライズの戦略おいて、SAP SuccessFactorsはどのような位置づけなのでしょうか。

企業の業務プロセスを統合的に管理するアプリケーション群であるインテリジェントスイート。その中核として、SAP S/4HANAは企業の基幹業務をデジタル化し、財務データや生産物流のデータのリアルタイムでの管理、分析を実現してきました。

SAP SuccessFactorsは、非財務データの中でも重要な要素である「人」つまり従業員のデータのコアとなっており、Best-of-Breedのクラウドサービスとして、SAP S/4HANAや他のSAPソリューションと、IDやアクセス管理、マスタデータ連携や統一されたUI・UXを通じて連携・統合されています。

SAP SuccessFactorsのご紹介

SAP SuccessFactorsは、人事管理や組織管理、給与管理といった人事給与業務から、人材育成、目標評価や要員分析など、あらゆる人事業務を網羅するだけでなく、機械学習やビックデータ分析などの最新のHRテクノロジーを活用した機能をフルクラウドで提供しています。そして、日本の法要件だけでなく、欧州のGDPRをはじめ、世界各国の法要件・業務要件に標準で対応する日本で唯一のクラウドソリューションです。

また人事業務の拡張にとどまらずSAP S/4HANAをはじめとしたSAPソリューションとの連携、多数のSAPパートナー製品との連携も可能で、経費管理ソリューションのSAP Concurとの組み合わせで従業員の経費処理プロセスの統合や、外部人材管理ソリューションのSAP Fieldglassと組み合わせた正社員・非正規社員のトータルワークフォースの最適化等、将来に向けた高い拡張性を持ったソリューションとなっています。

さらに、SAP S/4HANAやSAPソリューションの情報を統合したヘッドカウントや人件費の分析など業務横断的なデータ活用により、迅速な人事施策、経営判断の支援を可能としています。

SAP SuccessFactors を中核とした Intelligent Enterprise HR の実現

SAP S/4HANAとSAP SuccessFactors連携の利点

ここからは、SAP S/4HANAをお使いのお客様が、SAP SuccessFactorsをご利用いただくことによるメリットについてお話しいたします。

SAP以外の人事システムをお使いの場合、SAP S/4HANAとの連携においてこのような課題をお持ちではないでしょうか。

  • 分析面の課題:システムが分かれていて、財務データ・非財務データを横断的に分析する仕組みがない
  • データ連携の課題:インタフェースの作りこみが多く、システムが変わるたびに改修が必要
  • システム統制の課題:IDが統合できていない、入社や異動のデータが各システム間ですぐ反映されない
  • プロセスの課題:プロセス、UIがバラバラで別々のシステムで見なければいけない

これらの課題はSAP SuccessFactorsを導入いただくことで以下のように解決します。

1.分析面での課題

システムがバラバラで、業務ユーザーが自分に必要なデータを自分で出力することができない、あるいは経営層が財務データ・非財務データもとに戦略的な判断をおこないたいのに、それらを横断的に分析する仕組みがないという課題に対し、SAP SuccessFactorsとSAP S/4HANAを一緒に使っていただくことで、どういった効果が得られるか見ていきましょう。

人事およびタレントデータと財務および業務データを掛け合わせた高度なデータ活用を実現

SAP S/4HANAと組み合わせることで、財務データも含めた分析が可能となります。労働力のパフォーマンスの画面では、財務と人事データのメトリックス、例えば総労働力に対するコスト比率や、FTEあたりの営業費用や、給与・福利厚生費用等が表示されています。さらにコストセンターあたりのコスト比率や、総人件費の比率の実績値と計画値、総労働力コストの内訳、FTEあたりの営業費用の分析、コストセンターごとのオペレーションコストや営業費用の動向を確認することができます。

こうして、人事およびタレントデータと財務データを掛け合わせることで、ヘッドカウントやFTEごとの人件費や営業コスト、さらには売上や利益のデータも含めて分析することで、より精緻な事業戦略の立案へとつなげることができるのです。

2.データ連携について

インタフェースの作りこみが多く、システムや制度が変わるたびに改修が必要となる、という課題があります。人事システムとSAP S/4HANAの間ではコストセンターの情報や銀行の情報、また従業員や組織のマスタ、給与計算結果の仕訳データ等多くのデータ連携が発生します。多数のインタフェースの作りこみを行うと、制度やシステムの修正のたびに、改修作業が発生してしまいます。

SAP製品同士の連携として事前定義のある連携内容

SAPではSAP SuccessFactorsとSAP S/4HANAとのデータ連携のために、事前定義された連携テンプレートを用意しており、短期間で、また確実にエンドツーエンドのデータ連携を実現しています。

さらに、SAP S/4HANAに限らず、SAP SuccessFactorsとその他SAPソリューションとの間でも従業員や組織データ、勤怠、会計データの連携が必要となります。連携先や、業務シナリオに応じて、数多くの事前定義済み連携パッケージが標準で提供されています。

事前定義済み連携パッケージへのアクセスSAP API Business Hub

こういった事前定義済み連携パッケージはSAP API Business Hubから参照することができます。

 

一方で、人事システムはSAP以外の外部システムとも数多くの連携をしているというケースも多いのではないでしょうか。

SAP SuccessFactorsでは先ほどご紹介した事前定義済みのテンプレート以外にも、自由度の高いインテグレーションツールを用意しています。SAP SuccessFactorsに標準で含まれているインテグレーションツールや、SAP Business Technology PlatformIntegration Suiteにて、追加開発不要で任意のフォーマット、任意の連携先に対して、自由度の高いインテグレーションを設定可能です。

3. システム統制の課題

次に、システムがバラバラでそれぞれのシステムでIDが分かれている、あるいは、従業員の入社や異動のデータ、権限の変更が各システム間ですぐ反映されず、システム統制上の課題についてみていきましょう。

SAP SuccessFactorsとSAPのクラウドID管理サービスとの連携

システム統制上の課題を解決するために、SAPではSAP Cloud Identity Service – Identity ProvisioningIdentity Authenticationといった、クラウドID管理サービスを提供しています。

SAP Cloud Identity Services - Identity Provisioning

SAP Cloud Identity Service – Identity ProvisioningはクラウドでのIDライフサイクル管理を行うサービスです。SAP SuccessFactorsをソースシステムとすることで、従業員のイベントごとにエンドツーエンドでIDのライフサイクルの管理ができます。

例えば、SAP SuccessFactorsで従業員の入社データを登録すると、それに基づいてIdentity Provisioningサービスでユーザーカウントの配信とアクセス権の割り当てを行い、SAP SuccessFactorsやSAP S/4HANA Cloud、その他SAPのクラウドソリューションにプロビジョンします。さらに後述するSAP Cloud Identity Access Governanceをご利用いただくと、S/4HANAオンプレミスやそのほかシステムへのプロビジョニングも可能となります。従業員が役職やポジションを異動したり、昇格した際はそれに合わせて必要なシステムへのアクセス権を更新します。従業員が退職したときは、ユーザーとアクセス権のデプロビジョンを行うので従業員は、退職以降、社内のシステムへのアクセスができなくなります。こうした従業員のライフサイクルに応じて、ユーザーIDやアクセス権のライフサイクル管理を自動化できます。

SAP Cloud Identity Services - Identity Authentication

SAP Cloud Identity Service – Identity Authenticationはクラウド上でSAPおよびSAP以外のアプリケーションにアクセスするための認証サービスです。Identity Authentication Serviceによって、ユーザーはSAP SuccessFactorsやSAP S/4HANAなどのSAPソリューションに加え、その他、SAML 2.0対応のクラウドアプリケーション、あるいはオンプレミスのアプリケーションに認証、シングルサインオンでアクセスすることができます。

SAP Cloud Identity Access Governance

IDやアクセス権の配信や、IDの認証にとどまらず、権限まで含めたより高度なライフサイクル管理を行う場合は、クラウドのアクセスガバナンスソリューションであるSAP Cloud Identity Access GovernanceIAG)がご利用いただけます。従業員のロールの変更に応じて、各種システムへの権限の付け替えを行ったり、リスク分析などを自動化することができます。

IAGの詳細については、ブログ記事:SAP Cloud Identity Access Governance (IAG) の概要をご参照ください。

こうして、SAPのクラウドのID管理サービスにより、認証やID、権限配信を自動化することができ、システム間での統制が可能となります。

 4. プロセスの課題
最後に、プロセスやUIが業務ごとにバラバラでプロセスの統合が取れていない、という課題についてです。

SAP Work Zone

SAPでは複数のアプリケーションを横断する統合型エクスペリエンスプラットフォーム、SAP Work Zoneを提供しています。

これは、一つのプラットフォームの中で、SAP SuccessFactorsだけでなく、SAP S/4HANAやそのほかのSAPソリューション、お客様固有のアプリケーションを統合することができます。

一つのエントリポイントから、SAP SuccessFactorsの評価にかかわるタスクや、SAP Concurの経費精算にかかわる承認依頼、SAP S/4HANAのプロジェクト管理タスク等、複数の関連性の高いアプリケーションやプロセスにアクセスすることができます。

従来のイントラネットの枠を超えて、パーソナライズされたモダンかつ直感的なデジタルワークスペースを従業員に提供し、生産性の向上とエンゲージメントの促進を行います。

 

SAP S/4HANAをお使いのお客様が、SAP SuccessFactorsをご利用いただくことで、以下のように課題を解決することができます。

  • 財務データ・非財務データを横断した分析や統合型エクスペリエンスによるUXの統合など、エンドツーエンドでのプロセス統合が実現できます。
  • また、事前定義済みの連携コンテンツや連携ツールにより短期間で確実なデータ連携も可能となります。
  • クラウドID管理サービスを通じて、システム統制を強化します。

これにより、プロセスとデータを統合したインテリジェントエンタープライズとなって、激しく移り変わるビジネス環境の変化に伴う組織変更に迅速に対応できるITプラットフォームを実現できるのです。

 

SAP S/4HANAとSAP SuccessFactorsで、お客様のビジネスのデジタル変革のより一層のお手伝いができれば幸いです。

 

SAP SuccessFactorsの製品詳細についてはこちらをご参照ください(https://www.sap.com/japan/products/human-resources-hcm.html)。

導入・活用事例をビデオや資料でご案内しております。(https://www.sapjp.com/blog/hxm/)

 

 

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