SAP HR Connect 2021~企業変革をリードする人事の挑戦~ Day2レポート

作成者:SAP SuccessFactors編集部投稿日:2021年7月13日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年6月24日・25日、第27回目となるSAP HR Connect 2021が開催されました。昨年から続くコロナ禍の影響を鑑み、3回目のオンライン開催となった今回は、事業目標達成のための人創り・組織活性化にチャレンジする人事リーダー4名による講演、コンサルティングファームによるHRトランスフォーメーションのヒントおよびSAPの最新HRソリューションを紹介するセッションが実施されました。企業変革をリードする人事に迫った各セッションの見どころをレポートします。

SAP HR Connect 2021 オンデマンドサイトはこちら

DX企業への変革に向けた人事部門の取り組み

富士通株式会社
執行役員常務 CHRO
平松 浩樹 氏

DX企業への変革を目指して「ジョブ型人材マネジメント」へと移行

富士通は“イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと”をパーパスとして掲げ、2019年6月にはIT企業からDX企業へ変革していくことを宣言しました。その中で人事部門の果たすべき役割について、平松氏は次のように説明しました。

「DX企業に変わるには、組織のカルチャーを変え、人材も変わっていかなければなりません。DX企業への変革のスピード感に合わせて、人事の仕組みを変えていく必要性がありました。」

さらに平松氏は「人事の仕組みは一貫性を持ってトータルに変えていく必要があります」と続け、「カルチャーを変革する上では、ジョブ型の仕組みがフィットすると考えました」と強調します。

富士通では2020年4月1日よりジョブ型人材マネジメントへと移行、まず国内グループ会社1万5000人の管理職に対して、グローバル共通基準で職責の格付けを行い、各職責に対応する定額制の報酬体系を決めました。ポスティング制度も導入し、より大きな職責へチャレンジしてもらえる機会も設けています。また今年度からは新たな評価制度「Connect」を導入し、パーパスの実現を基本とする各組織と個人の成長を目指しています。

ニューノーマルな働き方を目指す新たな取組み「Work Life Shift」

昨年4月の緊急事態宣言発出後、富士通ではほぼ全ての社員が在宅テレワークに移行しました。以前から全社員が利用できる富士通テレワーク制度がありましたが、実際の利用はなんらかの事情がある方に限られ、10%程度に留まっていました。

「コロナ禍によりテレワークが常態化したことで、オフィスでは曖昧にしていたこともきちんと言語化しなければ伝わらない、でもそれは実は効果的なことだ、という意識が生まれてきたのです。こうした中でWork Life Shiftというコンセプトを設定しました。Smart Working, Borderless Office, Culture Changeという3つの柱で構成されるもので、今後のニューノーマルな世界で仕事と生活がトータルで良好な状態になることを目指すものです。」

Smart Workingは、最適な働き方を実現するための取り組みで、コアタイムの撤廃や通勤定期券の廃止、単身赴任の解消、スマートワーキング手当(月5,000円)の支給などを行うようにしました。

Borderless Officeは、オフィスのあり方を見直すもので、コラボレーションをするための大規模なHub Office、社員の住宅が多いエリアで快適なネットワーク環境で繋がるためのSatellite Office、自宅や最寄りのシェアオフィスで集中して作業するためのHome&Shared Officeを定義、整備しました。

そしてCulture Changeは、社内カルチャーの変革で、社員の高い自律性を前提に、ピープルマネジメント改革を実施しました。

「ジョブ型人材マネジメントやWork Life Shiftを成功に導くためには、社員の自律性と、会社-社員間の信頼関係が非常に重要です。」

また講演後、ジョブ型人材マネジメントへの移行に伴う施策について、SAPジャパン株式会社 人事・人財ソリューション事業本部 本部長の稲垣が平松氏に伺いました。

新たな人事制度への移行に伴い、富士通では人材リソースマネジメントの権限を各事業本部に委譲しましたが、その際には経験の無い各本部から一緒に手伝って欲しいというリクエストが非常に多かったといいます。人材リソースマネジメントを行う上では、どれだけの人材リソースが必要なのかを計画し、その人たちにはどんなスキルが必要で、社内にいなければ社外からの採用を考える必要がありますが、平松氏によれば、この一連のプロセスを人事部門も一緒になって進めたことで、各本部が自分たちの組織を見直す非常にいい機会になったとのことです。

主体的なキャリア形成を促す職務をベースとした人事制度

三菱ケミカル株式会社
経営執行職  総務人事本部長
金丸 光一郎 氏

5か年の中期経営計画の一環として新たな人事制度を開始

三菱ケミカルは、カーボンケミカルや炭素といった基礎素材から自動車の構造材・内外装材などの機能商品まで幅広く展開していますが、金丸氏は「これからの課題は、各事業の垣根を越えて新しい製品やマーケットを生み出していくことです」と説明します。

「そのために取り組んでいる改革がMCCトランスフォーメーションです。我々MCCのありたい姿とそれを実現するための変革ですが、この変革を加速していくために、我々は2021年4月から5か年の中期経営計画『KAITEKI Vision 30(KV30)』をスタートさせました。」

KV30は、2050年の目指すべき社会とグループのありたい姿を想定した上で、2030年にあるべき自社像と成長の道筋を明確にしたもので、その一環として同社が掲げたのが、人材の多様性・専門性・流動性を包含する許容力の大きな人事制度を確立することです。

3つの人事施策を連動させることで、ありたい姿を実現する

2021年4月からスタートした新人事制度ですが、検討開始は2年前にさかのぼります。

「MCCのありたい姿を想定しながら若手中心にプロジェクトを組み、経営陣と何度も議論を重ねながら制度改革に至りました。その際に人事制度の柱として掲げたのが、主体的なキャリア形成、透明性のある処遇・報酬、多様性の促進と支援という3つの要素です。」

主体的なキャリア形成については、公募制など従業員の主体性を重視した人事異動や、頻繁に面談を行うなどの施策を実現しました。また人材の多様性や専門性を促し、従業員に色々なポジションに挑戦してもらうためには、挑戦しがいのある処遇・報酬体系が必要です。さらに65歳までの定年年齢の引き上げや将来的には定年の廃止を検討するなど、多様性のさらなる促進にも配慮しました。

3つの人事施策が連動する同社の新人事制度は、従業員個々の自律性や主体性を基本とするものですが、それを支援するのがSAP SuccessFactorsです。

「例えば社内公募を実施する仕組みとしてSAP SuccessFactorsを利用しています。SAP SuccessFactors上に公募の案件を掲示し、従業員がエントリーを行い、それを現在の上司と異動先のラインマネジャーが見て面接をした上で決定する、という流れです。今後学習の仕組みもSAP SuccessFactorsを使って実現したいと考えており、これから検討を始めるところです。」

また講演後、3社統合後の人事制度のフルモデルチェンジに伴う苦労の有無について、SAPジャパン株式会社 人事・人財ソリューションアドバイザリー本部 本部長 佐々見が金丸氏に伺いました。

金丸氏によれば、統合された3社はいずれも三菱ケミカルホールディングスの傘下だったことで統合前から各々に交流があり、また統合後には事業部門が10に再編成されたことで、その中で旧社の括りを越えた事業統合が実現されていたとのことです。事業再編が先行していたことで、人事制度の変革時に旧社間の壁を意識することも特に無かったとのことで、実務面での融合が、新人事制度へのスムーズな移行を下支えしていたことが伺い知れます。

多様なエンプロイージャーニーを支えるデジタル活用

SAPジャパン株式会社
人事・人財ソリューションアドバイザリー本部
シニアソリューションスペシャリスト
篠原 加奈子 西館 義幸

 

Employee Journeyのあらゆるポイントでエンプロイーエクスペリエンスを向上する

昨年来続くコロナ禍を背景に、多くのユーザ企業で従業員の在宅勤務やリモートワークが加速しています。始めに篠原は「これからの企業には、従業員の多様性を最大限に活かし、組織全体のパフォーマンス向上に繋げていくことが求められています」と指摘しました。

「従来企業価値を図る方法としては、業績や財務状況の分析が主流でしたが、それだけでは見えにくい将来の価値もあります。そこで現在ではESG(環境・社会・ガバナンス)に代表される非財務指標が重要だという潮流に加えて、多様な人材の許容や働き手の創出といったテーマも、従業員が感じる大きなメリットとして注目を集めています。持続的な企業価値の向上を実現する上で、人事の果たすべき役割の重要性がますます高まってきている現状を、我々は認識する必要があります。」

ここで篠原は今後の人事に求められる4つの取り組みについて言及しました。1つめが、短期・個の適性を活かしたアサインメント、2つめが、自己研鑽・学び合いを促す仕組み、3つめが、自律的なキャリア形成・多様な働き方の許容、そして4つめが、あらゆる角度からの改善ポイントの把握です。

「以上の考察から、これからの人事に求められるのは、これまで以上に多様な従業員に寄り添い、ひとり一人の思いを汲み取る仕組みを通じて“エンプロイーエクスペリエンス”の質の向上を図っていくことです。そのための手法として今注目されているのが、Employee Journeyです。」

Employee Journeyは、従業員が社内で遭遇する一連の体験や経験を見える化するもので、それによってキャリア開発や学習機会といった各タッチポイントでどのような機会を従業員に提供すればエンプロイーエクスペリエンスを最大化できるのか、あるいは人事のオペレーションをどう改善すべきかの検討に繋げていくことが可能となります。

「今後人事部門はEmployee Journeyという概念への理解を深め、エンプロイーエクスペリエンスを最大化するための施策検討を進めていく必要があります。」

 エンプロイーエクスペリエンスの最大化を支援するSAP SuccessFactors

一方、異なった特性を持つ従業員個々のEmployee Journeyを、人事部門だけで先導していくことは非常に困難です。そこでSAPではSAP SuccessFactorsを核とする様々なソリューションにより、多様な従業員それぞれのエンプロイーエクスペリエンスの最大化を強力に支援しています。

本講演内では、西館によるデモンストレーションが披露され、中途入社3年目で今後のキャリア形成に悩みを抱える営業担当者をモデルケースに、SAP SuccessFactorsを利用して人事部門が開発したキャリア開発プログラムにより、従業員がどのような支援を受け、行動が変化していったのか、また人事部門もSAP SuccessFactorsを活用することで、どのような施策を打つことが可能になったのかが紹介されました。

「SAP SuccessFactorsは、人事給与から人材育成、要員分析の機能、さらには従業員エンゲージメントを測り、高める機能も実装している世界で唯一の人事ソリューションです。我々は人材をマネジメントするだけに留まらず、全ての従業員がタレントであるというコンセプトの元、これからもエンプロイーエクスペリエンスを最重視した製品開発を行ってまいります。」

※7月30日にはオンラインにて、本セッションの振り返りとご紹介し切れなかったSAP SuccessFactorsの製品情報、活用方法をお伝えするセミナーを開催する予定です。この機会に是非ご参加ください。

お申込みはこちら:
https://webinars.sap.com/jp/20210730-sap-hr-connect-followup-webinar/ja/registration.aspx

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

連記事

SAPからのご案内

着記事お知らせメール登録

ブログ記事の情報をメール配信しています。

以下にご指定のメールアドレスを入力し「登録する」ボタンをクリックすると、確認メールが送信されます。そのメールに記載されているURLをクリックすることで登録が確定されます。また、登録の解除も以下からお願いします。


メールアドレス