急速に生産キャパを拡大している米モデルナのデジタル戦略
作成者:神山 峰郎 投稿日:2021年7月13日
昨日配信されたSAP SAPPHIRE NOW Japan~DX最前線の基調講演を行ったのが米モデルナ社のCDO兼Chief Process Excellence Officerのマルセロ・ダミアニ氏。
製薬業界におけるテスラ社といわれるモデルナについて「統合」がモデルナのデジタル戦略において最も重要と強調しました。
新型コロナが出現する以前からメッセンジャーRNA技術に対する大きな市場ニーズを確信していた同社は、2010年の創業当初からデジタルによる財務会計と生産、サプライチェーンの完全統合を第一として会社をデザインし、最初に業務プロセスを設計してからデジタル化するのではなく、最初からデジタルをベースにE2Eで統合された業務プロセスを設計しました。SAP S/4HANAはその統合戦略に大きく寄与し、同社の生産量が飛躍的に拡大した今でも非常に有益であるとダミアニ氏は語っています。
さらに、昨年12月に新たに導入したSAP Advanced Track and Trace for Pharmaceuticalsについて、統合だけではなくトレーサビリティを確保する製品のシリアル化において、世界中に広がる新型コロナワクチンのコールドサプライチェーンで死活的に重要と語っています。
モデルナ社CDOマルセロ・ダミアニ氏の基調講演ハイライト映像はこちらでご覧いただけます。
モデルナ社は日本政府と協力して9月までに2500万人分のワクチン供給を計画しています。「統合」を最重要とする同社のデジタル戦略は、いまだに多くのレガシーを抱える日本企業にとって、To Beを考え、To Beでデザインするよき手本となる存在といえます。
ハイライトではなくSAP SAPPHIRE NOW Japan~DX最前線の全編見逃し視聴ご希望の方は こちらから お申し込みください。基調講演のモデルナ社マルセロ・ダミアニ氏の講演の他にIDCジャパン寄藤幸治氏による講演などが見逃し視聴が可能です。
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