HTML5対応のシンプルで使いやすいアプリ群「SAP Fiori」

作成者:井口 和弘 投稿日:2013年7月19日

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6月17日にプレスリリースさせていただきましたが、モバイル、デスクトップで利用できる新しいビジネスアプリケーション群「SAP Fiori(フィオーリ)」を発表しました。今回はそのSAP Fioriについて解説したいと思います。まずは、こちらのSAP Fioriの紹介ビデオをご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=7jeo0REvmjg

昨今、ビジネスの環境やワークスタイルが急速に変化し、またそれに関連したコンテンツの利用法やテクノロジー、アプリケーションも次々と生まれ、進化を続けています。その流れに乗って、ビジネスユーザーはもちろんのこと、コンシューマーでも簡単に操作できるようなシステムやインターフェースが求められています。なかでも今後いっそう重視されてくるのが、モバイル環境を含むあらゆるデバイスからストレスなくアプリケーションを利用するための、シンプルかつユーザーフレンドリーな操作感です。

「SAP Fiori」は、こうしたビジネスユーザーのニーズに応える、シンプルで使いやすく機動性に優れたユーザーインターフェースを実現します。デスクトップPCからタブレット、スマートフォンといったモバイル端末まで、さまざまなデバイス上で、申請、承認が発生するような業務を従業員がより簡単に行えるようになります。

HTML5ベースで開発されたシンプルで使いやすいUI

「SAP Fiori」の最大の特長は、使いやすく統一されたユーザーインターフェースです。“Keeping Simple Things Simple”のスローガンをもとに、シンプルで見やすく直感的に理解できるアイコンで構成された操作画面から、各アプリケーションに共通の最小限の操作で、目的のアプリケーションを利用できます。

この単一のユーザーインターフェースをPCでもタブレット、スマートフォンでも各デバイスの画面に最適化した上で導入できるため、デバイスが変わっても常に同じ操作性が確保され、「いつでもどこでも」効率良くアプリケーションを利用することが可能となります。

以下のビデオでFioriの操作感をご覧いただくことが出来ます。

http://www.youtube.com/watch?v=mYbn9Q6P0cU

Fiori-image

画面イメージ

受注追跡_2013-07-18 17.22.51

受注追跡

出張申請_2013-07-18 17.23.19

出張申請

SAP ERPをバックエンドとしたアーキテクチャー

「SAP Fiori」のバックエンドシステムはSAP Business SuiteのSAP ERPとSAP SRMを利用しており、SAP NetWeaver Gatewayを経由してのアクセスになります。SAP NetWeaver Gatewayとユーザー側はOData(Open Data Protocol)サービスが利用されています。現在はHTML5ベースのオンラインアクセスのみですが、今後はSAP Mobile Platformと組み合わせることで、ハイブリッドウェブコンテナ型のモバイルアプリケーションでオフラインシナリオをサポート予定です。

SAP ERP 6.0またはSAP SRM 7.0 のシステムをご利用のお客様であれば、接続設定やユーザーロール設定を行えば、「SAP Fiori」をすぐに利用することができます。もちろんアプリケーションを拡張したいといった要望にもソースコードを提供しますので、容易に対応することが可能です。例えば、お客様独自の項目を追加表示させたい場合はERPと同様にBAdIで追加表示させたいロジックを拡張し、eclipseでUIコードをダウンロードして変更し、再アップロードすることで対応できます。またお客様独自のワークフローを「SAP Fiori」に集約させたいという場合も「カスタム申請承認」というテンプレートアプリケーションを利用して独自のワークフローアプリケーションを作成いただき「SAP Fiori」のHome画面に組込むことが可能です。

4つのユーザーロール別のもっとも一般的なシナリオを提供

「SAP Fiori」のアプリケーションは、HTML5ベースで開発された軽量かつ高機能という特長を持ち、すでに第1弾として、「出張経費承認」など25種類が提供されています。これらはマネージャー、従業員、営業、購買代理担当者の4つのユーザーロール(役割)向けに、「ワークフローの承認と申請」、「受注登録・変更・追跡」、「セルフサービス型タスク」など、もっとも一般的なビジネス機能を提供しています。

また具体的なアプリケーションとしては、「休暇申請の承認」「経費精算の承認」「タイムシート」「給与明細」「ショッピングカート」「購買発注追跡」などを提供しています。

さらにこれらのアプリケーションは、いずれもHTML5対応のInternet Explorer、Safari、Google Chromeの各Webブラウザから利用が可能です。またユーザーロール別にアプリケーションのサブセットへのアクセス権を付与するといった細かな設定も行えるため、アプリケーションを修正・開発する事なく、業務ごとのアプリケーション設定のニーズにも応えています。

250社以上のユーザーの声を反映した使いやすさとビジネス改善効果

今回SAPでは「SAP Fiori」の開発にあたり、もっともよく利用されるビジネス機能とそのユーザーエクスペリエンスを向上させ、よりシンプルな操作性を実現するために、250社以上のお客様と協議を重ねてきました。

こうした活動の成果として、パイロットユーザーからは、「従業員の生産性や満足度の向上」「作業時間の短縮」、などのメリットが実現されたことが報告されています。

「SAP Fiori」の日本語版のリリースは間もなくですが、すでにグローバルでの早期導入を含めた実績をもとに、新しいテクノロジーを盛り込んだアプリケーションが今後続々とリリースされる予定です。どうぞこれからの「SAP Fiori」の展開に大いにご期待ください。

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