SAPのHXM戦略アップデート 6月のプレス発表から見えてきたこと

作成者:西館 義幸投稿日:2021年8月25日

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SAPでは、SAP SuccessFactors HXM (Human eXperience Management) Suiteという人事ソリューションを提供しており、HXMを従来型のHRMやHCMの進化系として位置づけています。

日本市場での展開はますます進み、すでに400以上のお客様に活用頂いています。尚、HXMの考え方については、こちらの投稿で詳細をご紹介しています。

本投稿では、2021年6月に開催したHXM戦略アップデートの記者会見内容について、人事部門における取り組みの状況やHXMを通じて解決したい課題を含め、新機能、新サービスの注目ポイントをご紹介します。

当初の目的を達成できていない人事の取り組みとHXMの登場

はじめに、日本企業の人事部門における取り組み状況について解説します。昨年来、新型コロナウイルス感染症の流行などの影響で、多くの企業にとって厳しい状況や、将来が見通しづらい状況が続いています。その状況下である昨年8-9月頃に、経団連が企業のトップマネジメントに対して実施した人事・労務の取り組みに関する調査の結果をご紹介します(下記イメージ)。

各取り組みとも、全体の6割から8割が実施済み、または、検討・実施予定という状況になっています。一方、この1年で弊社がやり取りさせて頂いた人事部門の皆さまからは、タレントマネジメントや従業員エンゲージメントの取り組みを進めているものの、下記のような様々な課題に直面しているというお話を伺っています。

例えば、ジョブ型人事制度や1on1ミーティングの導入など、人材マネジメント施策として話題になることが多い制度の導入・運用を開始したお客様からは、導入当初に思い描いていたあるべき姿からはほど遠く、従業員のマインドセットが変わらないことで形骸化しかけているというお話を伺っています。また、従業員エンゲージメント調査を実施したものの、結果に一喜一憂するだけで具体的な改善につながっていないといったお話や、全社DX関連の取り組みに合わせて人材情報の見える化を進めたものの、人事や経営が見るだけのツールになっているというお話を伺っています。当初の導入背景や取り組みそのものは間違ったものではいはずなのですが、思うような効果が出ていないのが現実のようです。

こうした課題を解決すべく、SAPでは、昨年来HXMというコンセプトを掲げ、経営戦略と人事戦略をリンクさせ、次世代経営人材を選抜・育成したり、評価制度の整備を進めたり、柔軟なキャリア機会や成長機会を従業員に提供するソリューションを提供しております。また、各プロセスや従業員の日々の行動における様々なタイミングでの気持ちの変化を把握し、会社が思うことと個人が思うことの両方の要素をうまく繋ぎ、改善するサイクルをデジタルで支えています。

HXMの日本市場での製品・サービスの強化を発表

続いて、HXM戦略のアップデートとして、日本のお客様の人事変革を進めて頂くために強化した新機能と新サービスを「新しい機能のリリース」「人事業務と従業員エクスペリエンスの連動」「エコシステムの拡大」「新しいサービスの開始」という4つのポイントでご紹介します。*現在、SAP Work Zone for HRは、SAP SuccessFactors Work Zoneという名称でご提供 

1. 新しい機能のリリース

SAP SuccessFactors Work Zoneは、社内のあらゆるナレッジを統合し、SAP SuccessFactorsをはじめ、外部システムを含めた様々なシステムのハブとなります。お仕事のスタートから終了まで、テレワークといったリモート環境でもスムーズに業務を進めていただけるよう、仕事に必要な機能や人事メニューを一つの画面から実施できるデジタルワークスペースを提供します。

オポチュニティーマーケットプレイスでは、自律的な能力開発、キャリア形成を支援します。各従業員のスキル情報や現在の職務をベースに、システムがスキルアップにつながる研修やメンタリングの機会、キャリアの可能性を提案します。従業員は、提案内容を確認し、特に有効と感じた研修やメンタリングプログラム等、自身の能力を伸ばすための機会を自発的に活用できます。

2. 人事業務と従業員エクスペリエンスの連動

SAP SuccessFactorsとQualtrics EmployeeXMとの統合が進み、従業員エクスペリエンスと業務プロセスがシームレスに連動するようになり、採用から退職に至る一連の従業員ライフサイクルで、従業員の体験を一目瞭然にし、改善のアクションにつなげられるようになりました。

また、従業員の声を集めるさまざまな調査の一つとして、「厚生労働省が実施を求めるストレスチェックも実施できないか」というお客様からの要望が多く寄せられていたため、日本独自のソリューションとして、ストレスチェックを実施するテンプレートの提供も開始しました。

3. エコシステムの拡大

AI inside社との協業を通じて、AI-OCRで紙の申請書の文字を高い精度でデータ化し、システムに自動で取り込めるようになりました。例えば、紙の住所変更申請書を読み取り、簡単な操作で電子データ化、SAP SuccessFactors HXM Suiteの人事マスタへ反映します。これにより、手入力や二重入力を徹底的に排除し、申請に関連する業務の生産性を向上します。

学習サービスの連携では、Udemy Businessが提供する最新のeラーニングを受講することができ、新しい育成のニーズがある場合でも、最新の知識をタイムリーに全社に展開することが可能になりました。

エンタープライズアルムナイ社の提供する退職者ネットワークとの連携を通じて、退職者コミュニティを活性化させ、退職された方とのエンゲージメントを高めるだけではなく、退職者向けに求人情報を公開し、惜しまれつつ退職された優秀な人材をあらためて獲得する、採用活動につなげることができます。

4. 新しいサービスの開始

課題解決の手段としてHXMをご採用頂いた皆さま向けに、製品をとことん使い倒して頂くサポートを強化しました。お客様コミュニティサイトでは、最新の製品情報、ユーザ企業様の事例紹介など、コンテンツの拡充を図っています。

製品資格取得支援では、昨年から日本語によるトレーニングを無償提供しはじめた結果、資格取得者数は5倍以上になりました。お客様の安定的な運用につながるものと期待しています。

また、システム導入前においては、以前から無償のアドバイザリーサービスを提供していましたが、日本企業における人事トレンドも考慮して、ジョブ型モデルの検討支援サービスもはじめることにしました。“ジョブ”という考え方および事例をご紹介しながら、各社が実現したい姿や各社に適した制度・システムの導入検討を支援しています。

このサービスは、ジョブ型を導入すべきか情報収集段階のお客様から、実際に制度導入中のお客様まで幅広く支援することができます。ご興味ある方は、是非、こちらからお問い合わせ頂くか担当営業へご連絡ください。

また、記者会見当日は、KDDI 執行役員 コーポレート統括本部 本部長 白岩様にもご登壇頂き、KDDI様の人事戦略やジョブ型人事制度、それらを支えるHRテックについて、取り組みを発表して頂きました。事例発表イベントにもご登壇頂いており、こちらのサイトでオンデマンド配信を実施しております。是非、ご視聴ください。

最後に、こちらのサイトにて、最新の事例やソリューション情報を発信しています。引き続きSAP SuccessFactors HXM (Human eXperience Management) Suite をどうぞよろしくお願いいたします。

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