ワールドワイドで社会課題の解決を目指す凸版印刷のデジタル&サステナブルトランスフォーメーション

作成者:SAP編集部投稿日:2021年10月15日

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1900年の創業以来、多方面に事業領域を拡大している凸版印刷株式会社。同社はデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進基盤としてSAP S/4HANA、SAP HANA Enterprise Cloud、SAP Business Technology Platform(SAP BTP)の3製品を採用しました。DX関連事業の加速、国内外のグループシステム統合による全体最適化、高度な人材育成を推進している同社の思いを紹介します。

経営情報をクラウド上で一元管理。データドリブン経営の実現へ

凸版印刷は、創業から120年以上をかけて培ってきた印刷技術とノウハウを基点に、3つのセグメント(情報コミュニケーション、生活産業、エレクトロニクス)で幅広い事業を展開しています。
近年はビッグデータ、IoT、AI、ロボティクス、認証技術などデジタルシフトが加速し、デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められています。世界的な環境問題やSDGs(持続可能な開発目標)への意識の高まり、コロナ禍による生活者の行動や経済への影響など、事業を取り巻く環境も大きく変化しています。
そこで同社は、中期経営計画(2021年4月~2023年3月)の基本方針として、ワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーを目指す「Digital & Sustainable Transformation」を掲げました。2年間でSDGs視点を反映させた企業活動を推進し、グローバル市場に「リアル」と「デジタル」を組み合わせた事業を展開することが狙いです。
重点施策の1つが、システム基盤のモダナイゼーションです。グループ会社の経営情報をクラウドで一元管理するデータドリブン経営を目標とし、5年間で200億円規模のシステム投資を計画しています。執行役員 デジタルイノベーション本部長 兼 DXデザイン事業部 副事業部長の伊藤隆司氏は「印刷ビジネスから新規ビジネスに転換していくうえで、成長領域と衰退領域を可視化し、経営判断をスピーディに行うには、情報をクラウドで一元管理する必要があると判断しました」と語ります。
こうした中、DXの基盤となるSAP S/4HANA、SAP HANA Enterprise Cloud、SAP BTPの採用を決定しました。
「既存システムは長い年月の中で個別最適化が進み、将来性への不安を抱えていました。人財面でも技術者の高齢化や将来的な外部リソースの調達価格高騰が問題となっていました。そこでレガシーシステムを一掃して全体最適を実現したうえで、経営改革とDXを一体化することにしました」(伊藤氏)

経営基盤の強化を行うために拠点毎・事業毎に存在するレガシーシステムの刷新

SAPのクラウドプラットフォームをベースにDXを加速

SAPソリューションの導入で、凸版印刷が大きな期待を寄せているのがDX関連事業の加速です。現在同社はDX関連事業を「Erhoeht-X(エルヘートクロス)」と名付け、デジタル技術と高度なオペレーションノウハウを掛け合わせ、データ活用を機軸としたハイブリッドなDX事業を展開。デジタルBPO、マーケティングDX、流通DX、製造DXなどさまざまな領域で顧客のデジタル変革を推進しています。
DXを軸として競争力を高めるにはシステム基盤のモダナイゼーションが必須であり、これを実現するのがSAPソリューションです。特にノーコード/ローコード開発プラットフォームのSAP BTPなら、アプリケーションの開発から実行までをクラウド上で行い、データ管理や分析、開発に役立つ豊富なサービスを活用してクラウドアプリの短期構築/導入が可能です。
「SAP S/4HANAによって標準化を進め、SAP HANA Enterprise Cloudで堅牢かつ安定した基盤を構築し、SAP BTPによって他のシステムとの親和性や、事業変化に対応する拡張性を得ることで、ワンランク上のDXを加速していきます」(伊藤氏)

SAPの3製品

2つめの期待は、国内外グループへの展開です。世界中で利用できるクラウドプラットフォームを活用して凸版印刷グループのデータ連携を進め、データドリブン経営を加速していく想定です。
3つめの期待は、SX(Sustainable Transformation)の推進です。世界的ESG投資指標の構成銘柄に選定されている凸版印刷と、国連SDGsパートナーに選定されているSAPがパートナーシップを組み、持続可能な社会の実現に向けて取り組みを進めていきます。
「SXは、凸版印刷だけでは実現できません。これからのサステナビリティはパートナーシップが重要であり、SAPと一緒に地球環境を守っていきたいと思います。当社で働く社員にとっても誇りに思える活動という意識を持ちながらSXに取り組んでいきます」(伊藤氏)

グループ/グローバル展開に向けてプロジェクトを推進

SAP S/4HANAによる新基幹システムの構築プロジェクトは、2020年の後半にスタートしました。全事業で共通化すべき管理業務(販売/購買/在庫/会計)にはSAP S/4HANAを適用し、独自性を持つ業務(生産管理/製造管理)は事業に最適なシステムに集約する方針としました。システム基盤はSAP HANA Enterprise Cloudによって刷新してレガシーリスクを最小化し、価値を高める領域に人財を集中投下する方針を掲げています。
SAP S/4HANAによる新基幹システムの構築プロジェクトは2020年の後半にスタートし、2023年度に凸版印刷単体への導入開始を目指しております。その後、段階的にグループ会社への展開を推進する計画です。

若手エンジニアの成長を促し、世界で通用する人財へ

凸版印刷ではSAP S/4HANAへの移行で、業務面とIT面の効果を想定しています。業務面では、業務プロセスデータをリアルタイムに経営管理情報データベースに集めることで、データドリブン経営を実現していきます。BPRによる業務標準化と自動化でペーパーレス化やマニュアル作業からの解放を進め、さらにシステム/領域間連携によって二重入力を削減し、コスト削減につなげていきます。
IT面では、グループ共同利用システムとすることでコンプライアンス・セキュリティを強化し、開発/運用体制の確立でスキル標準/高度化が実現する見込みです。さらに、システム統廃合によってソフトウェア、データセンターやハードウェアの保守運用費用などを合わせたTCOの削減を進めます。
同社はKPI の整備、全体最適を前提とした制度改革や業務の可視化と、新しい技術を適用できる仕組みのもと、価値を高める領域に人財を集中投下し、エンジニアの成長を促していく構えです。
「若手のエンジニアが新しい開発スキームを身に付けることができ、世界で通用する人財に育っていくことを期待しています」(伊藤氏)
大きなハードルを突破していく強い覚悟のもと、伊藤氏はプロジェクトにかける思いを次のように語りました。「印刷からデジタル、SXと形は変わっても、日本の文化を未来に伝えていく凸版印刷の役目は変わりません。そのために、未来につながるモダナイゼーションを仲間と一緒に推進していきます」

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