業務に合わせてシステムの使い勝手をカスタマイズする『ペルソナ』という考え方


Japanese mother and daughter using digital tabletこんにちは、SAPジャパンの野田です。今回は、IT導入時にユーザーの使い勝手を左右する重要なテーマ、『画面 / UI(ユーザーインターフェース)』をテーマに、SAPが提供する新しいユーザーエクスペリエンスの手法・ソリューションをご紹介したいと思います。

ITシステムの導入において、“エンドユーザーの使い勝手”、“操作性”は大変重要なテーマでありながら、特にERPのような企業のコアビジネスをカバーする大きなシステムを導入する場合、その検討は導入プロジェクトでも後回しになることや、時には「利便性を向上させるための追加開発」は優先度を下げられてしまうケースもあります。

しかし、いざシステムが稼動してみると、ユーザーの反応はどうでしょうか?また投資を決定した意思決定者層の評価はポジティブでしょうか?

システム導入に携わったことがある方であれば、下記のようなシステムの「使い勝手」に対する決してポジティブとは言い難い“声”を耳にした経験があるのではないでしょうか?

エンドユーザーからの声

  • 使いづらい、
  • 入力に時間がかかる、
  • 覚えるのに時間がかかる、経験を積まないと使いこなせない、
  • できる人に頼むしかない、自分では触れない

IT部門からの声

  • エンドユーザーの満足度が低い
  • トレーニングのためのコスト、時間がかかる
  • ユーザーからの問い合わせ対応に時間を取られ、なかなか手離れしない
  • ユーザーからの改善要求に答えるために開発コストがかかる
  • 開発コストとビジネスインパクトとの綱引き(経営層からは費用対効果を出せと迫られ、エンドユーザーからは使い勝手が悪いから何とかしてくれと要求され、常に板挟み)

現行システムの維持運用だけでも手一杯なところへ、時代のトレンドは

  • モバイル対応
  • リアルタイム対応(いつでも、どこからでも、リアルタイムにアクセス)
  • ソーシャルメディアとの連携
  • クラウド化

など、ITの進化のスピードは留まることを知りません。SAPもこのようなお客様からのさまざまな声を反映するために、また最新ITテクノロジーへの追従のために、長年にわたり画面設計の改善や数々の操作性改善ソリューションを提供してきました。

SAPの画面/ユーザーインターフェースの歩み

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今となっては見かけることもほとんどなくなったSAP R/2の時代

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少しカラフルになったSAP R/3の時代

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Web2.0への対応

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さらに昨今ではiPadやiPhoneなど、モバイルデバイスからもSAPアプリケーションを使えるようになっています。

これ以外にもSAPではエンドユーザーが柔軟に最適なものを選択できるよう、.NETで画面を開発したり、PDFを入力フォームにしたりできるような、数多くのソリューションを提供しています。

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選べる画面タイプ

昨今、リッチクライアントの技術が向上しソフトウェアの表現の自由度はどんどん上がっています。もちろん、これらのツールでどんな画面の開発もカスタマイズも、だいたいのことは実現できるようになりました。

しかし、これらはあくまで画面を開発するためのツールです。

例えば、カラフルでデザイン性の高いWeb画面にしたり、iPadを配布してタッチパネルで操作できるようになれば、 高いユーザーエクスペリエンスを提供できるのでしょうか?

もちろん、答えはNoです。

ユーザーの業務を理解し、どんな形で操作ができれば効率的か?を理解するのが、何より重要です。しかし、そうして開発してきたつもりが、後々になって「こんなはずではなかった」と手戻りが発生するケースも多々あります。

では、ユーザーからの画面に対する要求を、手間をかけずに、最短コストで、再利用性、柔軟度を高く提供できるツールがあればどうでしょうか?すべてとはいかずとも、冒頭にあげた「使い勝手」に対するネガティブな声をいくつかは解消できるのではないでしょうか?

ここで、SAPが昨年末に発表した画面カスタマイズツール「SAP Screen Personas」を紹介したいと思います。

SAP Screen Personas(エスエーピー・スクリーン・ペルソナ)は、“ペルソナ”という名の通り、ユーザーの役割や担当業務に沿って画面を柔軟にカスタマイズし、“仮面”のようにSAP ERPの標準画面に被せることで、エンドユーザーに操作性の高い画面を提供することができます

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SAP Screen Personasによるカスタマイズ例

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受注伝票変更画面 (カスタマイズ前)

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受注伝票変更画面(カスタマイズ後)
※上記は、全てノンコーディングで実装しています。

また、エンドユーザーの日々の業務では、システム上でマスタデータを参照しながら、在庫ステータスを確認したり、続けて伝票を登録する、という一連の業務を流れで進められます。

システムの世界では、これらは別テーブル、別プログラムで管理されている都合上、同一画面に表示させるのは難しいことが多いです。場合によっては、システムが分かれていて、別アプリケーションを立ち上げるどころか、データにリアルタイム性、整合性がないケースもあります。(これは画面の問題ではなく、裏側で動くシステムのアーキテクチャの問題ですが・・・)

こうなると、ユーザーは業務の流れを中断して、システムの操作に追われてしまい、結果として業務効率が下がってしまいます。

このような、複数の処理を一つの画面上で行えれば、どうでしょうか?

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一連の業務をシステムのために中断することなく、流れのまま進めていくことができます。

上記2つの参考例を紹介しましたが、SAP Screen PersonasではSAPの標準画面の調整や、画面遷移の組み換えが可能です。(項目の表示/非表示、ラベルの変更、タブ統合、スクリプトの組み込みによるロジック実行、画像データの挿入、Webサイト連携など)

SAP Screen Personasの導入メリット

1.ノンコーディングで実装可能

  • 項目の表示・非表示・並び替え、テキスト追加・変更、タブの統合、色の変更等をノンコーディングで対応。
  • スクリプトによるトランザクション自動実行により画面遷移を省略可能。

2.業務担当者に適した画面を提供

  • 一つのトランザクションでも業務担当者毎に適した画面を提供可能。
  • ユーザーをグルーピングし、そのグループ毎に画面を提供可能。 例):部署単位
  • 作成した画面やユーザーの管理はすべてSAPシステム(ABAP)で対応。
  • トランザクションが割当られたアドオン画面も対応。

3.各種ブラウザに対応・SAP GUIは不要

  • Microsoft Silverlight技術を採用し、Internet Explorer, Firefox, Google Chromeなどのブラウザに対応。
  • 初回アクセス時に、最新のSilverlightをインストール。
  • PCへのSAP GUI(専用クライアントソフト)のインストールは不要。

4.追加ハードウェアは不要

  • SAPシステム(ABAP)にアドオンパッケージのインストール+初期設定で利用可能。

実際にSAP Screen Personasを導入されたお客様の事例では、導入後わずか数か月で、ROIを3つの領域でプラスに転向されたと報告されています。(総合ゲームメーカーのグローバルサービスサポート部門でSAP Screen Personasを採用されています)

  • ROI改善ポイント①      SAPユーザーの労働時間が削減された。
  • ROI改善ポイント②      問題解決のための時間が短縮された。
  • ROI改善ポイント③      新たに採用したユーザーの教育時間が短縮された。

グローバルサービスサポートのコストを、年間で200,000ドル削減まで目指されています。

ITの操作性向上が、経営に対してこのように目に見える形で反映されると、経営陣からのITへの評価も高くなるのではないでしょうか。

今日は、ITシステムのユーザーエクスペリエンス、UI(ユーザーインターフェース)をテーマに、SAP Screen Personasという新しいアプローチを紹介させていただきました。

いかがでしたでしょうか?SAPの新しいユーザーエクスペリエンスの提供形態を、少しでもご体感いただければ幸いです。

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