イノベーションパイプラインを効果的に管理する SAP Innovation Managementのご紹介(前編)

作成者:渡部 彰彦投稿日:2021年11月29日

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このブログでは前編、後編の2回に分けて、イノベーションプロセスを管理するためのソリューションであるSAP Innovation Managementをご紹介します。前編ではイノベーションマネジメントの必要性およびソリューションとしてのSAP Innovation Managementの利点についてお伝えし、後編ではSAP Innovation Managementの具体的な機能についてご紹介します。

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なぜイノベーションマネジメントが必要なのか

ディスラプション(破壊、崩壊)と呼ばれるような市場の劇的な変化が生じることは以前からありましたが、特に近年はデジタル技術の利用によってそのような状況が生じる頻度・スピードが増加しておりデジタルディスラプション(デジタルによる破壊)と呼ばれています。規模の小さな企業やスタートアップ企業がデジタル技術を武器にディスラプター(破壊者)として市場に参入し、既存企業の存続を困難にすることが可能になっています。海外だけでなく日本でもこの状況は広がっており、令和3年版 情報通信白書ではいくつかの国内事例も紹介されています。

このような環境において企業の成功・存続は、変革的な製品、サービス、またはビジネスモデルを考案する能力にますます依存しています。そのためには創造性とイノベーションの文化が必要であり、そのような文化の下で従業員が同僚やマネージメント層とアイデアを共有し、話し合えるということが大切です。他方では、これらのアイデアをイノベーションに繋げていくためには、しっかりと事前定義されたプロセスに従って評価およびフィルタリングすることにより、有望なアイデアを抽出するという体系的な管理の仕組みも必要です(図1.参照)。

図1.イノベーションマネジメントが必要な理由

この図1の70-20-10ルールとは、イノベーションへの投資をコア(Core)・周辺(Adjacent)・変革的(Transformational)のようにグループ分けしたときに、成功企業はそれぞれのバランスを取った投資を行っているというルールです(図2.参照)。

図2.管理されたイノベーション投資の必要性

このように挑戦的なテーマから実現可能性の高いテーマまで、イノベーション投資をバランスよく構成することで獲得収益の期待値の最大化に繋げることができます。そして、そのためには自社のイノベーションへの取り組みの状況が把握できるような仕組みが必要です。

SAPソリューションが支援するイノベーションプロセス

SAP Innovation Managementは、テーマごとにキャンペーンを設定してアイデアを体系的に収集し、事前定義されたイノベーションプロセスに従ってそれらを管理することで、自社のイノベーションへの取り組みの状況を可視化することができます。イノベーションプロセスは、事前定義したフェーズによって構成することができ、その中でアイデアをアイデアコーチによってガイドしたり、エキスパートによるアイデア評価などが実施されます。

そして、SAP Innovation Managementでコンセプト化されたアイデアは、必要に応じてSAP Portfolio and Project Managementによって引き継ぎ、具体的な案件化・予算化を検討することができます。案件化されたアイデアはさらに具体的なプロジェクトとして管理し、そのプロジェクトとしての活動はSAP S/4HANAの中で1つ1つのトランザクションとして記録することができます(図3.参照)。

図3. イノベーションプロセスをエンド・ツー・エンドで支援するSAPソリューション

まとめ

企業の成功・存続にとってイノベーションマネジメントが極めて重要となっている環境において、SAP Innovation Managementはイノベーションプロセスの確立と効果的な管理を強力に支援するソリューションです。どのようなテーマが設定され、そこでどのようなアイデアが考えられ、検討され、採用されたのか、もしくは採用されなかったのかを追跡することで企業のイノベーションパイプラインを効果的に管理することができます。また、多くの関係者のアイデアや意見をシステム上で可視化するとともに、必要に応じて各アイデアにアイデアコーチをアサインしたり、エキスパートによる評価を行ったりすることでアイディエーションフェーズを加速します。さらに、このように様々なテーマについて従業員が簡単にアイデアを出したり、提出されたアイデアに対して投票したり、コメントしたりすることができるプラットフォームを提供することで、従業員のイノベーションプロセスへの関心を高め、企業のイノベーションの文化を育むことが期待できます。(図4.参照)。

図4. SAP Innovation Managementの利点

SAPが「Customer Influence プログラム」と呼ばれるプログラムを実施していることをご存じの方も多いと思いますが、実は、この中のCustomer InfluenceのWeb サイトでは今回ご紹介しているSAP Innovation Managementを利用して製品に関するアイデアをお客様から収集し開発に活かす取り組みを行っています。ご興味のある方は一度ご覧になってみてください。

後編ではSAP Innovation Managementによるイノベーションプロセスの管理と、各プロセスにおいて提供されている具体的な機能についてご紹介したいと思います。

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