イノベーションパイプラインを効果的に管理する SAP Innovation Managementのご紹介(後編)

作成者:渡部 彰彦投稿日:2021年11月29日

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前編のブログではイノベーションマネジメントの必要性およびソリューションとしてのSAP Innovation Managementの利点についてお伝えしましたが、後編ではSAP Innovation Managementの具体的な機能についてご紹介します。

前編のブログはこちら

SAP Innovation Managementの基本プロセス

SAP Innovation Managementでは図1.のようなプロセスでイノベーションを管理し、テーマごとのアイデア収集やコンセプト化を支援します。

図1. SAP Innovation Managementによるイノベーションプロセスの管理

ここからは、図1.で示したイノベーションプロセスの各プロセスをサポートする主な機能についてご紹介していきます。

キャンペーン定義
キャンペーンは特定のテーマもしくはリサーチ領域についてのアイデアを集め、ゴールに到達するために利用されます。

まずイノベーションマネージャーがキャンペーンを作成し、各キャンペーンの責任者となるキャンペーンマネージャーをアサインします。イノベーションマネージャーとは複数のテーマを管理し、各テーマを担当するキャンペーンマネージャーを統括する役割です。アサインされたキャンペーンマネージャーは担当しているキャンペーンごとにフェーズおよびステータスモデル(ステータス遷移の定義)を設定することで、それぞれのキャンペーンのイノベーションプロセスを独自に定義することができます(図2.参照)。

図2.キャンペーンのフェーズおよびステータスモデル定義

また、キャンペーンマネージャーは担当キャンペーンのランディングページ(初期ページ)を作成し、それぞれのキャンペーンに必要な参加者を招待します。招待により参加者に通知がされます。また、必要に応じてアイデア評価者やアイデアコーチを選出します。
キャンペーンのランディングページは各テーマについてコラボレーションを行うためのホームページとなるものです。キャンペーンマネージャーはランディングページを作成し、キャンペーンの期間や内容、目指しているもの、参考資料など、参加者にアイデアを募るうえで必要な情報を記載します(図3.参照)。また、キャンペーンマネージャーはランディングページでキャンペーンブログを登録して追加の情報を継続的に発信することができます。

図3.キャンペーンのランディングページ(初期ページ)

アイデア提出
キャンペーンの参加者はアイデアを登録することができます(図4.参照)。アイデアはテーマに基づいてキャンペーンに登録される提案もしくは考えであり、キャンペーンごとに定義されたイノベーションプロセスを経て新しい製品やビジネスモデルなどに変化する種のような存在です。

参加者がキャンペーンにアイデアを提出すると、キャンペーン固有のフィルタリングプロセスであるイノベーションプロセスを通過します。アイデアがイノベーションプロセスのさまざまな評価フェーズに合格すると、最終的に製品になる可能性が高くなります。

図4.アイデア登録画面

コラボレーション
キャンペーン参加者により提出されたアイデアは、他の人がそれらを検索したり、コメントしたり、投票したりできます(機密性の高いテーマについては公開される対象を限定することも可能です)。これによりアイデア提出者は自分のアイデアに関するいろいろな意見を得てアイデアをより洗練させることができます。また、必要に応じてキャンペーンマネージャーはアイデアコーチと呼ばれる専門家を提出された個々のアイデアにアサインし、アイデア提出者を支援することでアイデアの高度化をサポートします。

アイデアを洗練させていく過程でウォールと呼ばれる機能を利用することもできます(図5.参照)。ウォールは、ユーザーが付箋、画像、ドキュメントなどのアイテムを掲示して他のユーザーやアイデアコーチと共有し、ブレインストーミングを行うための仮想コラボレーションボードです。自分が登録したアイデアに対してウォールを作成し、ウォールを使用してアイデアに関する情報を収集、それらを指定したユーザーと整理、並べ替え、共有できます。

図5.ウォールの画面

評価
アイデアの評価は前述のように投票を用いて行うこともできますし、キャンペーンマネージャーが特定のユーザーに専門家としての評価を依頼することで行うことも可能です。

専門家による評価はキャンペーンで事前に指定した評価方法に基づいて行われます(図6.参照)。評価方法とは、アイデアを評価するために回答する必要のある一連の質問です。これらの質問は、アイデアの現在のフェーズと指定された評価方法によって変えることができます。

このように各キャンペーンで、キャンペーンの性質およびフェーズに応じた評価方法を用いてアイデアを評価することによって、アイデアのステージゲート管理を行い、後続のプロジェクト管理フェーズでプロジェクト化するアイデアを抽出することができます。

図6.アイデアの評価

プロジェクト化
評価フェーズで高い評価を受けたアイデアはSAP Portfolio and Project Managementにおいて実用化案件としてプロジェクト登録し、その進捗状況を追跡できます。

SAP Portfolio and Project Managementを使用している場合、オブジェクトリンクを使用してSAP Portfolio and Project Managementのポートフォリオアイテム、プロジェクト定義およびプロジェクトタスクをSAP Innovation Management のアイデアとリンクすることができます。これにより、アイデアをフォローアップして、アイデアがプロジェクトや製品ポートフォリオに組み込まれたかどうか、またどのように組み込まれたかを確認できます。一方、SAP Portfolio and Project Managementの関連オブジェクトから、SAP Innovation Managementでアイデアの最初の出現までさかのぼることができます。

まとめ

今回は前編、後編の2回に分けてイノベーションマネジメントが必要とされている背景と、ソリューションとしてのSAP Innovation Managementが提供している機能をご紹介してきました。このようにSAP Innovation Managementは、従業員が自分のアイデアや見解を簡単に書き留めたり、他の人のアイデアについて話し合ったりできるプラットフォームを提供することで、イノベーションの文化を育み、従業員のコラボレーションを活性化するとともに、企業のイノベーションパイプラインを効果的に管理することに役立ちます。

企業は組織の分散化、専門化、グローバル化に起因する多くのコミュニケーション上の問題に直面しています。SAP Innovation Managementはこのような問題を解決し、従業員を結び付け、協業を促すだけでなく、そのプロセスを体系的に管理することでイノベーティブなビジネスを生み出すことを支援します。

前編のブログはこちら

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