SAP Forum Tokyoレポート(前編):SAP Business Suite powered by SAP HANAのビジネス価値を探るJSUGとSAPによる徹底討論

作成者:濱本 秋紀投稿日:2013年8月13日

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読者の皆様、こんにちは。SAPジャパンの濱本です。去る2013年7月10日、ザ・プリンス パークタワー東京で開催されたSAP Forum Tokyoは、おかげさまで多くの皆様のご参加により、盛況のうちに終えることができました。当日公開されたさまざまなセッションの中から、今回はJapan SAP Users’ Group(JSUG)の代表者とSAPジャパンのスペシャリストが行った 【JSUG×SAP】SAP Business Suite powered by SAP HANA スペシャルパネル討議の模様をレポートしたいと思います。

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パネルディスカッション登壇者の皆様

パネルディスカッションは、SAPユーザーの代表としてJSUG参加企業の変革リーダーで形成するJSUG Leaders Exchangeのメンバー兼西日本フォーラムオピニオンリーダーである佐々木伸昌様(トラスコ中山株式会社 執行役員商品本部 物流部 部長)と、SAPシステムに携わる実務者層を中心としたJSUGテクニカル部会の部会長である鈴木孝司様(日本発条株式会社 企画本部 情報システム部 主管)からご質問いただき、SAPジャパンのスペシャリストが答える形で進められました。SAPジャパンからは脇阪順雄、松村浩史、大本修嗣、高山勇喜、馬場渉の5名が参加し、進行役を安藤秀樹が務めました。

SAP Business Suite powered by SAP HANAがもたらすビジネス価値とは? 

※注1
まず冒頭でJSUGの佐々木様から「SAP Business Suite powered by SAP HANAは単に処理速度が速いだけでなく、革新的な業務改革を生み出す大きな可能性を秘めているが、このことがもたらす真のビジネス価値はどこにあるのか?」という本質的な問いかけがありました。これに対してSAPジャパンの脇阪は次のように答えています。

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トラスコ中山株式会社 佐々木伸昌様

SAP Business Suite powered by SAP HANAを正しく捉えるためには、論理の飛躍が必要です。まず、現在の業務プロセスを思い浮かべてください。例えば、MRP(資材所要量計画)を実行して購買発注を作成する場合、販売部門が立案した生産計画を生産部門がリリースし、MRP計算を数時間かけて夜間バッチで行います。そして、翌朝にMRPの計算結果を確認し、間違いがなければようやく部品の注文書を作成する流れになるのが一般的です。

MRPを週に1回程度の頻度で実行するなら、従来の業務プロセスで十分です。しかし、MRPの計算がわずか5分や10分で終わってしまうとしたらどうでしょう? 翌日まで待たなくても計算結果を見て何度でも生産計画を修正し、短時間に最適値に近づけることができます。このように、今までの常識では不可能と思いこんでいたことがSAP Business Suite powered by SAP HANAでは可能になるのです。

ユーザー企業のIT部門の方からは、エンドユーザーの皆様からMRPの計算を高速化して欲しいという要望は出ていないという声を聞くこともありますが、私はエンドユーザーがMRPの計算は何時間もかかることを常識と捉え、改善をあきらめているからではないか?と逆に問いかけています。常識を改め、業務プロセスを変えるだけで、部品在庫や購買発注単価の削減といった永遠の課題が一気に解決してしまうことを考えてみてください。

SAP Business Suite powered by SAP HANAは、データ分析においても新たなビジネス価値をもたらします。例えば、販売計画や来期の予算を作成する部署では、前年の実績、過去数年間の推移、月別トレンドなどを参照しているでしょう。その中で担当者はデータをもとに仮説を立て、その仮説を検証して正しいことを確認したいという要望を持っているはずです。こうしたデータをすべて1カ所に集約し、欲しい情報はすぐに取り出せる。SAP ERPのデータをスピーディーかつ有効に利用できることも、SAP Business Suite powered by SAP HANAのもたらすビジネス価値といえます」

SAP ERPのモジュールにもたらされる具体的な価値

この回答を受けた佐々木様は、「SAP ERPのモジュールレベルに落とし込んだ場合、SAP Business Suite powered by SAP HANAは業務に対してどのような具体的価値をもたらすか?」と質問をさらに掘り下げました。これについては、SAPジャパンの松村から次のような回答がありました。

SAP Business Suite powered by SAP HANAの具体的な価値を、設備マスターのトランザクションの例で紹介しましょう。工場などの設備メンテナンスは比較的人依存で行われがちですが、工場の規模が大きくなればなるほどIT化は必要不可欠で、設備マスターが必要となります。1つのプラントを構成する設備(機器)数は数十万件、それが複数のプラントにおよびます。管理者は、それぞれの設備が、いつ、どこで、どのように配置され、どのように稼動していたのか、過去にどのようなトラブルがあり、どのような修理や部品交換が行われてきたかといったことをすべて記録し、管理しなければなりません。

設備効率を高めるためには、個々の設備のコンディションまでモニタリングし、安全を維持しながら限界まで使って稼動率を高めることも必要です。このコンディションのデータまで含めると、扱うデータ量はさらに膨大となりますが、SAP Business Suite powered by SAP HANAはこうした大量データ分析で活用が可能です。例えば、数百万、数千万の単位となる設備の保全計画を作成する場合、従来はハードウェアのチューニングを行い、さらに、データベースを全文検索しないように条件を付加し、さらにトランザクションを小さなブロック分割したうえで分析を行っていました。しかし、SAP Business Suite powered by SAP HANAを導入することで、こうした手間を一切かけることなく短時間に保全計画の作成が実行できます。

SAP Business Suite powered by SAP HANAの登場によって、システム開発の領域でも機能改善が進み、新機能や新トランザクションの追加が行われています。さらに今後に向けて、将来の故障予測、部品の交換時期の予測、修理部品の自動判断といった分野でもアナリティクスの機能を提供していく予定です。そして、大量の設備をスピーディに修理できるようになると、社会インフラや通信・IT系のさまざまなネットワーク機器まで拡大され、ありとあらゆる機械設備の稼動率向上とコスト削減に貢献できると考えています」

JSUGの代表者を交えて深い議論が展開されたセッションの続きは、後編でレポートさせていただきます。ご期待ください。

※注1:略称としてSuite on HANA, SoHと言われる場合がありますが、正式名称はSAP Business Suite powered by SAP HANA になります。 

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