SAP S/4HANAの価値を享受する SAP S/4HANAにおけるEmbedded Analyticsの活用 第1回:Embedded Analyticsの活用の始め方①

作成者:内藤 崇投稿日:2022年2月14日

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SAP S/4HANAにおけるEmbedded Analyticsの活用の始め方と題しまして、2回に渡りSAP S/4HANAの分析機能の一部分であるSAP S/4HANA Embedded Analyticsの解説と活用についてお伝えしていきます。

初回のこのブログでは、SAP S/4HANA Embedded Analyticsの開発コンセプトやユーザエクスペリエンス、SAP S/4HANA 分析/レポート系ソリューションの全体像、SAP S/4HANA におけるレポートの位置づけ、といったソリューション概要を説明致します。

従来のERPからの変更点 -SAP S/4HANAの開発コンセプト-

SAP S/4HANA開発の際にSAPの共同設立者であるハッソプラットナーが成し遂げたかったことは、真のリアルタイムシステムでした。そのためSAP S/4HANAは基幹系のトランザクションシステムと情報系システムの統合という点がメインコンセプトとなっています。そうした意味でも業務オペレーションに直結するようなデータに関しては、今回ご紹介するSAP S/4HANA Embedded Analyticsを活用して頂く事が非常に重要です。

SAP S/4HANA Embedded Analyticsによるユーザエクスペリエンス

Embedded Analyticsとは日本語で言うと「組み込み分析」という意味で、SAP S/4HANAのデータをリアルタイムで分析するための機能が、既にSAP  S/4HANAの標準機能として組み込まれています。その提供方法、UIはSAP Fioriの標準アプリという形で提供されています。Fioriにて「事前定義された分析用アプリ」と、「アプリを作成・拡張するツール」の2つが提供されており、分析関連のFioriアプリケーション/ツール群を含めてSAP S/4HANA Embedded Analyticsと呼んでおります。

Fiori Launchpadには、KPIタイルと呼ばれるようなタイル上にKPI数値が出ているようなタイルがあります。こちらで表示されているKPI数値から詳細分析をして行くことが出来ます。概要ページと呼ばれる関連領域に関する情報をダッシュボード的に確認することが出来るようなタイルもあります。

また、多次元レポートや分析的なグラフと詳細一覧を同時に確認できるようなAnalytical List Pageと呼ばれるような種類の分析系標準タイルが各業務領域に対して用意されています。

その他にも、Overview Pageと呼ばれるダッシュボードの様に1画面で複数の表示形式のチャートが出力可能なレポートや、List Reportと呼ばれる表形式レポート、ピポッドテーブルのような分析が可能なMultidimensional Reportingも用意されております。

この様に、SAP S/4HANAのEmbedded Analyticsではリアルタイムで視覚的・直感的に分かりやすく、柔軟にドリルダウンできるSAP Fioriベースの標準レポートが数多く用意されており、お客様要件に応じてツールを使用してノンコーディングでレポートを作成することも可能です。

標準アプリはSAP Fiori apps reference libraryで確認することができます。有効化の方法も確認いただけます。

SAP S/4HANA 分析/レポート系ソリューションの全体像(外部BW除く

SAP S/4HANA Embedded Analyticsは、SAP S/4HANA内のデータ分析の為のソリューションであることは理解して頂けたかと思いますが、データソースに関してはSAP S/4HANAのテーブルに対して作成されたビュー(VDM/CDSビュー)を介して直接分析を行います。また前述のFiori以外に、SAP BusinessObjectsやSAP Analytics CloudなどのUIとCDS Viewを接続して利用する事も可能です。

※BPC for S/4HANAはSAP S/4HANA内の計画機能であり、内部でEmbedded BW機能を使用していますが、定義上、 Embedded Analyticsに含まれません。ただし、分析用アプリも提供されており、SAP S/4HANAデータのレポーティングが可能です。

参考文献: Blog: Total shape of S/4HANA Analytics

VDM/CDSビューやFiori以外のツールに関しては次回のブログで解説致します。

SAP S/4HANA におけるレポートの位置づけ

ERP時代の技術で作成されたレポートペインターやドリルダウンレポート、ロジスティクス情報システム等のレポートではSAP S/4HANAの価値を十分に発揮できないため、パフォーマンス、リアルタイム性、視認性、柔軟性、拡張性に優れたSAP S/4HANA Embedded Analyticsの技術で刷新することを推奨しています。

SAP S/4HANAのレポートの位置づけについては領域ごとにSAPノートが公開されています。いずれのSAPノートでもSAP S/4HANAのアーキテクチャーに沿ったCDSビューを活用したSAP S/4HANA Embedded Analyticsへの刷新を推奨しています。

2579584 – Recommendations for Usage of Reports in Financial Reporting in S/4 HANA

SAP S/4HANAでは、これまで財務会計や管理会計等の個別に分かれていた明細テーブル構成をユニバーサルジャーナルに一元化しています。レポートユーザは一元化されたデータソースを参照する事で、事前集計や照合の必要がなくなりました。SAP S/4HANAのレポートは、新しいデータモデルを活用する様に再構成され、SAP Fioriを通じたCDSビューベースの独自レポートを作る多様なツールを提供しています。またHANAに最適化されたアーキテクチャーを採用しているためパフォーマンス上も優位性があります。以上からSAP Fioriを用いたCDSベースのレポーティングへ移行していただくことを推奨しています。

2349297 -S4TWL – Reporting/Analytics in Controlling
Report Writer/down reporting 、 ABAP List Views (ALV) で作成されたほとんどのレポートは、オリジナルのレポートに提供されていたすべての項目へのアクセスをもった互換ビューを引き続き利用しますが、ERPで得られていた以上の知見を提供するものではありません。 SAP Fioriレポーティングアプリを有効化して、エンドユーザと共に検証してください。

2267414 – S4TWL – Vendor evaluation based on LIS
LISによるベンダー評価はSAP S/4HANAで利用可能ですが、新しいアーキテクチャーを考慮していません。CDSビューを元にしたS/4HANAのレポート機能やスマートビジネステクノロジーを使用することを推奨しています。

その他関連SAPノート
2267348, 2267286, 2268063, 2270193, 2267463

まとめ

本ブログではSAP S/4HANA Embedded Analyticsの開発コンセプトやユーザエクスペリエンス、SAP S/4HANA 分析/レポート系ソリューションの全体像、SAP S/4HANA におけるレポートの位置づけを解説致しました。

SAPでは、SAP Analytics Cloud 、SAP S/4HANA Embedded Analytics、CDSビュー、SAP Business Objects BI等の分析ソリューションや製品群とその関係性、SAP BWや、SAP HANAの複合アーキテクチャー等、分析基盤構築に関する基本情報のご説明、製品の最新情報と今後のロードマップを踏まえたワークショップの実施、お客様毎に最適なシステムランドスケープ・分析基盤の検討やSAP S/4HANA Embedded Analyticsでのレポート開発を御支援するサービスを御提供しています。

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