東洋経済【会社と従業員を繋ぐ人材マネジメントとは ~不確実な時代に強い組織になるために~】レポート 2/2

作成者:SAP SuccessFactors編集部投稿日:2022年1月18日

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2021年9月30日に「会社と従業員を繋ぐ人材マネジメントとは ~不確実な時代に強い組織になるために~」(主催:東洋経済新報社、協賛:SAPジャパン株式会社)がオンライン配信により開催されました。

基調講演、特別講演1のサマリをご紹介した第1回に続き、本ブログでは、特別講演2およびパネルディスカッションの様子をご紹介します。

 

マイナビが挑む、強い組織・強い個人を生み出すための取り組み

株式会社マイナビ 人事統括本部 人事部 部長
上澤田 真吾 氏

事業と社員数が短期間に急成長したマイナビでは、戦略人事部門新設以来、様々な試行錯誤を繰り返してきました。

取り組み事例①事業部門を超えた異動の活性化

事業部門を超えた最適な異動配置や、社内のキャリアチェンジを可能にするため、以下のような打ち手を導入しました。

  • 異動希望を上司に見られないように人事部直通にし、頻度も年2回に増加
  • 面接に合格すれば、本人の意思で異動できる社内公募制度を採用
  • タレントマネジメントシステム SAP SuccessFactorsを導入

初年度は9名だった異動合格者が、直近では約50名の異動合格者を出すまでになり、制度として定着させることができました。
また、タレントマネジメントシステム導入により散在していた人材情報の一元管理が実現し、情報の整理が進みました。

ポイント
スモールスタートで「やる、やらない」の議論を回避し、導入後に批判を取り込むことで制度を改善しながら浸透させた。

取り組み事例②HRデータの活用

以前はHRデータが散在し、パーソナリティデータの収集も不十分でしたが、以下のような整備を進めました。

  • 重要指標は月次集計してレポート化
  • 全社員がパーソナリティのアセスメントを受験
  • エンゲージメントサーベイの結果を人事部で分析

例えばパーソナリティとエンゲージメントデータの分析からは、マイナビには指示指導型の管理職が多いことがわかり、会話型のマネジメントを強化した方がいい、ということがわかりました。
この気づきから、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングや、1on1の任意のワークショップを展開しました。

ポイント
任意のワークショップの形を取ることで、正式な制度化に必要となる時間やエネルギーを節約した。

ダイバーシティリーダーを生み出したい

これからマイナビの人事部は、客観的な情報打ち手のアウトプットを強化し、事業と組織の両輪が回る状態を作っていき、また適時適材適所を実現したいと考えています。
さらに、自律的なキャリア形成のため挑戦の機会を増やし、変化の激しい環境の中で多様な組織を導いていけるダイバーシティリーダーを生み出したいと思います。

 マイナビが試行錯誤から得た3つの教訓

  • 世の中にあふれる施策の中から、自社に似合うものを選択する
  • 社内の合意形成で消耗するのを避け、スモールスタートを心がける
  • 批判を宝の山と捉え、意見を取り込むことで陣地を広げる

 

会社と従業員をつなぐ人材マネジメントとは~不確実な時代に強い組織になるために~ パネルディスカッション

基調講演者および特別講演者である武井氏、島田氏、上澤田氏に加え、SAPジャパン 人事・人財ソリューション事業本部にてチーフストラテジーオフィサーおよび業務コンサルティング部長を務める樋口 将嘉が登壇しました。武井氏のモデレートのもとパネルディスカッションを行いました。

テーマ1:なぜ変わらない、変われない人が多いのか?

島田氏は、変わらない人からは、勇気がないという話をよく聞くので、何を恐れているのか、何をするべきか、きちんと会話をすると良いのではと話します。

上澤田氏は、人事部の立ち上げにあたっては、いきなり始めるのではなく小さく始めたところに共感者が集まってきたと語ります。小さく始めて成功事例を展開していくことが必要なのかもしれません。

樋口は、お客様とのプロジェクト経験から、事業戦略の目線を交えて目的を徹底的に議論することが重要であると語ります。現場の課題解決ではなく、経営イシューとして捉えた上で合意形成を丁寧に行っているお客様は、うまく行っている体験値があると話しました。

将来の目指す姿、ありたい姿について時間をかけて話し、言語化していくことが重要であると言えそうです。

上澤田氏は、人事部の立ち上げにあたり、自らの仕事を「人と組織の活性化」と定義しました。目的を明確化したうえで社員の声を聴くことが、後々大きい施策を実行するときに大事な出発点になると武井氏がまとめました。

最後に、島田氏が、パーパスをリーダーが問いかけることをユニリーバでは実践していると共有しました。同時に、組織には「何のためにやるのか」、「それは本当なのか」といった視座を上げる質問ができる人が大切であり、そのためには心理的安全性の確保が求められると話しました。

テーマ2:変わっていくためのヒント

樋口は、大きなテーマ設定をするとやらされ感が出てしまうため、「社員としてどういう職場になってほしいのか」という観点から議論するとうまくいくと話しました。人事部としてやるべきことに縛られるのではなく、本質的な議論ができると、最終的にいいテーマ設定に繋がるのではないか、と問いかけます。

上澤田氏は、複眼視点を大切にしていると語りました。現場の社員、似た課題を抱える他社の取組みはどうか、答えがない場合は複眼視点で考え、決めてしまうことを大事にしていると話します。

島田氏は、自分の思考や感情に目を向けて、恐れなくシェアできる、誰かの発言を周囲がしっかり聞いて、ねぎらうことを繰り返しながら、すぐに判断・評価せずにいったん受け止めて話していくことが重要であると話しました。Whyを出して、繋げて、対話をしながら、より良い人と組織のマネジメントにつなげてほしい、と本セッションを締めくくりました。

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