SAPアプリケーション向けデータベースとしてSAP Sybase ASEが採用される理由とは

作成者:池口 大輔 投稿日:2013年8月22日

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読者の皆様、SAPジャパン ソリューション本部の池口と申します。私はシニアソリューションエンジニアとして、主にデータベース関連のソリューションを担当しています。今回のブログでは、SAP Sybase ASE for SAP Business Suiteについて、お客様における採用の実態(導入以前の課題、採用の決め手、発揮された導入効果)をご紹介しようと思います。技術的な話とは少し離れた内容になりますが、SAP Sybase ASE for SAP Business Suiteの採用をご検討いただく参考になればと考えています。

SAP Sybase ASE for SAP Business Suiteとは

Beijing road night scene

こちらのブログ記事では技術的視点からご紹介していますが、SAP Sybase Adaptive Server Enterprise(SAP Sybase ASE)の概要について、簡単に触れてみたいと思います。SAP Sybase ASEとは、大規模エンタープライズやミッションクリティカルな用途に向けて、大きな効果を発揮する高速RDBMSです。最新バージョンであるSAP Sybase ASE 15.7では「スレッドカーネルアーキテクチャー」など、新たな機能拡張が図られ、I/Oが集中する状況や、CPUの負荷が高まっている状況でも、非常に高いパフォーマンスを発揮することができるようになりました。SAP Sybase ASE for SAP Business Suiteは、2012年3月に出荷を開始したSAPアプリケーション向けランタイムで、マルチプラットフォーム対応かつ、各SAP製品(ERP、CRM、SRM、SCM、SAP NetWeaverなど)との高い親和性がその特長となっています。

お客様の課題とSAP Sybase ASE for SAP Business Suite採用の決め手

SAP Sybase ASE for SAP Business Suiteの導入にあたって、以前お客様が抱えていた典型的な課題を、新規導入/マイグレーションに分け、以下にまとめてみました。

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このような課題に対するソリューションとして、SAP Sybase ASE for SAP Business Suiteを採用したお客様の採用の決め手に着目してみたいと思います。下記に示す通り、採用の決め手については、製品機能そのものについての優位性と、SAP製品群との親和性の大きく2つがポイントとなっていることが分かります。

製品機能における優位性

機能面では、管理性の高さが第一にあげられています。大規模かつ複雑なシステムにおいても、データベース管理が容易にできること、つまり、DBAの負荷やコストが削減できる点が大きな優位性と捉えられています。また、パフォーマンスの改善や、効率良い圧縮機能によるスケーラビリティーの改善、さらに、マルチプラットフォームであることによるプラットフォーム選択の自由度の高さも、選定の上での重要な差別化ポイントとなります。これらの優位性により、SAP Sybase ASE for SAP Business Suiteは、お客様におけるTCOの大幅な削減に貢献するものとなっています。もちろん、SAP Sybase ASEとしての豊富な導入実績が、ミッションクリティカルなオペレーションを処理する堅牢かつ信頼性の高いデータベースであることを証明しています。

■SAP製品との親和性の高さ

もう1つの大きなポイントは、SAP製品との親和性の高さです。SAPというシングルベンダーによってすべてを提供できることで、具体的には、各アプリケーション機能とのシームレスな統合、製品郡全体のロードマップに沿った長期的な安定供給、サポートの一元化を実現できている点が大きな優位性となっています。特にサポートについては、アプリケーションとデータベース両方を対象にしているため、トラブル発生時にお客様側で問題の切り分けをして、それぞれのベンダーに対応を依頼するなどの手間が不要になるため、実運用時のメリットは大きなものとなります。さらに、SAP ERPとSAP Sybase ASE for SAP Business Suiteの製品ライフサイクルが一致しているため、一貫した効率良い管理が可能となります。なお、将来的にSAP HANAへのマイグレーションを考えているお客様についても、現状からSAP製品を使用することで、スムーズなマイグレーションが可能となります。

競合製品をはるかに凌ぐTCO削減効果

最も重要となる導入効果については、以下のような内容をあげることができます。

  • データベースライセンス料および保守料の削減
  • ディスクやサーバーリソースの削減(小さいフットプリントと速度による)
  • 高いパフォーマンスと信頼性の実現(高い負荷、多数のユーザーによる使用状況下でも、優れた処理速度と少ないダウンタイムを実現)
  • リソースの低減(他DBMSに比べ、人的リソース/ハードウェアについての省リソース化を実現)
  • 高いスケーラビリティー(ユーザー数増加にあたっても、期待パフォーマンスを維持)
  • 将来的な導入リスクを排除(シングルベンダーによる製品ロードマップとサポートの一体化)
  • 事業成長への柔軟な対応(優れた拡張性、データ圧縮率、ユーザーへの素早い応答)
  • 既存のノウハウの再利用(技術者における既存のデータベーススキルの流用が可能)

このような幅広い導入効果を発揮できる背景には、SAPの企業としての信頼性、将来に向けた安定性に加え、SAP Sybase ASEの製品品質の高さ、信頼できるソリューションと統合されたサポートなどがあります。これらを一貫して提供することで、データベース利用に関連するリスク、コスト、複雑さなどを最小化しながら、お客様企業の将来的な成長に大きく寄与するシステム基盤を実現することが可能となります。

最後に、他社のRDBMSと、SAP Sybase ASEのTCO比較に関するホワイトペーパー*1の内容を参考に、客観的な調査内容から明らかになったSAP Sybase ASE for SAP Business Suiteの優位性をご紹介します。

総所有コスト(TCO)の検討においては、データの増加、アプリケーション利用の増加、ハードウェアの減価償却と交換、保守作業やデータベースチューニングといった日常業務に関するスタッフ費用を考慮して、5年の期間に渡って行うべきです。ここでは、いくつかのポイントにおけるSAP Sybase ASEの優位性をご紹介します。

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データ増加時のハードウェア費用の削減

上記は、SAP Sybase ASEのデータ量が増加するにつれて、処理、データ圧縮およびその他の要素で効率が向上し、テラバイト当たりのコストが削減されていく状況を示しています。

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ITスタッフの作業時間節約におけるSAP Sybase ASEと他社RDBMSの比較

RDBMS運用に関するコストではITの人材を揃えることが何よりも大きな要因であり、コストは5年間でユーザー100人当たり年平均25万3,862ドルに及んでいます。SAP Sybase ASEは、他のRDBMSと比較して、ITスタッフのリソース全体で27%の削減を実現しています。

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まとめ:SAP Sybase ASEユーザー100人あたりの5年間のコスト節減

上記のグラフに示す通り、SAP Sybase ASEのコスト節約は、すべてのポイントで他のRDBMS平均を上回っています。IDCでは、SAP Sybase ASEの総コストは、他社RDBMSの総コストより平均で28%下回ると見積もっています。これは5 年間でユーザー100 人当たり約12 万9,000ドルという大幅な節約となります。

今回はSAP Sybase ASE for SAP Business Suiteについて、その採用の実態をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか? お客様視点から見たSAP Sybase ASE for SAP Business Suiteの魅力が伝わればうれしく思います。最後までご覧いただきありがとうございました。

*1 出典:IDC 社のホワイトペーパー「RDBMSの真の所有コストの計算方法とSAP Sybase ASEでの状況:SAP Business Suiteユーザー向けガイド」(発行:2011年12月)

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