社会貢献活動の自分ごと化プロジェクト“CSR for everyone” – 第3回 課題解決提示とプロボノ活動を通じて感じた社会課題解決への貢献とは

作成者:ナショナルアジェンダ 編集部投稿日:2022年3月10日

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第2回では、企業のプロボノ活動を支援する認定NPO法人サービスグラント様ご協力のもと、3つの社会支援団体でスタートした活動の様子をお伝えしました。

昨年12月にプレスリリースでも公表した通り、各社会支援団体へ成果物をおさめ、2021年7月半ばから11月末までの3.5ヵ月間の支援活動を完了しました。

今回は、それぞれの活動での提案概要と、活動全体に対しての社会支援団体およびSAP参加メンバーの声をお届けします。本業とは違うところでSAPがどのように社会貢献できたのか、また、SAP社員が普段の業務と異なる経験をしたことがどのように各人の糧になったのかについて、お伝えできれば幸いです。

団体1.ワーカーズ・コレクティブ ちろりん村

身内による子育てのサポートや、地域とのつながりが少なくなってきている今の時代において、家庭の子育てが孤立したものにならない社会を作るために活動しているNPO法人です。西東京市を拠点に、家庭訪問によるママたちの悩み相談や、親子で参加できる離乳食教室やリトミック教室などのイベント開催を通じて、地域の子育てを支援しています。

課題解決の提案内容

前回のブログでお伝えした通り、事業継続の資金不足に対する支援を行うため、寄付金集めのチラシを作り、納品しました。寄付者と行政の共感を得やすいチラシとなるように、ちろりん村関係者の方々にヒアリングした内容をもとに、デザインシンキングを用いて、ちろりん村の活動ビジョンを再定義しました。

デザインシンキングを用いて、ちろりん村の活動ビジョンを再定義
ビジョンを明確にしたうえで、誰に対して、何を依頼しているのかが分かりやすく伝わるよう、レイアウトとデザインを工夫してチラシを作成しました。

NPO法人ワーカーズ・コレクティブちろりん村のチラシ

今後は、WEBサイト上で寄付金を募れるよう、ちろりん村にてサブスクリプションサービスなどを用いたWEBサイト公開を検討される予定です。

ちろりん村からのフィードバック

  • 普段はメンバー3人で運営しており煮詰まってしまうこともありましたが、SAPがチームで関わっていただけたことで第三者の意見を受け、改めてちろりん村の活動の良さも再確認できました。
  • 毎回1時間の会議の中でどんどん仕上げていくスタイルがとても新鮮でした。
  • 今までの助成金頼りの運営ではなく、使い道がより柔軟な寄付金への転換の入り口を支援してもらう中で、広報誌の見せ方や伝え方などのノウハウを教えていただきました。
  • 自分たちの活動への支援者に対して、賛同してもらうこと、共感してもらうことが重要だと改めて感じました。
  • 郵便局での振り込みだけではなく、ネットでの寄付サイトがあることなども勉強になりました。

活動を通してメンバーの感想

  • 活動前は進め方などに具体的なイメージが持てず貢献できるか不安でしたが、サービスグラント、ちろりん村、チームメンバーの協力のおかげで特に問題なく進められました。また、支援者や実際の利用者の声を聞くことで社会課題をより深く理解でき、あらゆる観点から物事を考える大切さを学びました。
  • 社会問題の解決にNPOが必要不可欠という事を学びました。サポートする側としてちろりん村と出会いましたが、会議のたびに私も前向きに頑張ろう!とパワーをもらいました。
  • 身近でありながら、意外と知らなかった社会課題の深刻さと、それにポジティブに、長年取り組んでおられるNPOの方々を間近に見ることができました。

団体2.四街道市国際交流協会(YOCCA)

「国境を越え、世代を超え、互助精神で人と人とを結ぶ」をモットーに、誰もが日常生活の中で体験できる国際交流を目指して、四街道市を中心に外国人市民の日本語学習や生活サポート、語学、文化交流事業など様々な分野で活動をしています。

課題解決の提案内容

前回のブログでお伝えした通り、YOCCAのキーメンバーへのヒアリングを実施し、団体が順調に成長する中での様々な課題を把握しました。課題は多岐にわたりましたが、ヒアリングした結果をとりまとめ、一つひとつに対して解決策(案)を整理しました。

YOCCAの課題と提言

YOCCAの事業活動は約300人のYOCCA会員のボランティア活動によって支えられています。各会員が持つ語学スキルをはじめとする技能を把握し、的確にタスクを割り当てることで、より良い事業運営が可能となります。数ある課題の中でも、事業活動の基盤であるYOCCA会員情報管理の改善が最重要と捉え、課題の掘り下げを行うとともに、クラウドサービスを活用したシステムを提案しました。

DB管理の方向性:実現性

YOCCAからのフィードバック

  • 日頃から活動を行う中で感じてきた運営上の課題が、第3者の視点でヒアリングを行っていただいたことで網羅的に整理・ドキュメント化されたことは、団体内の情報共有という観点でも有意義でした。
  • 会員情報管理に対するシステムの提言で、YOCCAメンバーだけではやり切れないような情報も整理いただき、今後の業務改善に向けて大変に有意義なものとなりました。
  • 今回のプロジェクト期間内では実際のシステムの導入までは実行できませんでしたが、引き続き取り組んでいきたいと思います。

活動を通してメンバーの感想

  • プロジェクトを通じてNPO団体の方々や、SAP社内の他の組織に所属する方々と一緒に活動し「自分の当たり前が他の人の当たり前とは限らない」という大切なことに改めて気が付きました。
  • 組織の抱える課題「必要な情報をどのように取得し、必要な人にどのように届けるか」というのはNPO団体もSAPのお客様も同じであり、通常業務で培った知機やスキルが活かせると感じました。
  • スキルや知識、考え方・視点の違いが「価値」であるという事に気が付きました。具体的には今回のプロジェクトチーム内にも「アイデアを広げたい人」「期待値をコントロールしたい人」「詳細が気になる人」「次のアクションに繋げたい人」「話を整理したい人」など、ちょっとした思考の違いが引っ張り合い、バランスすることで我々の提案を創造でき、それが価値なのだと感じました。
  • 自分では当たり前のことが他の人にとっては新しい発見であるなど、自分のスキルや知識、考え方・視点が思いもよらず他者の役に立ち、NPOへの価値につながることがあると気付きました。

団体3.認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)

「ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)」(以降WAN)は、ジェンダー平等社会実現に寄与することを目的として、女性の情報や活動の相互交流の場を提供し、女性のネットワークの構築と、女性のエンパワーメントに寄与する事業を行っている団体です。主な事業の一つとして、ミニコミ誌を電子データ化し、ウェブサイト上に半永久的に保存して、いつでもどこからでもアクセスできる電子図書館『ミニコミ図書館』を運営しています。

課題解決の提案内容

前回のブログでお伝えした通り、問題点を深掘りするために行ったヒアリングにより、新たな課題も明らかになりました。

[ヒアリングにより新たに認識した課題]

  • 収蔵資料の検索性が低いため、ユーザーにとって使い勝手が悪く検索機能を整備、強化したい
  • 管理用のツール(一括ダウンロードツール、サムネイルの自動作成など)の機能が不十分なため、一部の作業負荷が高くなっている
  • WANウェブサイト全面改修を検討したいと考えており、それに関連してデータ移行に際しての課題整理も検討したい。
  • ミニコミ図書館を知らない人、特に若い世代への認知度を高めたい。

これらの課題に対して、以下の5つのポイントでの改善施策を提案しました。

  1. D-WANのITインフラレイヤーの安定化に向けた活動
  2. D-WANのユーザーもしくは管理者観点での改善に向けた活動
  3. D-WANを運用時において属人化を極小化する為の業務フロー作成
  4. D-WANにて保持するメタデータ整備に向けた活動
  5. D-WANの新規ユーザー獲得に向けた検討

1については、D-WANの運用保守会社の変更とサーバーの移行により、これまでのような貴重なデータの消失は発生せず、また定期的なバックアップ取得を推奨することで今後の運用面での不安点も解消しました。

2については、ヒアリングを通してD-WANにおいて必要とされる機能を確認し、「課題・要求一覧」としてカテゴリに分類し、対応する優先順位を整理しました。また、新システムへの移行を見据えて、必要なタスクの整理と「課題・要求一覧」を満たす、国内外の学術機関にて使用される2つのパッケージソフトウェアの簡易比較表を作成しました。

D-WANウェブサイト機能観点での改善

3については、D-WAN運用における業務フローを作成することにより、属人化していた運用を目に見える形にし、効率的にD-WANを運営できるようにしました。

4については、検索性を改善するためにはアプリケーションの操作性を上げるだけでは課題の解消にはつながらないため、格納している文献データの整備も併せて行う必要があると判断し、D-WANにとって有用なメタデータ情報について一覧を作成してデータの整備を行うことを提案しました。

5については、SAPジャパンの若手社員にD-WANを実際に使用してもらい、ヒアリングをし、新規ユーザー獲得に向けて有効と見込まれる施策をいくつか提案しました。

ウィメンズアクションネットワーク(WAN)からのフィードバック

  • 色々な観点で気付きをもらったことで、自分たちの能力を超えてプロジェクトを運営していることがわかりました。それと同時に、NPOというのは無謀ながらも始められるということもあるので、SAPのようなプロの方々のサポートがあることに非常に感謝しています。
  • ぼやっとなんとなく課題だなと思っていたことが、全体の中のどこに位置付けられるものなのかわからないままに過ごしていたが、SAPの皆様とやり取りしていくうちにクリアになってきて、最後には非常にわかりやすく図に表現して目に見える形で報告していただいて感謝しています。
  • 長期的な視点でこの後の計画を立てられる情報を得られました。今後は提示してくださったWANの目指す方向性に向けて一歩ずつ前に進めていきたいと思います。
  • 自分たちの調査及び活動の内容がどのように受け止められるかが最後まで不安でしたが、通常の仕事で得られる達成感や、家庭での自分の役割を果たしたときの感覚とはまた違った高揚感を得られました。

活動を通してメンバーの感想

  • ミニコミ誌の保存・活用という目的に向けて、様々な人々が信念を持ち、労力を費やしていることを感じることができた4か月でした。私たちの活動が、少しでも皆様の目標の達成に役立つことができていれば嬉しいです。
  • 通常業務とは異なる視点で活動に携わることができ、大変勉強になりました。
  • 仕事が終わった後の平日や休みの日は、疲れを取るためという理由を付けてだらだらと過ごしがちでしたが、平日の遅い時間に集まって打ち合わせに参加してくださったり、休日にも活動されたりするパワフルな皆様を見て触発されました。また、これまで関わる事の無かったミニコミ誌の世界とD-WANの活動内容及びその問題に触れて、ITに関連した話だけではなくもっと奥の深い難しい課題もあることを知り、自身の知見も広がったように思います。
  • 本業での知識・経験が活用出来るところもあれば、新しいトピックへのチャレンジの機会もあり、充実した4ヶ月でした。またNPOならではチャレンジも知る機会となりました。私達の活動としては一旦区切りを迎えますが、WANさんを含めたNPOのIT活用について引き続き考えることが出来たらなと思います。

最後に

企業のプロボノ活動を支援する認定NPO法人サービスグラント様にご協力いただき、企業として社会課題解決のためのプロボノ活動に参画したことはSAPジャパンとしては初めての試みでした。SAPは”Help the world run better and improve people lives”というpurpose(目的)をグローバルで掲げていますが、これをもっと身近に感じて自分ごととして社会課題を肌で感じ、自分がそれらに対して貢献できることは何かを考えることで、社会貢献への手ごたえが得られた活動だったと思います。2022年も引き続きこの活動を通じて社会課題解決に向き合う社員がまた一人、また二人と増えていくことを目指していきたいと思います。SAP Japan 2023 Beyond

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