SAP S/4HANAを活用した財務システムプロジェクトが『Global Finance』誌の「Best Company in the World for Foreign Exchange Management award」を受賞

作成者:中野 浩志投稿日:2022年3月16日

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2018年からSAP S/4HANAを活用して新たな財務プラットフォームを構築する「METRO」プロジェクトをソニーグループが開始。コロナ禍にもかかわらず、2020年10月に無事プロジェクト活動が完了し、効果的・効率的でかつ安定したグローバル為替資金オペレーションが実現されました。

「METRO」プロジェクトでは、日本だけでなく米国、英国、シンガポール各財務拠点の業務を標準化・シンプル化・自動化するため、SAP S/4HANA中心に最先端のさまざまな新しいテクノロジーをクラウド環境で採用し、ソニーグループの金融を除く全ての多様な事業セグメント・全世界337社のFX(外国為替取引)リスクヘッジや資金ニーズなどを透明性高くリアルタイムにサポートする体制を構築しています。
DX推進を体現したといえる「Metroプロジェクト」は、米金融専門誌『Global Finance』誌の「Best Company in the World for Foreign Exchange Management award」も受賞しています。

米金融専門誌の『Global Finance』誌による“Corporate FX Awards”においてソニーグループが最上位の賞を受賞できたのは、SAP社様をはじめパートナー各社の皆さまから多くのご支援があったからこそ可能になったことであり本当に感謝しております。今回の受賞の大きな理由の一つは全世界のソニーグループ各社の外国為替(FX)リスクヘッジを最短で数分以内に実行できる財務プラットフォームをMETROプロジェクトで実現したことです。この新しいテクノロジー導入のためにSAP社のR&Dチームの皆様と緊密なコラボレーションを行いスムーズに導入することができました。今後とも社内外のパートナーの皆さまと協力し、ソニーグループの企業価値向上に財務面から貢献して行きたいと考えております。

ソニーグループ株式会社  財務部 Treasury グループ ゼネラルマネジャー 石黒 博之 氏

 

コロナ禍でも世界最大規模のSAP S/4HANA導入を実施
ソニーグループは、グループ全体の社内銀行として2000年に英国にSony Global Treasury Servicesを設立し、グローバルな為替リスクヘッジ・資金管理の一極集中化を達成しています。2016年には米国のSony Capital Corporationに在米グループ企業向けのキャッシュマネジメント機能などを移管し、米国資本市場へのアクセスも強化されています。そして2018年からSAP S/4HANAを活用して新たなトレジャリープラットフォームを構築する「METRO」プロジェクトが開始。コロナ禍にもかかわらず、2020年10月に無事プロジェクト活動が完了し、効果的・効率的でかつ安定したグローバル為替資金オペレーションがBig Bang方式で実現されました。IT面では、SAP S/4HANA中心に最先端のさまざまな新しいテクノロジーをクラウド環境で採用することにより、約20年利用していた複雑化した従来のシステムが置き換えられました。そして、METROプロジェクト導入により、金融を除く全ての事業領域がカバーされ、全世界337社のFXリスクヘッジや資金ニーズなどを新システムでしっかりとサポートする体制が構築しています。

今回のプロジェクトの最大の成果の1つは、FXリスクヘッジがスピードアップし効率化したことです。FXヘッジ業務はグループ各社から提携銀行までエンド・ツー・エンドのプロセスで自動化されました。その結果、FX取引銀行とベストプライスでのディール完了まで数分、そして以前は数日かかっていたディール照合が20分以内に完了するなど業務スピード・効率が劇的に改善されました。この自動化は、SAP S/4HANAおよびSAPのTPI(Trading Platform Integration)ソリューション、360T Trading PlatformおよびSWIFTnetなどの新しいテクノロジーを自動連携することにより実現されました。これにより、ゲーム、音楽、映画、エレクトロニクス、半導体など、ソニーグループの様々なビジネスにおけるFXリスクをより効果的・効率的にヘッジできるようになりました。

またソニーグループでは、全世界のお取引先への支払いについて、社内銀行が各社の代わりに支払する代行支払サービスが2000年より開始されています。このサービスを、SAP In-House-Cashをはじめ最先端のテクノロジー導入で置き換え、毎月70,000件ものグループ会社の支払が、安定的・効率的に運営されています。

次世代のテクノロジーにより、支払依頼やBank Statementなどの銀行とのデータ接続がスムーズに行えるようになったことで、タイムリーな資金状況の把握ができるようになり、在宅勤務の環境下でも、より精度の高いキャッシュマネジメントが実践されています。SAP In-House-Cashと最新テクノロジー導入で、さらに進化しました。

今回のプロジェクト最大のチャレンジは、SAP Treasury専門家の不足でした。この課題の解決策として、SAPのR&Dチームとの協業が最新のSAPテクノロジー導入に際して効果を発揮しました。さらにZandersチームの採用により、SAP Treasury専門家が社外パートナーとして参画したことが、プロジェクト成功への鍵となりました。

2020年には新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大したため、すべての出張がキャンセルとなり、在宅勤務が中心となりました。そこでITツールを活用したグローバルなコミュニケーションや、タスクの細分化による効率化、外部専門家も交えた社内人材の育成、銀行への伝送テストも含めた入念なテスト実行などを徹底しました。

 

”SAP S/4 HANAをはじめ新テクノロジー導入までにはプロジェクト期間中にいくつかの課題が発生しました。グローバルなプロジェクトのため、日米欧の時差や言語の壁、意見の違いもありました。SAPトレジャリー専門家を交えて建設的な議論を行い、POCで事前検証することで課題を解決し、ソニーグループ全体にとってベストと言えるソリューションを実現できました。今後も新しいテクノロジーをフル活用し、ソニーの各事業セグメントを財務面から強力にサポートして行きたいと考えております。”
ソニーグループ株式会社  財務部 Treasuryグループ シニアプロジェクトマネジャー 八木 建弘 氏

プロジェクトからの「学び」として、プロジェクトの中心であった財務部メンバーとIT部門の並走の重要性、若手・中堅社員の積極的登用と育成、専門のパッケージソフトウェアの活用、社外専門家の活用と協同、取引金融機関との密な連携体制などがあったといいます。世界8カ国の多様なメンバーと一体感のあるプロジェクトを推進する中で次世代DX人材を育成しており、こうした人材がさらなる財務領域の変革を推進することが期待されています。

 

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