大手町新オフィスプロジェクト「KARUGAMO」 ―SAPジャパンの成長を加速させ、社員の声が結実した新たなコラボレーション環境とは

作成者:SAP編集部投稿日:2022年5月18日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SAP社員に聞く、ニッポンの未来へ向けた取り組みと想い#10 大手町新オフィスプロジェクト「KARUGAMO」 ―SAPジャパンの成長を加速させ、社員の声が結実した新たなコラボレーション環境とは
ニッポンの「未来」を現実にするために、SAPジャパンの社員が取り組んでいるさまざまな変革プロジェクトをご紹介する本連載。10回目の今回は「大手町新オフィスプロジェクト(KARUGAMOプロジェクト)」について取り上げます。コロナ禍によるリモートワークへの移行を背景に、多くの企業がオフィスのあり方を見直す中、SAPジャパン自身の新たな働き方を追求する機会とするべくスタートした本プロジェクト。2022年8月に迫った正式オープンに向けて、今まさに佳境を迎えている新オフィスへの移転に込められた狙いについて、同プロジェクトのリーダーを務める総務部 プロジェクトマネージャーの瓜田良介さんに話を聞きました。
(聞き手:SAP編集部)

KARUGAMOプロジェクトマネージャー 瓜田良介さん

KARUGAMOプロジェクトマネージャー 瓜田良介さん

新オフィスに込められた「ビジネスの起爆剤」としてのコンセプト

まず、「KARUGAMO」と名付けられた今回の大手町新オフィス移転プロジェクトについて、その狙いや現在に至る経緯をお聞かせください。

瓜田 ご存じの通り、2020年2月に新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが発生して以降、多くの企業の社員の働き方は急速にリモートワークにシフトし、これを機にこれからの働き方についての議論が盛んに行われるようになりました。こうした中でSAPジャパンは、旧本社の半蔵門オフィスの賃貸契約が2021年7月で満了し、さらに翌2022年にはコンカーの日本法人のオフィスも賃貸契約が切れるタイミングを迎えることとなり、新たなオフィスの設計を含めた働き方の抜本的な見直しが全社規模のテーマとなりました。
ここで重要な指針となったのが、コロナ禍以前からグローバルで提唱されてきたニューノーマル時代における新たな働き方を意味する「Pledge to Flex」というスローガンでした。この「Pledge to Flex」で掲げられているFlex Location(勤務地の柔軟性)、Flex Time(働く時間の柔軟性)、そしてFlex Workspace(働く場所の柔軟性)の3つの軸に踏まえて、私たちはコロナ禍やオフィスの賃貸契約切れという要因を決してネガティブに捉えることなく、SAPジャパンの新たな働き方を実現するきっかけとするべくスタートしたのが「KARUGAMOプロジェクト」です。
もうお気づきかもしれませんが、プロジェクト名の「KARUGAMO」は、SAPジャパンの新オフィスが大手町にある三井物産ビルに入居することから、かつてこの敷地内にあった人工池と皇居のお堀の間を行き来し、その愛らしい姿が話題になったカルガモの親子にちなんでつけられたものです。
SAPグローバルで掲げる新しい働き方 : “Pledge to Flex”

新オフィスへの移転をSAPジャパンの社員はどのように受け止めているのでしょうか。

瓜田 今回のプロジェクトの最大のコンセプトは、大手町の新オフィスを「SAPジャパンの新たなビジネスの起爆剤」として位置づけているところにあります。そこでは新たなビジネスを生み出す主体である社員が、どのような働き方を求めているかが重要であることから、2020年秋のプロジェクト計画のスタートと同時に、すべての社員を対象としたサーベイを実施しました。
このサーベイでは、いくつもの興味深い結果が得られました。例えば、「どれくらいの頻度でオフィスに出社したいか」という質問に対しては、42%が「フルリモートでかまわない」、50%が「週に1~3回の出社でよい」と回答しています。またオフィスで行う活動としては、「同僚とのコラボレーション」や「顧客やパートナーとのミーティング」が過半数を占めました。
このことから多くの社員が在宅勤務にメリットを見いだしている一方、オフィスをコラボレーションやコミュニケーションの場として位置づけていることがわかりました。このサーベイの結果が示す社員の期待も踏まえて、経営陣を中心にどのような新オフィスを設計するのかについての議論を進めていきました。

2020年の従業員サーベイ

「オフィスは何のための場所なのか?」を問い直したコンセプト作り

経営陣を交えた議論では、具体的にどのようなことが話し合われたのですか。

瓜田 まず、SAPジャパンのビジョンでもある「お客様の成功を本気で考えることで、SAPがお客様から選ばれる会社になり、それが社員のやりがいにつながる」というサイクルの実現を目指す上で、新オフィスはそのための「Great place to work(すべての社員がやりがいを感じ、新たなことにチャレンジできる環境)」であり、「Pledge to Flex」で掲げられているFlex Workspace(働く場所の柔軟性)でなければならないという点が確認されました。
SAPジャパンでは、以前からこのビジョンの実現に向けて「Home Game」と呼ばれる施策に注力してきました。これは日本のお客様をドイツのワルドルフにあるSAP本社や米国のパロアルトのラボにお招きして、SAPが信頼できるパートナーであることを認知していただくための取り組みですが、これがコロナ禍によって大きな制約を受ける事態に陥っていました。
そこで考えたのが、大手町の新オフィスを「Great place to work」「Flex Workspace」として位置づけ、すでに近隣に設けられているExperience Center TokyoやInspired.Labといったイノベーション拠点と連携することで、日本でNew Home Gameを実現しようという計画です。
また、2022年はSAPジャパンの創設30周年という節目の年でもあります。

大手町“Growth Triangle”による新たなHome Game

新オフィスの計画を推進していく上で、特に重視したポイントを教えてください。

瓜田 最も重視したポイントとしては、①フレキシブルな働き方をサポートするオフィス、②社員のコラボレーションをサポートするオフィス、③新たなエコシステムを生み出すオフィス、の3つがあります。これは「オフィスは何のための場所なのか?」という問いに対する答えを定義し直したものです。サーベイの結果からもわかる通り、毎日のようにオフィスで仕事をすることを望む社員はもはや少数派です。IT環境の面でも、クラウドシフトによってどこにいても仕事ができる環境がすでに整っています。そうなると、これまでは曖昧だったオフィスの役割を改めて明確にすることが、社員とのエンゲージメントを高めていく上でより重要になります。
このほか、この3つから生まれる成果をショーケース化して顧客満足度を高めていくことや、サステナビリティに対する配慮といったこともオフィスの価値を最大化するために重要であると位置づけています。

新オフィスコンセプト

「オフィスカタリスト」を通じて、すべての社員の声を集約

「KARUGAMOプロジェクト」を担っている組織やメンバーについて教えてください。

瓜田 プロジェクト全体としては、SAPジャパンやコンカーの社長室、総務、IT、調達、人事などの各部署はもちろんのこと、SAPグローバルの総務チーム、さらには外部のプロジェクトマネジメント、デザイン、チェンジマネジメントなどの専門家チームや、建築設計、不動産、ビル管理などの協力会社が名前を連ね、社員で関与されている方々も入れると総勢100名近くの人々が関わっています。
この中で、すでにご紹介したようなプロジェクトのコンセプトや方向性を決定するのが、ステアリングコミッティと呼ばれる組織です。この組織は、SAPジャパンとコンカーの経営陣を筆頭に、グローバルの総務グループ、そして私がリーダーを務めるプロジェクトマネジメントオフィスなどで構成されています。

今回のプロジェクトでは、現場の社員によるボトムアップ的な活動も実践していると聞いています。

瓜田 「社員の声を尊重する」という方針を徹底するため、現在は45名ほどの「オフィスカタリスト」と呼ばれる人たちが活動を続けています。オフィスカタリストは各部署から1名ずつ選ばれ、彼らはそれぞれの所属部署から出された新オフィスに関する要望やアイディアをディスカッションし、吸い上げる役割と各部署のメンバーに諸情報を伝える役割を担っています。ステアリングコミッティは、オフィスカタリストを通じて集約された社員の声を検討した上で、新オフィスの設計に採り入れるかどうかの意思決定を行ってきました。
大手町の新オフィスは三井物産ビルの11階・12階の2フロアになるのですが、半蔵門の旧本社に比べると床面積が約半分になるだけに、これまで以上の仕事のパフォーマンスを発揮するための社員のアイディアは重要です。その意味でも、オフィスカタリストは社員のマインドチェンジを促し、ステアリングコミッティとの間に立ってコミュニケーションを活性化するハブとしての重要な役割なのです。
例えば、三井物産ビルの中にある現在の仮オフィスには、新オフィスでの働き方をイメージするためのモックアップスペースが設けられています。社員はさまざまなオフィス家具を実際の仕事で利用しながら、気付いたことや思いついたアイディアをオフィスカタリストにフィードバックしていきます。このように現場からの声を集約し、オフィス家具や設備の選定に反映する仲介役としても、オフィスカタリストは活躍しています。

現在の仮オフィスに設けられたモックアップスペース

現在の仮オフィスに設けられたモックアップスペース

SAPジャパンならではの新たな働き方をグローバルに発信

新オフィスのオープンは2022年8月です。これをスタート地点に、いよいよSAPジャパンの新たな働き方へのチャレンジが始まるわけですね。

瓜田 一時的な移転を2021年4月に行いましたが、いよいよSAPジャパンの新たな働き方を具現化する新オフィスのオープンまであとわずかです。やはり多く社員の声が結実したオフィスだけに、今後はハード(施設)が完成した後のソフト(運用)についても、さらに議論を重ねていかなければなりません。
繰り返しになりますが、最も重要なのは「この新オフィスをビジネスの起爆剤としてどう活用していくのか?」を本気で考えることです。新オフィスでは、すべてフリーアドレスとなっており、役職者やこれまで部屋や固定席があった方々も特定の場所は廃止しました。その中でどのようにフレキシブルな働き方、コラボレーションを実現し、新たなエコシステムを創造できるか。このことをすべての社員が自らに問うていく必要があります。

新オフィスの中で「Pledge to Flex」を感じさせる具体的なポイントがあればご紹介いただけますか。

瓜田 設計や設備の細部にわたっていろいろな工夫がありますが、象徴的なのは業務エリアの中心に位置する吹き抜けの階段を使って、11階と12階を自由に行き来できる点です。通常であれば、フロア間の移動はいったん室外に出て、エレベーターや階段を使いますが、新オフィスでは快適なコラボレーションを前提に、フロアをワンプレートで使えて、なおかつ階が違ってもアクセスしやすい空間作りを考えました。

ワークスペース(手前)とフロアを繋ぐ階段(奥)のイメージ

ワークスペース(手前)とフロアを繋ぐ階段(奥)のイメージ

瓜田 もう1つは、什器がすべて移動式になっていて、フロアの仕切りもほとんどない点です。もちろん専用のミーティングルームも十分な数がありますが、必要であればすぐに家具を動かして、ミーティングやプレゼンテーションのための空間をフレキシブルに創り出せる点も、「Pledge to Flex」を体現していると自負しています。

新オフィスのイメージ

11階受付のイメージ

最後に、プロジェクトのリーダーを務める立場から、今後の抱負をお聞かせください。

瓜田 私自身の役割は、すべての社員が気持ちよく働ける環境をいかに提供していけるかに尽きると思っていますので、そのための活動にこれからも注力していきます。また、SAPジャパンはグローバルでも「Tier 1」の重要拠点であるだけに、コロナ禍の中で進められた今回のプロジェクトは大きな注目を集めています。「Pledge to Flex」が提示する多くのガイドラインをクリアしていることはもちろんですが、求められるKPIは市場環境やお客様のニーズによって変化していくはずです。こうした点でも、今後も現場の社員の声に耳を傾け、経営陣との議論も深めながら、SAPジャパンならではの新たな働き方をグローバルに発信していきたいと思います。

■関連リンク
連載 vol.8:SAP University Alliances―全世界の教育機関との連携による、国の垣根を越えたデジタル人材の育成
連載 vol.9:社員のボランティア参加を通じて、日本の社会課題解決を目指すSAPジャパンのCSR活動
→ 過去の連載はこちら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

連記事

SAPからのご案内

SAPジャパンブログ通信

ブログ記事の最新情報をメール配信しています。

以下のフォームより情報を入力し登録すると、メール配信が開始されます。

登録はこちら