OLTP/OLAP統合から総合データ基盤への進化〜リアルタイムデータプラットフォームを実現するSAP HANA 1.0 SPS6新機能のご紹介~


読者の皆様、こんにちは。SAPジャパンの松舘です。前回は、「SAP HANAのテクノロジー解説」ということで、技術視点から見たSAP HANAについてご紹介させていただきましたが、今回は6月末にリリースされたSAP HANA SPS6で提供される新機能について、要点をしぼって紹介させていただこうと思います。

SAP HANA 1.0 SPS6の新機能

まず最新リリースのSPS6では、以下のような新機能が追加されています。これらの新機能について、それぞれ補足したいと思います。

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リアルタイムデータプラットフォーム エコシステムサポート

・スマートデータアクセス

SAP HANAにおけるデータ仮想化技術の1つで、異種のデータが混在するリレーショナルおよび非リレーショナル・データベースシステムに対する動的なクエリーを実現します。現状は、SAP製品であるSAP Sybase Adaptive Server Enterprise (SAP Sybase ASE)、SAP Sybase IQに加え、ビッグデータシナリオでよく登場するHadoop、そして、データウェアハウスとして代表的なTeradataが対象となっています。

本機能により、SAP HANAプラットフォームが持つパワーを、データ仮想化の世界にも適用し、異種混在データソースへのクエリーを簡素化するとともに、データの保存場所や用途に基づいて、その応答時間を最適化することが可能となります。スマートデータアクセス機能を活用することで、企業は自社のネットワーク全体において、高速、安全にクエリーを発行し、同時に不要なデータ転送やデータの冗長性を最小限に抑えることのできる、リアルタイムのビッグデータアプリケーションを構築することができます。

・Data Provisioning Workbench

他のデータソースとの間でのデータ連携機能(SAP Landscape Transformation、Direct Extractor Conecction、Data Services、Sybase Replication Server)に、統一のユーザーインターフェースを提供します。これまでは、個々の機能でそれぞれ持っていたUIを統合し、1つのワークベンチとして、共通管理、モニタリング、APIサービスを実現します。

・Sybase Replication Server サポート

他のデータソースからのデータレプリケーションを実現します。非SAPアプリケーションに対応し、ターゲットデータベースとしても、Sybase ASE、DB2、Oracle、Microsoft SQL Serverがあり、ほとんどの商用製品との連携が可能となりました。

プラットフォーム機能の強化

・地理空間情報エンジン

緯度・経度情報に加え、座標情報もサポートします。これにより、山の高さなどの情報も加味したデータ処理が可能となります。本機能により、お客様企業やISVは、空間、予測、およびテキスト分析からの結果をSQL内で組み合わせ、インテリジェントで直感的な位置ベースのソリューションの開発を簡素化することができます。

なお、SAP HANAをご利用のお客様には、地理コンテンツが追加費用なしで提供されるため、ネイティブのインメモリー処理、マッピングコンテンツ、およびサービスを使い、地理空間情報ベースのソリューションをシームレスに開発および導入することができます。

・分析機能の強化

PAL(Predictive Analysis Library=予測解析ライブラリ)が拡張され、クラスタリングアルゴリズムであるDBSCAN(Density-Based Spatial Clustering of Applications with Noise=事前にクラスター数定義不要のクラスタリング手法)の追加や、単純ベイズ法、2項ロジスティック回帰分析、ソーシャルネットワーク分析のためのリンク分析の新たなサポートなどが可能となり合計27のアルゴリズムに対応しました。

・その他のプラットフォーム機能強化

SAP Data Servicesとの連携機能が強化され、受け取るデータのプロファイリングと質の評価を行うためのネイティブの抽出、変換、ロード(ETL)ソリューションの性能が向上しました。また、自然言語処理機能が拡張され、SAP HANAのテキストマイニング機能に簡体字中国語を含む主要言語が追加され、複数言語による「顧客の声」分析のための、センチメントおよびコアエンティティ抽出がさらに拡張されました(センチメント分析の日本語対応はSPS7以降で対応予定)。

開発者向けの機能強化

・Application Function Modeler

従来プログラミング(SQLスクリプト)で行っていたPALの開発をGUIベースで行うことができます。これにより、予測アプリケーションの開発を簡素化が可能となります。

・Modeling & Developer Workbench 拡張

UIが強化されたことで、より効率的、効果的、簡素で連携したモデリングを実現でき、また、Calculation Viewが新たにサポートされたことで、すべてのViewを容易に編集することが可能となりました。

・Extended Application Services :一般出荷

SPS5でのパイロットリリースを経て、一般出荷が開始されました。本機能は、モバイルでの利用を想定した、サーバーサイドJavaScriptのアプリケーションサーバーという位置付になります。Webの世界でのODBCに相当するODataでのアクセスが可能で、特にSPS6では、可用性対応を含むマルチスケールアーキテクチャーに対応しました。

・その他の開発者向け機能強化

SAP HANA Interactive Education(SHINE)対話型教育機能が組み込まれました。SAP HANAの学習を促進するため、レファレンス付きのビジネスアプリケーション、データモデル、サンプルコード、サンプルデータ、およびデータ生成機能が組み込まれ、SAP HANA Accademy(YouTube教材)と連動することで、より大きな学習効果をあげることが可能となりました。

データセンターオペレーション

・High Availability – Disaster Recovery

ディザスタリカバリー機能が強化され、非同期/非対称の長距離リモート・データセンター・フェールオーバー機能が新たに導入されました。これにより、遠隔(50km以上)データセンター間の非同期システムリプリケーションが可能となりました。また、ニアゼロダウンタイムでのパッチ適用を実現することで、システム可用性を向上します。

現在、SAPでは、可用性とSAP HANAプラットフォームのオープン性を推進するイニシアティブ導入を計画しています。これは、SAP HANAプラットフォームをお客様企業の既存のネットワーク・ストレージ・インフラストラクチャーと統合するにあたって、お客様により多くの選択肢を提供するもので、カスタマイズされたデータセンター統合を目的とします。また、本取り組みでは、サードパーティーによるビジネスインテリジェンス(BI)、ETL、およびバックアップ/復旧ツールを対象とした、従来のSAP HANA認証プログラムも含められる予定です。

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今回は、SPS6で追加された新機能について、ほぼ網羅した内容となったため、駆け足の説明になってしまいましたが、いかがだったでしょうか? SPS6で提供される新機能によって、SAP HANAが大きな変貌を遂げ、これまでのOLTP/OLAP統合基盤から、真の総合データ基盤-RTDP(Real Time Data Platform)-への進化を遂げたことをご理解いただければ幸いです。

ご説明したそれぞれの機能については、他のブログで、より詳細にカバーする予定となっていますので、そちらもぜひご覧ください。

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