SAP HR Connect 2022~事業戦略を支える人事の挑戦~:テルモによるグローバル事業戦略を支える人事の実践

作成者:SAP SuccessFactors編集部投稿日:2022年8月10日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年6月22日、「SAP HR Connect 2022~事業戦略を支える人事の挑戦~」がオンラインで開催されました。本稿では当日行われた4つのセッションのうち、テルモ株式会社 取締役常務経営役員 チーフヒューマンリソースオフィサー(CHRO) 西川 恭様による「グローバル事業戦略を支える人事の挑戦 ~テルモにおける実践例~」をご紹介します。

 

SAP HR Connect 2022 オンデマンドサイトはこちら

https://gateway.on24.com/wcc/eh/3847030/sap-hr-connect-2022

同社は、2018年よりグローバル化の進展している事業を支えるためのグローバル人事の取り組みに着手しました。その具体的な取り組みのほか、従業員サーベイやKPIの開示、人事制度・役員制度の改革等の最近の取り組みについて紹介されました。

テルモ株式会社

取締役常務経営役員

チーフヒューマンリソースオフィサー(CHRO) 西川 恭 様

—————————————————–

冒頭、西川様は会社概要として、テルモ株式会社は1921年に医師らが発起人となって設立され、企業理念「医療を通じて社会に貢献する」のもと100年の歴史を歩んでこられ、全アソシエイト(社員)は共通の価値観として5つのコアバリューズに基づき行動されていることをご紹介されました。また同社の特徴として、内部成長とM&Aの両輪で成長を続けており、現在では日本を中心としてグローバル160以上の国と地域で製品を販売しているグローバルな医療機器メーカーだと紹介されました。

■「GS26(中長期成長戦略)」

西川様は、2022年4月から始動した5カ年成長戦略「GS26」のうち、1枚、人事に関するスライドを入れた旨を紹介しました(図①②)。

<図①:「GS26(次の10年超を見据えた5カ年成長戦略)」>

<図②:「GS26(5カ年成長戦略)」内 人事のスライド>

 

「改革を行うには、人の力が必要」とし、4つを選んで記載したと西川様。デジタル人財の獲得を2.5倍、グローバルリーダー人財プールを10倍にするほか、Growth Mindset(新しいことへの挑戦と成長)やDE&Iとして多様な人財の活躍についても目標を掲げました。

 

■グローバル人事の取り組みのフレームワーク

続いて西川様は、グローバル人事の取り組みから主要な部分をピックアップして説明しました。2018年から本格的に着手し、2019年から2020年にかけてVisionを確立し、「6つのセンター・オブ・エクスパティーズ(CoE)」を立ち上げたといいます(図③)。

<図③:取り組みのフレームワーク>

 

この6つのテーマで人を集めるために、プロジェクトを立ち上げました。それが「Global HR Core Team」です。このチームが描く5年後のビジョンが以下の6つです(図④)。

<図④:Global HR Core Team の描く5年後のビジョン>

人事の戦略は経営戦略と同期しなければならないこと、そして人事が事業戦略を進めるためのリーダーシップを取ることで人財の力が強くなり、会社が成長していくという考え方のもと、多様なリーダーがいて、アソシエイト(社員)一人ひとりの社員が力を発揮すること、事業・機能・地域がバラバラであるため、いかに効果的に一緒に働けるかがポイントになると、西川様は話しました。そして人事だけで独りよがりにならないように、直感や主観ではなく、事実・データに基づいた議論をすることも掲げました。

 

■グローバルリーダーの育成

続いて西川様はグローバル人事の具体策について解説しました。まずはグローバルリーダーの育成です。育成のフレームワークは、4つの育成ステージと4つの要素をまわしていくことにあると説明しました(図⑤)。

<図⑤:リーダー育成のフレームワーク>

またグループ共通の基準・考え方に基づき一貫した人財育成を行うために、同じ考え方を持つこと、共通言語で語れるようにするために、共通コンピテンシーや基準、人財育成サイクルを示しながら、西川様は説明しました。

 

 

■戦略的要員計画

次に西川様は、「戦略的要員計画」を策定し、5カ年成長戦略達成に必要な能力(役割、スキル、コンピテンシー)を特定し、それに向けた採用や育成計画を作成・実行するという流れで行うことを解説しました(図⑥)。

<図⑥:戦略的要員計画>

 

■グロースマインドセット

またGS26(5カ年成長戦略)の主要施策として「グロースマインドセット」を展開していると西川様は述べました。これは「自分が持っている能力や才能は、経験や努力によって成長できる」という考え方を高めるための施策です。全アソシエイト(社員)が新しいことに挑戦し、積極的に学習、成長する環境作りを実施したといいます(図⑦)。

<図⑦:グロースマインドセット>

 

■DE&I

GS26(中長期成長戦略)を実現する施策として、多様な人財の活躍(DE&I)の考え方に基づき、3つの取り組みを実施していると西川様は述べました(図⑧)。

<図⑧:DE&I>

 

多様な人々が受け入れられ、自分の居場所がある、という環境を作るために、インクルーシブリーダーシップの推進を行っていることも付け加えました(図⑨)。

<図⑨:インクルーシブリーダーシップの推進>

 

「インクルーシブリーダーシップ」「アソシエイト・エクスペリエンス」「グロースマインドセット」の3つがつながっていると考え、取り組んでいると西川様はまとめました。

■日本における具体的な取り組み

日本におけるDE&Iの具体的な取り組みとして、多様な人財のインクルージョンをゴールとする中、まずは女性から「制度・環境」と「マインドセット・文化」の両輪で実施していくことを西川様は説明しました(図⑩)。

<図⑩:日本における具体的な取り組み>

 

■アソシエイト・エクスペリエンス

そしてテルモでは、アソシエイト(社員)のエクスペリエンス、いわゆる一般的なエンプロイー・エクスペリエンスについても進めていることを西川様は紹介しました(図⑪)。

<図⑪:アソシエイト・エクスペリエンス>

 

■人事制度・役員制度の改定

また、西川様は、このほど新しい人事制度の導入と役員制度の改定を行った旨も紹介しました。「キャリア自律」「適材適所」「成長支援」という3つのコンセプトに従って変えていくことを目指しています。

 

■グローバル人事の取り組みにあたっての視点

最後に、人事部門が様々な取り組みを行ってきた「視点」について西川様は紹介しました(図⑫)。

<図⑫:「人的資本経営」を見据えた取り組みの視点>

 

ここでは5つの視点が示されており、「『Growth mindset』を発揮」について、西川様は「データ・事実を大事にするというのは、人事システムを大事にするということだけを言っているのではなく、データが事実が違うことを示していたら、それに目を向けるということです」と述べました。また、今回グローバル人事施策について紹介したことについて「何らかの参考にしていただけるところがあれば非常に幸いです」とまとめの言葉を述べました。

■対談セッション

講演後、西川様とSAPジャパン 人事・人材ソリューション アドバイザリー本部 本部長 佐々見 直文による対談が行われました。

SAPジャパン 人事・人材ソリューション アドバイザリー本部 本部長 佐々見 直文(左)

テルモ株式会社 取締役常務経営役員 チーフヒューマンリソースオフィサー(CHRO) 西川 恭 様(右)

 

佐々見は西川様の今回の講演テーマの中で、以下の5点を質問しました。

 

  1. 社員一人一人とのコミュニケーション実現する取り組み
  2. インクルーシブリーダーシップについての取り組み
  3. 人事部自身の変革についての取り組み
  4. コンピテンシーを中心とした人材育成サイクルの背景
  5. グローバルHRコアチームの立ち上げについて

 

西川様からは、「現場でのコミュニケーションの質と量を大事にしている」「役員の資質としてコアバリューを体現することを重要視している」「今は人事にとってチャンス。もっと表に出てアクティブかつ積極的に仕事をしていくべき」「企業や事業のことを人事が興味をもって知ることが大事」「すべてのプロセスで同じ言葉を使い続けること」「組織同士を緩くつないでるだけ。コミュニケーションの量をある程度維持する必要がある」など、示唆に富んだご回答をいただきました。

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

連記事

SAPからのご案内

SAPジャパンブログ通信

ブログ記事の最新情報をメール配信しています。

以下のフォームより情報を入力し登録すると、メール配信が開始されます。

登録はこちら