高速データ分析基盤の活用で商圏ニーズを的確に把握し、売上向上を実現したコンビニエンスチェーン

作成者:瀬尾 直仁投稿日:2013年10月18日

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SAPジャパンの瀬尾です。今回はSAP Sybase IQおよびSAP BusinessObjects Business Intelligence, Edge editionを採用して、新しく導入したPOSシステムと連動した「中食の発注最適化システム」を構築されたコンビニエンスストア、株式会社ポプラの事例をもとに、小売業における販売情報活用~データ分析をもとにした仮説/検証と、店舗競争力向上のためのヒントをご紹介していきます。

個店競争力を支える分析基盤により、商圏ニーズに合った商品展開を実現

Woman in Supermarket

株式会社ポプラは、1976年4月の創業以来、お客様の生活に密着した商品とサービスをモットーに、全国でコンビニエンスストア713店舗を展開。製造から卸、物流、店舗運営まで一貫したサービスを提供しています。現在同社では、中期事業計画「新創業宣言NEXT」を推進しており、変化する経済と消費者環境の中で高い付加価値を提供し、社会インフラとしての役割も担う店舗運営に取り組んでいます。

競争が激化するコンビニエンスストア業界でビジネス継続と将来的な発展を実現するための施策として、同社では、半径500m範囲の小商圏においては、いかに地域のニーズに密着し、顧客に支持される店舗を実現できるかが重要と考え、特に「中食(なかしょく)」を店舗売上の根幹として位置付けていました。またポプラでは従来、日次ベースで集計されたPOSの情報をベースに、それぞれの店舗ごとに品揃えや仕入れ数の判断を行っていました。

しかし、この方法だと仕入れ担当の店舗スタッフは発注量を感覚に頼らざるを得ないため、在庫廃棄による損失をおそれて翌日の仕入を絞ってしまいます。その結果、翌日は夕方になると商品が不足するなど、機会損失が発生することがありました。欠品をなくすことと在庫投入過多による廃棄を減らすことの、トレードオフの関係のバランスをとることが、常に店舗運営では重要な課題です。そこで同社では、「新創業宣言NEXT」における取り組みの1つである第4次POSシステムの導入を機に、中食の発注最適化システム「中食マックスシーク」の構築を決定。膨大なデータ量となるレシートレベルでの情報分析に向けた取り組みを開始しました。

独自アルゴリズムによりPOSのビッグデータを解析し、単品投入数を算出

Businesspeople in a Cafe Discussing Reportポプラの「中食マックスシーク」は、集客数、総食数、商品構成割り当てという要素を使った、3ステップ理論と呼ばれる考え方をとっています。具体的には、日次のレシートレベルのPOS情報をもとに、独自のアルゴリズムによって集客数と顧客購入率から総食数を予測します。この結果を商圏ごとの販売構成比に割り振ることで、投入すべき単品の数量を算出するのです。

しかし、全店舗で1 週間1,000万件という、まさに“ビッグデータ”と言うべきPOSのレシート明細データです。これらを時間帯別、顧客層別に集計し、自動化された独自のアルゴリズムによって分析するためには、データベースからフロントエンドツールまで含めた、強力なデータ分析基盤が不可欠です。

そこで同社ではそうした複数の製品のデモ検証を行った結果、SAP Sybase IQSAP BusinessObjects Business Intelligence, Edge editionの組み合わせが浮上してきました。この選定の理由には、レシートレベルの膨大なデータを高速に分析できる仕組みとして、最もコストパフォーマンスが高いBIソリューションだったことが挙げられます。

この組み合わせにより、集計結果を基にした分析だけでなく、レシートレベルの明細にまで遡り、必要に応じて柔軟な分析が可能になります。また、独自の分析アルゴリズムを実装し、自動化して使用できる点も、「中食マックスシーク」の要件に合致していました。同社では、2012年11月、導入プロジェクトをスタート。同12月には、実験店である3店舗での稼動が開始されました。

購買動向分析に基づいた品揃えと投入数の最適化で中食売上、店舗日商、来店者数の増加を実現

Man paying with credit card at grocery store3店舗での稼動実験を経て、ポプラではいくつもの確かな成果を得ることができました。メインとなる中食の売上は、5 ~20%と大幅に増加。店舗の日商も5~10%、来店者数についても5~7.5%増加しました。購買動向分析による品揃えと投入数の最適化が、売上の増加につながったのです。

この結果を見ても、仕入れ数を最適化し欠品をなくすことの重要性は明らかです。たとえば夕方、ある店舗におにぎりが2個しか残っていなかったらどうでしょう。来店してくれた顧客の購買意欲は低下してしまいますし、さらにそうしたイメージが定着すれば、以降は足を運んでくれなくなるでしょう。確かな分析に基づく適正な品揃えを行うことは、チャンスロスをなくすだけでなく、店舗に商品が豊富にあるというイメージを醸成して、リピート来店者の数を増やすという相乗効果につながるのです。

こうした定量的効果に加え、定性的な効果にも注目しましょう。ポプラでは、従来の感覚依存から“考える営業”への変換を図れたことを大きな価値だと感じています。きめ細かな情報分析を実践し成果につなげたことによって、店長や現場担当者が営業活動を仮説と検証で捉える意識が高まったのです。

またツールを活用したデータ分析には、属人的な判断のばらつきを排し、客観的かつ標準化された判断を促す効果があります。たとえば長年務めている店長の場合、自分の経験値に頼る分、どうしても品揃えに“クセ”が出てきてしまいます。しかし、本当の意味でのマーチャンダイジングは蓄積したデータに基づいて行われなくてはなりません。ポプラでは今回のシステム化が、より顧客ニーズをくみ取った新しい売り場の実現につながったと評価しています。

全直営店舗での本格運用と加盟店への導入を開始

実証実験で明確な効果を得たポプラでは、2013年3月から直営200 店舗への展開を開始しました。現在は、各地区の直営フラッグシップ店で「中食マックスシーク・デイリー」が本稼動しています。また、直営セレクト店では「中食マックスシーク・ウィークリー」の段階的な導入も始まっています。これらの全店展開においても、実験店舗と同等のシステム導入効果が得られており、同社の確かな分析思想と、これを支えるデータ分析基盤の有効性が明らかになりました。

さらに今回のプロジェクトでは、中食発注だけでなく、マーチャンダイジングや在庫の最適化を実現する仕組みも構築しています。ポプラでは、多岐にわたるシステムをスピーディーに展開し売上向上を実現した実績をふまえ、今後の展開においても強力かつ安心できるシステム基盤として、SAPのデータ分析基盤にいっそうの貢献が期待されています。

高速データ分析基盤と独自アルゴリズムにより、POSから集約されるビッグデータを高速分析し、売上の増加を実現したコンビニエンスチェーンの事例をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。次回は、これまではコストと考えられていたサービスメンテナンス業務を、SAPのデータ分析基盤を使って利益を生み出す仕組みに変えるためのヒントとツールについてご紹介します。

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