2022年12月開催 SAP TechEd Japan イベントレポート ~ SAPジャパン最大の技術とプラットフォーム イベント ~

作成者:高橋 正樹 投稿日:2023年1月13日

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当レポートでは、2022127日にオンラインで開催されたSAP TechEd Japan について、開催サマリーとセッションハイライトを SAPジャパン 高橋からご報告させていただきます。

SAP TechEd Japan 概要

  • 開催日程:2022127日(水)10:30-17:35
  • 参加方法:事前登録制・参加費無料・オンライン開催
  • 対象:SAP製品の技術と実装方法について関心のあるすべての方々
  • 主催:SAPジャパン株式会社
  • 協賛:パートナー16

SAP TechEd Japan は主にSAPグローバルで開催される SAP TechEd のコンテンツとメッセージを、日本国内のお客様にしっかりとお届けしよう、という主旨のもと3年前より日本独自で開催をしています。昨年は2日間に分けての開催でしたが、今年は参加する皆様がスケジュールしやすいよう、セッション数は減らさずに1日での開催に変更し、昨年を上回る1,000名を超える方々に当日リアルタイムでご視聴いただきました。全編 SAP もしくは SAPパートナー様の日本語スピーカーによる20以上のセッションで構成されており、① SAP S/4HANA Cloud (最新技術機能や技術要素にフォーカス)、② SAP BTP* : Application Development & Integration、③ SAP Signavio、④ SAP BTP : Data to Value 4つのセッションカテゴリーに色付けされています。
* SAP BTP = SAP Business Technology Platform

上記の通り、SAP TechEd Japan ではSAPが長らく事業の主軸としてきた業務アプリケーションのコア機能(プロセス)部分ではなく、これを支える技術やプラットフォームの最新情報や活用についてフォーカスしており、SAPシステムの導入に寄与する技術群はもちろん、業務プロセスのデジタル化や効率化を目指すDX推進部や開発者の方々にも有益となるコンテンツラインナップとなっています。

ということで、ここでキーノートおよび各カテゴリーごとのハイライトをご紹介します!

まずオープニング・キーノートでは、グローバル SAP TechEd 2つの基調講演 (Day1/Day2) の要点を振返りながら、日本のユーザーやパートナーの皆様がわかりやすいよう、日本視点での補足やコメント、国内での取り組みを紹介することで、SAPのテクノロジー領域の戦略やメッセージを嚙み砕いてお届けしていました。具体的には、予測できない激しいビジネス環境の変化におけるEnd to End プロセス内の俊敏性や回復力に寄与する技術革新として、SAP Buildの発表、SAPの統合戦略およびSuite Qualitiesの進化、拡張開発やインテグレーション技術の進化、またこれらすべての基盤がSAP BTPである、という点が触れられていました。

1つ目のカテゴリーでは、モジュール型クラウドソリューションへと変化していく SAP ERP 戦略や方向性、またそれに沿って提供される最新機能として UI やコラボレーションについての進化、アップグレードの影響を抑えながら In-App 拡張に柔軟性を与える革新的なテクノロジー 「開発者拡張」などが概要セッションで紹介され、詳細セッションでは、SAP S/4HANAの価値を一層引き出す埋込型または定義済インテリジェントテクノロジーシナリオや、新しい開発者拡張の活用について専門家から紹介されていました。協賛パートナー 2社からは、Microsoft 連携の機能紹介や、Why SAP S/4HANA について語られる場面もありました。

2つ目のカテゴリーでは、SAP TechEd で新たに発表されたローコード・ノーコード開発プラットフォームSAP Buildを中心とした SAP BTP の拡張開発や自動化機能の最新情報を紹介。業務プロセス実装や繰返しマニュアルタスクの自動化SAPソリューションを拡張する Web / モバイルアプリの開発UXを統合するポータルの開発をローコード・ノーコードで実現する SAP Build のパワフルな機能に加え、SAP BTPの最新情報や現場で活用するためのノウハウを凝縮したセッションとなっていました。協賛パートナー3社によるプロジェクト実績からの拡張開発の在り方や、システム接続構成例なども実際のプロジェクトに関わるユーザーの皆様には有益なトピックだったと思います。

3つ目のカテゴリーでは、SAP が提唱するインテリジェント・サステナブル・エンタープライズの実現に欠かせない、End to End プロセスの可視化・分析を担うSAP Signavio で、DX の成功とそれに続く継続的なプロセス改革を支援するプラットフォームとして、この1年の進化や機能について語られており、注目は プロセス可視化や管理の作業効率を格段に高める SAP Signavio が、SAPユーザーに無料で提供される SAP ALM* ツール と連携することにより SAP S/4HANA をはじめとする SAPシステムのプロセスデータを効果的・効率的にBPMに活用する方法定義済コンテンツやノウハウの新しい提供スキーム(OPAL)、プロセスマイニングの最新機能など、業務改善やDXを推進するために必要なプラットフォームとは何かを知れる内容でした。
* ALM = Application Lifecycle Management

最後の4つ目のカテゴリーは、SAP/non-SAPデータを統合、可視化し、意思決定や判断に使える情報を導き出す、SAP BTP の中でデータ管理・活用にかかわる領域。ビジネスユーザーでも GUI ベースで簡易に分析データセットの生成や活用が可能になる SAP Data Warehouse Cloudや、SAP NetWeaver BW (Business Warehouse) の移行先としても注目を浴びる SAP BW Bridge機能、BI・Planning・Predictive3つの機能が統合された唯一無二のアナリティクス基盤である SAP Analytics Cloud の最新情報やロードマップ情報を一気に入手できる充実した内容でした。協賛パートナーセッションでは、SAP の Data to Value 基盤を前提にした ESG 経営の実現例についてご紹介されていて、マルチベンダー化、サイロ化されたシステム環境における統合データ基盤を検討されている方に強くお勧めしたい内容となっていました。 

どうでしょうか、非常に多彩で豊富なコンテンツが揃っていたと思います。実際にご参加いただいた方に向けたアンケートでは、回答者の内 98% の方が「参加した価値があった」と回答されており、SAPが提供する技術やプラットフォームサービスについての興味・関心の高まり、こうした技術情報発信の場の必要性を、改めて感じる機会ともなりました。 

———- 【 SAP TechEd Japan オンデマンド視聴のお知らせ 】——–

    当日のライブ配信を見逃してしまった方、当レポートを見て内容にご興味を持って頂いた方に朗報です。
    SAP TechEd Japan のオープニング・キーノートを、YouTubeで公開してます。オープニング・キーノートは登録なしですぐにご覧いただけますので、是非ご覧ください。

     また20以上のブレークアウトセッションについても、2023年1月31日までの期間限定でオンデマンド配信サイトをオープンしています!下記URLにて新規登録も可能ですので、SAPSAPパートナーのエキスパートがお話しする多彩なセッションをお楽しみください。 

    SAP TechEd Japan オンデマンド配信サイトhttps://ted2022jpn.eventcloudmix.com/pages/ondemand.html

    2023年2月2日~3月2日にかけては、SAP技術に携わるSAP内外のメンバーにより構成されるSAPコミュニティによるイベント、SAP Inside Track Tokyo 2023 が開催されます。SAP公式イベントではなかなか聞けない、技術者の本音が聞けるかも知れない!?ので、こちらもチェックしてみてください。https://blogs.sap.com/2022/11/17/sap-inside-track-tokyo-2023/

    お知らせが多くなりますが、SAPコミュニティサイトの中で、日本語でのやり取りが可能な、Tokyoグループが202211月よりオープンしています。日本語でのQ&Aや情報交換の場となっていますので、ユーザーやパートナーの皆様からの投稿やコメント、お待ちしております。
    https://groups.community.sap.com/t5/tokyo/gh-p/tokyo

    以上が2022年12月に開催された SAP TechEd Japan の開催レポートとなりますが、いかがだったでしょうか。

    SAP Signavio で End to End のプロセスを可視化し、SAP の ERP をコアとして、SAP BTP で様々なプロセスやデータを繋いでいく、 SAP の掲げる Intelligent, Sustainable Enterprise、また真のDXの実現には、これらテクノロジーやプラットフォームの活用が欠かせません。

    今後もSAP BTP をはじめとして、様々なイベントの開催や情報の発信を行ってまいりますので、是非ご注目頂ければ幸いです。

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