SAP ASE 16.0 SP03による高可用性(HA)+災害復旧(DR)の3ノードHADR

作成者:伊藤 沢 投稿日:2023年3月23日

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このブログは、近い将来 SAP Community に移行する予定です。


このブログは、Wajeehuddin Samdaniが執筆したブログ「High Availability + Disaster Recovery (3 Node HADR) with SAP ASE 16.0 SP03」(2018/4/19)の抄訳です。


SAP ASE の高可用性(HA)+災害復旧(DR)の2ノード構成の機能が2016年9月にリリースされて以降、高可用性(HA)+災害復旧(DR)の3 ノード HADR構成の機能は、ホットなトピックでした。今回、この高可用性 + 災害復旧 (3 ノード HADRが SAP ASE 16.0 SP03 PL03 以降で可能になったことを紹介できることをうれしく思います。

このソリューションは、高可用性ソリューション上に災害復旧ソリューションを提供することを目的にしたものです。つまり、現在SAP Business Suite でSAP ASE(同期レプリケーション)を使用しているお客様は、災害復旧(ディザスターリカバリー)ノードとして3番目のノードを追加することができるようになりました(非同期レプリケーション)。

3ノードのHA+DRソリューションは、2つの高可用性ノードと、リモートロケーションの災害復旧シナリオ用の3つ目のノードで構成されます。HAのペアは、Fault Managerによって管理され、ノード1とノード2間のあらゆるフェールオーバーを管理することが可能です。

このシナリオのキーポイントは以下のとおりです。

  • 現行稼働中のHAペアに対する再設定は必要ありません。そのため、現在稼働中のHAペアのダウンタイムは必要ありません。
  • DR ノードは現在の高可用性設定に影響を与えることなく削除することができます。
  • プライマリーホストとスタンバイホスト間のレプリケーションは同期レプリケーションとして設定する必要があります。
  • フェールオーバーは、プライマリーとスタンバイ間でのみ可能です。3番目のノードはプライマリーノードとして使用することはできません(レプリケーションを中断し、3番目のノードを使用するように手動でアプリケーションをリダイレクトしない限り)。
  • 3番目のノード(DRスタンバイ)へのレプリケーションは、データセンター間の高レイテンシーによるパフォーマンスへの影響を避けるため非同期です。
  • レプリケーションパスは、スタンバイReplication Serverがアクティブである必要があります。
  • プライマリー、スタンバイ、DRスタンバイは、以下の項目について全て同じである必要があります。
    • OSとそのパッチレベル
    • SAP ASEのバージョン
    • ASEの設定
    • ASEのログイン/パスワード
    • 文字コード
    • ソート順

現在の2ノードソリューションについて詳しくない場合には、2016年に執筆したこちらのブログを参照してください。2ノードHA/DR設定は以下のようになります。

このアーキテクチャーに3番目のノードを追加すると、以下のようになります。

上記で述べてきるように、フェールオーバーはプライマリーホストとスタンバイホスト間でのみ可能です。フェールオーバー後の設定は以下のようになります。

 

マニュアルについて:

SAP ASE SP03 PL03のHADR ユーザガイドはこちらを参照してください(日本語のマニュアルはSAP ASE SP03のものを参照してください。

稼働中のSAP ASE 16.0 SP02 PL03 HA設定へのDRノードの追加に関しては、こちらを参照してください。


 

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