SAP Receivable Management で実現する債権回収業務の高度化と強化

作成者:大原 菜穂 投稿日:2023年3月3日

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はじめに

企業活動の根幹を担う 債権回収業務の高度化を実現しませんか? SAPソリューションは、標準の債権計上や消込業務に加えて、与信管理、クレーム管理、そして回収管理を統合させることで、企業の存続および成長に必要不可欠となる資金の確保や資金活用の効率化をご支援しております。そこで、今回は債権回収業務の強化が必要とされる理由や実際に生じている課題から、SAPソリューションで実現できることをご紹介させて頂きます。

内容

  • そもそも・・・債権回収業務を高度化・強化する必要性とは?
  • SAP Receivable Management で実現する債権回収業務の高度化と強化
そもそも・・・債権回収業務を高度化・強化する必要性とは?

結論は、債権の確実な回収が、企業活動の存続および更なる成長投資に必要であるからです。多くの企業では、現金での売買のみならず、売掛金や買掛金を用いた信用取引をされているかと思います。信用取引においては、売上の計上が行われたとしても、そこで終わりではなく、確実に、そして出来るだけ早く回収することが、資金活用の効率化に繋がります。逆に言えば、債権の回収ができなければ支払いに必要な分の資金確保ができなくなり、外部からの借入による金利負担にもつながります。最悪の場合には黒字倒産にもなりかねません。債権を確実にそして早期に回収することは、支払いに必要な資金を手元に確保するだけではなく、企業の更なる成長のための投資を可能とします。

しかし、債権回収業務の効率化や高度化への取り組みが十分でないというのが実情ではないでしょうか。

「基本の債権処理はシステムで対応している一方で、与信管理や回収管理においてはエクセルやメール、電話を通じた関係者間のやり取りになっている。」 こういったケースをよく耳にします。顧客にまつわる情報を担当者ごとにバラバラで保持している為、コミュニケーションミスや属人性の問題が発生します。例えば、営業担当者が顧客とやりとりした内容は、経理担当者が債権処理時に都度確認する必要があります。加えて、担当者が変わった場合には、どういった状況なのか、また1から情報を収集・確認しなくてはなりません。データドリブン経営に取り組む企業にとって、担当者依存の業務やデータのバラツキが必要な分析を難しくします。「そもそものデータが集められていない。収集できたとしても業務プロセスがグループ横軸で揃っていないため精度が高くない。」 こんな課題もあります。

債権業務は、企業の根幹を担う部分でありながら、回収不能リスクや不正リスクをはじめとしたKPI改善に向けて効果的・効率的な施策を打つ余白が多く残されている領域ではないでしょうか。

債権回収の高度化・強化に重要な2つのポイント

では一体、債権業務領域においてどのような仕組みが効果的なのでしょうか?第一に、各担当者の無駄となっている業務を省きつつも、変化に対応できるデータ分析環境が必要です。

1:社内関係者間のコミュニケーションミス、二重登録など業務の無駄を省く

債権業務と一言でいっても、取引開始時の与信判断から債権計上、顧客との間で発生した問題のハンドリング、遅延している債権に対する回収対応、さらには継続的な与信のレビューまで多くの関係者が関わります。そこで、業務全体を包括的にカバーする統合システムを活用することで、本当に必要とされる処理だけに業務をスリム化出来ます。

2:変化に対応できるデータ分析環境を整える

小手先の業務改善で終わらせず、根本原因へとアプローチするには、業務上発生するデータを上手く活用していくことが求められます。例えば、遅延債権の原因として納入遅延が発生していた場合には、その場しのぎの対応だけではなく、発生件数や頻度を鑑みて遅延の根本原因を突き止めて対処することが可能となります。また、個人の裁量や判断に基づいた与信の評価や回収ルールに対して、データ分析の結果も判断基準に加えられるようにすることで、定量・定性両面からのアプローチが行えます。

SAP Receivable Managementで実現する債権回収業務の高度化と強化

ここからは、SAPで提供しているソリューションが具体的にどのように活用頂けるかをご紹介します。SAP S/4HANAの標準機能である債権管理(FI-AR)に統合されたSAP Receivable Managementは、主に3つの側面 ①与信管理 ②クレーム管理 ③回収管理 で業務強化が可能です。与信管理に関してはこちらのブログにてご紹介しておりますので、今回はクレーム管理回収管理にフォーカスします。

SAPソリューションで実現する回収管理

回収業務は、期日通りに支払いが行われていない債権及び原因を把握して対処を行う必要があります。SAP Receivable Managementは、債権の状況の把握を行う工数を最小限に出来る、回収進捗や割り当てられているタスク数を一目で確認頂けるユーザインタフェースを提供しています。下記が実際のシステム画面イメージとなっており、本日までに回収されるべき債権金額(回収予定)や割り当てられた債権回収タスクの合計金額に対して支払約束を取り付けた割合(回収進捗)、未消込債権を持つ担当顧客数(回収ワークリスト)などを表示させることができます。また、各タイルをクリックすることで、更に詳細な情報を確認することが可能になっています。

KPIを数値および色で分けて表示

例えば、上記の回収ワークリストでは、未消込債権をもつ顧客が対応優先度順に一覧で確認できます。顧客のリスククラス、支払期限超過日数/金額、最後に連絡をとってから経過した日数などの定量的な条件を基に債権の回収優先度が自動的に提案されます。また、回収責任者からの視点では、各担当者の回収進捗度が可視化され、債権回収が適切に行われているかどうかを確認可能です。

債権の回収優先度を自動的に提案


回収進捗が可視化

SAPソリューションで実現するクレーム管理

債権回収対応が必要な顧客が割り出せた後は、回収遅延原因などの関連情報を確認されるかと思います。SAP Receivable Managementでは、担当営業への状況確認や複数のレポートを行き来して頂く必要はなく、取引先とのやり取りに関する情報を一括で管理して頂けます。顧客との間で発生したクレームや支払い約束を該当の請求伝票に紐づけて管理を行うため、各債権の状況をいつでも適切に把握することが可能です。また、必要に応じて顧客から受け取ったメールを添付しておくこと、会話した内容をメモとして残しておくことができ、二重請求などのトラブルを回避できます。

取引先とのやり取りに関する情報を一括管理

クレームをシステムで登録することで、社内のコミュニケーションをよりスムーズにストレスなく進めて頂けます。例えば、送付した請求書の住所が異なっていた場合に請求書を作成した処理者に対して住所の更新を求めます。担当者には自動でシステム内もしくはメールでの通知がされるだけでなく、やりとりの内容や処理実行日、処理者の名前が債権に紐づいた形で記録されるため、後々のトラブル回避にも役立ちます。

社内コミュニケーションの効率化

SAP債権管理ソリューションでは、債権残高、明細管理、入金消込といった標準的な債権管理プロセスにクレーム管理や回収管理が統合されているため、各担当者が行った処理がリアルタイムに共有されます。クレーム登録が行われると自動で督促処理の保留がかかるのも一つの例です。

債権状況に関する報告においても、自動で最新の状態に更新されたレポートを出力できるようになっています。豊富なレポートタイプを提供しておりますので、担当者の用途に応じて柔軟に活用が可能です。

自動で最新の状態に更新

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回のブログでは、債権回収業務の高度化・強化が求められている背景から、SAP Receivable Managementの活用により実現できることをご紹介しました。繰り返しにはなりますが、債権業務は企業の根幹を担う部分でありながら、まだまだデジタル化の余地が多く残されている領域です。本記事に関するご質問ございましたらお気軽にお問い合わせください。今後の検討にお役立ちできれば幸いです。

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