SAP Customer Experienceが主導する、フロント/バックオフィスが統合された“One Office”への深化

作成者:高橋 佳希 投稿日:2023年4月10日

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2023年のSAPの事業構造の変革にともない、SAPジャパンとしてもEnterprise Cloud事業本部にSAP Customer Experienceを含むクラウド事業を水平統合し、インダストリーやソリューション間の連携を深めて、お客様への新しい価値を訴求いくよう組織変革を進めました。

SAPからの発表の原文(SAP Customer Experience: Delivering Growth with Intelligent Industry-Tailored Solution

SAP Customer Experience ポートフォリオとビジネス規模

SAP Customer Experience ポートフォリオとビジネス規模

SAPは、業界に関する卓越した知見と、ビジネスプロセスソリューションの幅広い領域という、稀有な組み合わせを持っています。当社のERPは常に深い業界対応能力を備えています。SAP Customer Experienceは、顧客データ管理、コマース、マーケティング、営業、サービスなど顧客接点の効率化を実現する幅広いクラウドサービスを提供しています。今回、SAP Customer Experienceポートフォリオを業界ごとに特化した戦略をもって、エンドツーエンドの統合ビジネスプロセスを実現することで顧客価値を加速させることになりました。

 

2023年の構造改革に際し、新しいビジョンとしてOne Office(ワンオフィス)という新しいコンセプトを発表いたしました。これはフロントオフィスとバックオフィスにおけるプロセス、データ、システムをシームレスに連携させることで、企業全体のビジネスプロセスの最適化の支援を目指します。顧客とのタッチポイントを提供するフロントシステムが基幹業務を支え、経営を可視化させるバックエンドシステムとシームレスにつながることで、お客様の企業全体で業務プロセスやシステムコストを最適化し、新製品やサービスの市場への投入スピードの向上、TCOの削減します。そして全方位の顧客体験の提供を支えることで、Intelligent Sustainable Enterpriseへの変革を実現させるオファリングです。

例えば、SNSやモバイルの活用によりオムニチャネルの活用が広がっていますが、オムニチャネルでのコマース体験の裏側には必ず複雑なサプライチェーンを構築しなければならず、かつ、リアルタイムに全体の在庫を把握する必要がでてきました。在庫をコントロールできなければ、機会損失やブランドエンゲージメントの高い顧客であっても顧客離れを引き起こす原因になりかねません。一方で、様々な世界情勢の影響を受けて、インフレによる調達価格の高騰やサプライチェーンに混乱は続いており、企業としては収益性を担保した顧客対応が必要となります。日々刻々と変化する環境において、営業チャネルの成功要因は営業活動の効率化だけでなく、妥決できる納入価格や納期などを見極めて活動することがこれまで以上に求められています。さらに、サステナビリティーの観点では、小口配送におけるCO2排出量の把握や、トレーサビリティー情報を消費者や分かりやすく提供することにより、ブランド価値の向上を目指すことも市場から求められています。

このように、お客様接点における活動をより価値のあるものにしていくには、バックエンドシステムにあるデータを活用することが不可欠な時代に突入しました。

One OfficeによりIntelligent Sustainable Enterpriseへの変革を支援

One OfficeによりIntelligent Sustainable Enterpriseへの変革を支援

さらには、変化の激しい環境に対応していくには、企業活動全体での収益性を評価・管理していくため、フロント、バックの双方にあるビジネス状況や顧客データを統合的に分析して、適切な打ち手をより機敏に実行しなければなりません。

SAP標準シナリオの活用による成果

SAP標準シナリオの活用による成果

SAPでは、フロントオフィスを最適化するSAP Customer Experienceのソリューション群とバックオフィスの根幹を支えるSAP S/4HANA、SAP Business Technology Platformを中心としたソリューション間で1000以上の標準連携シナリオを提供しており、マスタの連携やデータ、プロセスの連携を簡単に実装することができます。

多くの企業では、フロントオフィスとバックオフィスの顧客、商品、在庫、請求等のデータを連携させるために中間データベースやバッチプログラムを構築し、システム変更が発生するたびに多大なメンテナンスコストを投入しているのではないでしょうか。弊社の実施した調査結果より、SAPが提供する標準シナリオを活用することにより、ビジネスプロセス間のエラーが63%削減され、プロジェクト完了までの時間短縮が31%、開発チームの生産性向上が19%達成されたという結果が出ています。(出典:The Business Value of SAP Business Technology Platform

企業にとってさらに激しくなる市場変化への対応力とともにトップラインの成長を課せられている中で、投資コストを抑えながら、機敏に市場の変化に対応していくため、フロントオフィスとバックオフィスが連携しながら顧客体験を提供することのできる”One Office”の実現を、SAPが強力にご支援させていただきます。

次号以降で、各業界の課題を解決した”One Office”のお客様事例を発信させていただきます。

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