ERPに溜まったデータを可視化して“経営に貢献するIT”を実現するには?-第1回

作成者:八木 幹雄投稿日:2013年11月22日

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読者の皆様、はじめましてSAP ジャパンの八木と申します。わたしはSAPのサポート部隊に所属しており、お客様がご利用中のSAPシステムを有効活用するためのサポートやアドバイスをしています。

ERPの導入が一段落した企業にとって、日々溜まっていくERP 内のデータを有効活用して『経営に貢献するIT』を実現したいと思うのは自然な成り行きです。しかし、データ活用を意味するBI(ビジネスインテリジェンス)という言葉が普及し、関連製品も市場に複数出回っているものの、未だに多くの企業がその活用に苦戦しています。

データを可視化し、迅速な業務判断や業務改善に役立てると意気込んだものの、特定ユーザーのための自己満足とも言えるレポートの山を築き上げてしまったというのはよく聞く話です。

A Boy Looking at a Toy Dinosaur with a Magnifying Glass

そこで、今回から3回に分けて、「ERPに溜まったデータを可視化して“経営に貢献するIT”を実現するには」というテーマで、SAP Solution ManagerのBusiness Process Operations(注記1)についてご紹介させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

なお、SAP Solution ManagerはSAPのソフトウェアライセンスを購入したお客様が利用可能な製品であり、各機能の利用範囲については保守契約ごとに異なります。

経営情報可視化に苦戦する2つの原因

私は多くの企業が可視化に苦戦する原因は以下 2 つであると考えています。

  1. 可視化(データ活用)の目的が不明確であること
  2. BI 関連ソフトウェアの棲み分けについての情報不足

本連載では、ERPに溜まったデータの可視化を実現するための考え方、および複雑さを増すBI 製品をいかに認識し使い分けていくか、さらには可視化基盤を効率的に構築する上で欠かせないSAP Solution Managerについて説明させていただきます。

経営情報可視化の目的を明確化するためのステップ

可視化プロジェクトを進めるにあたり、ここでは可視化の目的を次のように定義します。「基幹システムに溜まったデータを活用して継続的に企業価値をあげていくこと」。この実現方法を説明するために、一般的な企業の状況を以下のように想定します。

picture01

企業目標達成のための文書と利用者の関係

ここで重要なポイントは、目標(トップメッセージ)フィナンシャルシート(以下:F/S)項目業務プロセス(以下ビジネスプロセス)(各プロセスの)業務トランザクションという流れです。

「企業価値を継続的に向上させる」ために①CEOや経営層は、中期経営計画で方向性を決定し、決算関連報告書によって企業の活動結果および来期の目標や計画を示していくことになります。

CSR 活動や顧客満足度向上といった目標もありますが、主な目標はF/S項目を基点に結果(実績)を出すことが求められます。今期の売上げは○○億円であった、来期は財務基盤の健全化を目標とし売掛債権回転率を○○%向上させるといった具合です。

このような目標(トップのメッセージ)をF/Sレベルの項目に落とすのは、②経営企画や BPR 推進の職務に就く方が担当されることが多く、F/Sの情報利用(更新)頻度としても四半期から月次が一般的です。

一方、企業で働く多くの社員(③業務ユーザー)は、受注や出荷の作業に追われ、各伝票を作成、更新したり、納期遅延出荷一覧を確認したりすることで日々の業務を遂行します。これらのビジネスプロセス遂行のためのレポートは、利用(更新)頻度が高く、データ分析などから検証、問題改善に結びつけるうえで最も重要な部分となります。

F/S を作り上げていくのは日々の業務トランザクションであるため、ビジネスプロセスを円滑に進めるための情報基盤(可視化)が必要なのですが、業務ユーザーの要求にすべて応えていては投資コストと運用コストがかさみ将来的な足かせにつながります。

意味のある本質的な可視化を行うためには、業務トランザクションを生み出す各ビジネスプロセスがF/S とどのように連携しているかを理解する必要があります。そこで必要になるのがF/S とビジネスプロセスのマッピングです。

picture02

業務ユーザーが意識すべきF/S項目と一般的な製造業のビジネスプロセス

たとえば、「A事業部の利益率を上げる、キャッシュフローの健全化を図る」といったトップのメッセージを実現するために、②の経営企画などの戦略策定部隊はF/S項目としてどうなっているべきかを定義(目標の定量化)します。

A事業部の売上げを○%増加させ、原価を○%削減するといった具合です。利益率向上であれば売上、原価にフォーカスを当てて改善目標を立てます。キャッシュフロー健全化であれば、現金、売掛金、買掛金にフォーカスを当てて改善目標を立てます。

各F/S項目はそれぞれのビジネスプロセスに関連するため、ビジネスプロセスレベルでの改善をいかに進めていくか、さらに言うならば、ビジネスプロセスレベルの改善を行うために何を可視化するべきか?を考えていく必要があります。

次回は経営情報可視化の目的を明確化するためのステップとして、F/Sを意識したKPIの具体例とともに、可視化を行うときの要件特性をご紹介したいと思います。BI関連ソフトウェアの棲み分けについては最終回での解説を予定しています。

注記1) SAP Enterprise Supportをご契約いただいているお客様は、BPOに関連する全機能をご利用いただけます。保守契約別の利用可能範囲詳細情報については下記をご参照ください。
Solution Manager Usage Rights
http://service.sap.com/solutionmanager
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