SuccessFactorsで実現するグローバル人材管理と、導入を成功させるためのポイントとは?


こんにちは、SAPジャパンの鎌田です。本連載では、10月30日に大阪で開催された「SAPグローバル人材フォーラム2013 大阪 Autumnグローバル経営を実現する人材戦略」の内容をご紹介しています。2回目の今回は、SAPジャパン ソリューション本部 人事/人財ソリューションズの佐々見直文によるセッション「戦略実現のための人材情報管理」です。

グローバルで加速するタレントマネージメントシステムの導入

写真 2このセッションではグローバル人材の育成、活用のための効果的なソリューションとして、SAPが提供するタレントマネージメント/HR関連のクラウドサービス「SuccessFactors」が、主要機能のデモを交えて紹介されました。

冒頭、佐々見はSAPが人事部門のITにおいても40年にわたる実績を持ち、なおかつ80カ国の法制度に対応する人事給与のソリューションとして、世界のトップシェアを維持してきたこと、さらに近年高まるタレントマネージメントのニーズに応じた新機能の拡充について言及しました。

「とりわけタレントマネージメント、すなわちグローバルでの人材管理を効率化したいというニーズが高まっています。こうした声に応えて2012年、タレントマネージメント分野で大きな実績を持つSuccessFactorsをSAPグループの傘下に迎えました」

SuccessFactorsのソリューションは、基盤となるグローバル人材データベース上に目標設定および評価、あるいは学習(e-learning)、後継者計画、分析機能といった、タレントマネージメントに関わるすべての機能を網羅しています。またクラウドサービスの最大の長所として、どんな場所や地域からでも、お客様のニーズに応じて必要な機能を必要な人数分だけ調達でき、初期コストを最小限に抑えることができます。こうした独自性が注目を集め、非常に多くの企業から規模の大小にかかわらず問い合わせが寄せられています。

タレントマネージメントのシステム化における3つのポイント

佐々見は、現在タレントマネージメントのソリューションが多くの企業から注目されている背景に、企業のグローバル展開にともなう人事部門への要求の変化を挙げます。具体的には人と組織の側面から会社の経営戦略をサポートするといった、いわば経営にとってのビジネスパートナーとして人事部が機能しながら、実務面では現場の要求に応じて「最適な人材を、最適なポジションに、最適なタイミングで」配置していくことが、グローバル規模で求められているのです。

そうした要望に応えるべく各企業の人事部門が現在取り組んでいるのが、国内外すべての従業員をデータベース化し、スキルや適性、キャリアなどを「見える化」していく試みです。しかし、この中にも積極的にシステムを導入する会社もあれば、手作業でExcelなどを使っている会社もあります。

「もちろん、システムを導入した方が効率性に優れ、またグローバルという規模への対応においてもアドバンテージがあることは明らかです。しかし本当に効果的なタレントマネージメントの実践には、システムのもたらすメリットを具体的かつ正確に理解することが必要です」

まずシステム導入ありきで始めてしまった会社の中には、いったんはグローバル人材データベースを完成させたものの、情報更新が難しく、数年でデータが陳腐化してしまったという例もあります。そうした失敗を避けるために、佐々見はタレントマネージメントをシステム化する上で考慮すべき3つのポイントを挙げます。

  1. 本社のためだけの仕組みにしない:
    集まった情報を本社の人間だけが見るのでなく、グローバルの各拠点の人事担当や経営層も活用できる環境を構築する。
  2. 情報更新の自動化:
    「見える化のために情報を集めてください」と各拠点に協力を仰ぐのではなく、人材マネージメントのプロセスとツールを組み合わせ、それを本社主導で展開していくことによって、情報が自動的に集まってくる仕組みを作る。
  3. すぐに役立つ機能から始める:
    数多くのテーマがある中で、重要度が高く、かつすぐに取り組めるところから始める。その後、追加・削減を検討しながら、変化に柔軟に対応できるシステムを構築する。

「わかりやすさ」と「厳格な権限管理」を両立したSuccessFactors

佐々見はSuccessFactorsの機能の中から主だったものをデモで紹介しながら、特に「誰でも使えるわかりやすさと、厳格な権限管理の両立」を強調。

「グローバルでの情報共有を考える場合、やはりグローバル人材データベースには誰にでもわかりやすい“見やすさ”が不可欠です。しかし同時に、誰にでも見せてもいいというわけではなく、見るべき人、見ることが許されている人が必要な情報をすぐに見られる仕組みが重要なのです」。

SuccessFactorsでは、たとえばSさんという管理職がシステムにログインすれば、部下の情報の中で自分の権限で許されているものは、すべて自由に見ることができ、それらの情報の中身についても、たとえば入社後の経歴や職務経験などは、各項目を自社のニーズに合わせて自由に設定することが可能です。

また部下本人が編集できる情報、編集できない情報も、それぞれ管理側で設定できます。たとえば「転勤の可否」などは、編集可能にしておけば自分で随時変更できます。一方、研修履歴などは本人が勝手に書き換えられないように制限しておくことも可能です。

「こうした形で、誰が誰の情報を閲覧することができるかといった権限を人事データベースとして管理しようとすると、もはやExcelでは不可能です。より良い人事情報の活用を実現するためには、最適化されたマネージメントシステムが不可欠なのがおわかりいただけると思います」。

部下の経歴を的確に把握し、後継者の育成計画に活用

こうした人事情報活用と同時に、戦略的に人材管理を行っていく上で、最近多くの会社が取り組んでいるのが「後継者計画」だと、佐々見は明かします。

「グローバルでは人材の引き抜きが珍しくなく、後継者育成には、その後任を用意しておくという意味合いもあります。しかし、昨今はそれ以上にグローバルでの事業展開に応じて必要なリーダー数を前もって確保しておく要請が強くなっています。こうした課題も人事データベースを核としたグローバル情報基盤があれば解決可能です」

SuccessFactorsでは、たとえばSさんという管理職が部下の情報を見る場合、本人はもちろん、この現在のポジションに対して誰が後任者としてアサインされているかという情報まで参照することができます。また、必要なスキルやキャリアに合った後任者候補を、管理職のSさん自身が検索することも可能です。「どの部署で何年働いてきた」とか「コンピテンシースキルが何点以上」といった要件を入れて検索すると、該当する社員がヒット率順にランキング形式で表示されます。

このほかSuccessFactorsには、目標管理、進捗レポート、蓄積した情報をもとにした分析機能なども備わっており、本社主導によるグローバル人事管理が容易かつ統合的に実現できるのが大きな特長です。

さらに、さまざまなKPIがあらかじめ用意されたSuccessFactorsなら、各指標を各々のKPI単位で見ることが可能です。ベンチマークデータと自社の数値との比較などもできるため、定量的かつ多面的にデータを精査しながら、戦略的に人事施策を立案することができる点も大きなメリットです。

佐々見は最後に、「グローバル人事システムは、本社だけでなく世界的、全社的に人々が活用できる仕組みであることが第一の要件です。第二は、業務プロセスや情報更新については社員が使える、使いたいと言ってもらえる機能を積極的に提供していくこと。そして第三は、最初は小規模でもシステムを使うメリットを感じてもらえるところから導入して、やがて大きく育てていくことがグローバル人事管理システム導入の成功のポイントです」と改めて強調し、この日のセッションを締めくくりました。

次回は、神戸大学大学院 経営学研究科 教授の金井壽宏氏をモデレーターにお迎えしたパネルディスカッション「グローバル事業戦略実行における人事の役割」についてご紹介します。

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