今の時代の「ネットワーク」とビジネスの将来について語りましょう
作成者:晋 順徳 投稿日:2013年11月29日
SAPジャパンの晋(ジン)です。今回は、大きく進歩を遂げつつある「ネットワーク」とビジネスの将来について取り上げたいと思います。
現在、ネットワークといえば、「人間」と「テクノロジー」の2つの対象がまず思い浮かぶでしょう。前者は昔ながらの人脈ネットワーク、後者はデータ通信ネットワークです。しかし、ソーシャルメディアとモバイルテクノロジーの普及に加え、クラウドとビッグデータが登場したことで、ネットワークに対する私たちの理解は、根底から変わろうとしています。
役員室から生産現場まで、あらゆる立場の人々が、ネットワークの可能性を認識しはじめており、ビジネスの成長と改善につなげる方法を理解したいと考えています。そして昨今、あらゆる業種、業務部門において、ネットワークをテーマにした対話があきらかに増えています。こうした対話は、ビジネスの将来を考える上で重要な意味があります。
ネットワークが重要な理由
「現在のネットワークは、ビジネスを劇的に変革しつつあり、その影響の大きさは100年前に登場した大量生産の組立ラインに匹敵します」と説明するのは、Ariba社のネットワーク戦略担当シニアバイスプレジデント兼最高マーケティング責任者、ティム・ミナハン(Tim Minahan)氏です。もともとビジネスネットワークは、単純に効率アップを目指すものでした。しかしその役割は今、ビジネスコラボレーションの強化、顧客サービスの向上、情報に基づく意思決定の高度化を可能にするといった、意思決定に使えるデータの提供へと変わりつつあります。
CSC社のクエンティン・フィッシャー(Quentin Fisher)氏は次のように話しています。「モバイルテクノロジーとビッグデータが登場したことで、ネットワークの数が増え、その多くは組織階層のより現場レベルでの結びつきを強めています。これにより、企業は俊敏性と適応性を大きく高めることが可能になります」
ビジネスネットワークは今や、企業の枠組みを越え、グローバルな問題の解決にも利用されるようになっています。たとえば、スマートシティの建設、エネルギーや希少資源の管理の高度化、より迅速で効果的な災害救助を目指す組織の支援などが挙げられます。
ビジネスのソーシャル化が進む理由
もはや、人々の生活の場は毎晩の寝床がある土地だけとは言い切れません。起きている時間の多くを地球上のあちこちにいる友人、同僚、知人と一緒に過ごし、あらゆる関心事について情報や意見を共有しているからです。
Fortune 500企業をはじめとして、こうした対話に積極的に参加する企業が増えており、消費者や他の企業との結びつきを、より強く、より深く、より創造的なものにする方法を模索しています。
モノのインターネット(the Internet of Things)によって世界はどう変わるのか?
ここでの「モノのインターネット(the Internet of Things)」とは、いわゆるM2M(マシン間)通信のことを指しています。モノのインターネットによって、家電製品、冷暖房装置、クルマ、スマートフォンなど日常的に使う道具類をダイナミックに結びつけることが可能になっており、その結果、より連携性、柔軟性、利便性の高いライフスタイルが実現しつつあります。
しかし、モノのインターネットによって可能になるのは、帰宅の途中で部屋の暖房を遠隔操作したり、牛乳が残り少ないことを冷蔵庫が音声で教えてくれたり、といったことだけではありません。もちろん、こうした進歩もワクワクするものですが、このテクノロジーには、はるかに大きな意味があるのです。あらゆる規模の企業に無数の新たなビジネスチャンスがもたらされますし、このテクノロジーが命を救う可能性さえあります。たとえば、心臓病患者のペースメーカーが危険を察知すると、本人の携帯電話に警告メッセージを送り、主治医にも通知する仕組みになっているとします。しかし、もしバッテリー切れなどの問題が発生していたら、どうなるでしょうか?モノのインターネットが有機的に機能している世界では、こうした事態にも適切に対応できることでしょう。
ビジネスネットワークの将来を定義する動きが加速中
今日のネットワークは多様で複雑ですが、それらを収束統合することで、人とモノとの間に新たな結びつきが生み出されます。そして、私たちの生き方を変え、ビジネスを刷新するそのパワーは、今この瞬間も驚異的なペースで増大しつつあり、世界中の企業がその勢いに追いつこうと先を争っているのです。
出典:Conversations on the Future of Business: The Power of Networks 投稿者 Jim Fields
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